日産 新型「シーマ」復活~栃木工場発・匠が造る「超」こだわりの最高品質とは~

日産 新型「シーマ」復活~栃木工場発・匠が造る「超」こだわりの最高品質とは~
日産 新型「シーマ」復活~栃木工場発・匠が造る「超」こだわりの最高品質とは~ TOP画像 日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック1 日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック2 日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック3 日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック4 日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック5 日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック6 日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック7 日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック8 「塗装工程」シーマ特別 水研ぎ場 「塗装工程」シーマ特別工程の概略図 画像ギャラリーはこちら

日産基幹工場の匠たちがこだわる最高品質の結晶「シーマ ハイブリッド」

日産 新型 シーマ ハイブリッド エクステリア日産自動車 栃木工場 全景

2012年4月25日、日産の高級セダン「シーマ」がフルモデルチェンジを実施し、新たに「シーマ ハイブリッド」として生まれ変わった。シーマの名に相応しい走行性能と、近年特に求められる環境性能を両立させ、高い品質とゆとりの室内空間を有する贅沢なモデルである。かつて頂点に位置した「プレジデント」は既に絶版モデルとなっており、今後はシーマ ハイブリッドが日産のフラッグシップカーとなった

今回、我々オートックワン編集部では、日産の最高級モデル「シーマ ハイブリッド」を生産する日産自動車 栃木工場を見学する機会に恵まれた。日産の考える最高級の品質とは何か、その最前線の現場へ向かった。

栃木工場は鋳造部門、車軸部門、車両部門、そして実験部門までを有する、日産でも最大級の工場施設だ。車両部門ではこれまでセドリックや歴代のシーマなど数々の高級車を生産し、現在は主に日産の高級車ブランド「インフィニティ」車(日本未発売)の多くや、スーパーカー「GT-R」などを造り出している。つまり日産の数ある工場の中でも、もともと高品質にこだわり生産を続ける風土というワケだ。

栃木工場のスローガンは「モノづくり品質世界一」。生産者たちがより高い技能を身につけるため、「匠(たくみ)」という技能レベル別の階級制度も取り入れている。その技術ノウハウや人材・仕組み作りなどは世界の日産工場へと水平展開され、各拠点の技術力の底上げにも貢献しているというから凄い。

品質には高いプライドを持つ栃木のプロ集団たちは今回、高品質を超える「最高品質」を目指したという。一体どのようなこだわりを持ち、最高品質の結晶であるシーマ ハイブリッドを造り出したのか、気になるところだ。順を追ってご紹介していこう。

自動塗装ラインを外れ、人の手での水研ぎを実施

新型 シーマ ハイブリッド「塗装工程」水研ぎ工程3
「塗装工程」シーマ特別 水研ぎ場新型 シーマ ハイブリッド「塗装工程」水研ぎ工程4

国内専用、年間約1000台規模という少量台数が生産される新型「シーマ ハイブリッド」。日産栃木工場では、生産の様々な過程においてシーマ向けの特別な工程を加えた。その中のいくつかを見せて頂いた。

まずは塗装工程。ここではクルマのプロポーションを決定付ける複雑で滑らかな曲面のボディデザインを最大限生かすよう、平滑な塗装とすることが求められる。新型 シーマ ハイブリッドでは、「下塗り」「第1中塗り」「第2中塗り」「ベースコート」「トップクリアコート」の5層を塗り重ねる。

写真は中塗りを終え、ベースのボディカラーを塗装をする前の状態。ここで特別に、複雑な造形を持つフェンダーやショルダーラインといったボディの側面を、わざわざ一度水研ぎしている。もちろんこれもシーマ専用の工程で、通常の量産モデルでは考えられないこだわりぶりだ。1人の匠が、1台あたり片面30分もの時間をかけて作業する。

塗装は重ねれば重ねるほど滑らかさを増すものだが、シーマはさらにミクロの単位までこだわった。中塗りを厚く塗り平滑に近づけ、その上で水研ぎすることで、さらにボディの平滑性を増している。もちろんこの手前のプレス工程、車体工程においても、各現場の高技能者「匠」が全数をチェックしているのは言うまでもない。

またこのあとの、ロボットによる自動噴き付け塗装(その設定自体も匠の手によるものだ)では出来ない複雑な箇所では、やはり匠の手による手吹き塗装も加えている。

新型 シーマ ハイブリッド「塗装工程」水研ぎ工程6「塗装工程」シーマ特別工程の概略図「塗装工程」シーマ特別工程「塗装工程」新型 シーマ ハイブリッド「塗装工程」水研ぎ工程1

全車を抜き取り、完成検査前に特別点検を実施

日産 新型 シーマ ハイブリッド「組立て工程」特別点検7日産 新型 シーマ ハイブリッド「組立て工程」特別点検10

次に完成検査の点検ライン。これはどんな車種であっても生産ラインの最後にあるものだが、しかしシーマでは、わざわざ一度ラインからいったん外し、特別点検を実施する。それが写真の様子だ。任意で何台かを抜き取ってチェックするのではなく、新型 シーマ ハイブリッドの生産車全部を点検する

もちろんこちらも、社内の上級認定に選ばれた「匠」のみがこの工程を担当出来る。目で見て、手で触れて、フェンダーのつなぎ目やドアのすき間、フェンダーとボンネットの上面のズレなどを、0.5mm単位でチェックする。そう、彼ら彼女らは、その目や手が計測ツールそのものなのだ。その後さらにデジタル測定器を用いて108箇所を計測・記録する念の入れよう。繰り返すが、これは抜き取り検査ではない。全車をくまなくチェックする。

日産 新型 シーマ ハイブリッド「組立て工程」特別点検4日産 新型 シーマ ハイブリッド「組立て工程」特別点検8日産 新型 シーマ ハイブリッド「組立て工程」特別点検6日産 新型 シーマ ハイブリッド「組立て工程」特別点検3日産 新型 シーマ ハイブリッド「組立て工程」特別点検5

生産車全てでテストコースでの走行試験を実施

日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック4日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック8

最高品質へのこだわりは、工場内に留まらない。新型「シーマ ハイブリッド」は、全台数がテストコースでの試乗チェックを経て出荷される。栃木工場内にある生産車用テストコース(栃木工場内には開発用のコースも別に存在する)を用いて、約1.6kmのコースを6種類、それぞれ異なる路面で走り、これを5周繰り返すという。これもまた異例なことだ。

栃木工場で生産する他のインフィニティモデル(日本名「フーガ」や「スカイライン」などの、それでも十分に高級なモデルだ)の場合、テストコースチェックは3周のみであり、しかも全車ではなく一部の車両のみの抜き取り検査というのだから、その厳しさのほどが解るだろう。

工場を出たシーマ ハイブリッドは、道路のつなぎ目や路面の凹凸などを人工的に造り出したテストコース上を、100km/hの高速で駆け抜ける。車両のわずかな動きに伴う組み付け不良により、異音・低級音などが発生しないか、同乗の検査員がチェックするのだ。もちろんこの検査も、「匠」の特別な資格を持った者のみが行うのは他工程と同じ。また運転席のみならず、後席にも検査員が同乗し、2名の評価で点検を実施するのも特筆すべき点だろう。

こうして高品質の証しである「品質検査確認書」が1台1台に搭載される。しかも、栃木工場の工場長の手による直筆サイン入りだ。匠の技の結晶である新型 シーマ ハイブリッド。ショールームや街で見かける機会があったら、ぜひその最高品質の仕上がりを、じっくりと観て欲しい。

[Photo&レポート:トクダ トオル(オートックワン編集部)]

日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック7日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック6日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック1日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック2日産 新型 シーマ ハイブリッド 栃木工場テストコース試乗チェック5
日産 新型 シーマ ハイブリッド 複雑な面構成を持つフェンダー~ショルダーライン日産 新型 シーマ ハイブリッド リア周り日産 新型 シーマ ハイブリッド インパネ周り日産 新型 シーマ ハイブリッド クラストップレベルの後席足元空間日産 新型 シーマ ハイブリッド 銀粉本木目フィニッシャー

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トクダ トオル(MOTA)
筆者トクダ トオル(MOTA)

昭和44年生まれ。週末は愛車に乗って(時に鉄道に乗って)家族とともにドライブやキャンプを楽しむ1児のパパ。自動車メディアに携わるようになってから15年余りが経過。乗り換えに悩むユーザーの目線に立った平易なコンテンツ作りを常に意識し続けている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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