富士重工業、陸上自衛隊向け新多用途ヘリコプターの共同開発を発表

UH-X完成イメージ

富士重工業は、9月2日、防衛省との間で陸上自衛隊向け新多用途ヘリコプター(UH-X)開発プロジェクト立ち上げ事業(*1)の試作請負契約を締結したことを発表した。

同社は、米国ベル・ヘリコプター・テキストロン社(ベル社)と、高い信頼性と汎用性を持ち捜索救難等で活用される「412シリーズ」の最新型ヘリコプターである「412EPI」の発展型機を「富士ベル412+(仮称)」として共同開発し、この機体を共通プラットフォームとして陸上自衛隊向けUH-Xを開発する計画だ。

民間機として開発する富士ベル412+は、412EPIのドライラン能力(*2)を向上させるとともに、トランスミッションの出力向上、機体の耐久性の改善など、性能と安全性を向上させた機体であり、自社で開発した金属表面加工技術や、民間機大量生産などで培った高効率生産技術など、同社の独自技術を最大限に投入する計画。販売については、ベル社のネットワークを活用し、協力して世界に向けて販売する計画とのこと。

富士重工業は、ベル社との55年にわたる強固なパートナーシップのもと、同社航空宇宙カンパニー(栃木県宇都宮市)にUH-Xと富士ベル412+の製造ライン、及び維持整備体制を構築し、共同でヘリコプター事業を展開していく予定だ。

*1:事業名称「陸上自衛隊新多用途ヘリコプター(その1)」

*2:メイン・トランスミッション内の潤滑油が抜けた状態で、30分間の飛行継続が可能な能力

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