伝統的なアメ車に宿る世界観が味わえるクライスラー 300試乗レポート(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正/FCA
アメリカのクルマ生活を感じる
居住性は前席に十分なサイズを持たせ、ゆったりと座れる。腰まわりの支え方は少し硬めでドイツ車風ともいえるが、座面に柔軟性があって快適だ。
Lサイズセダンだから後席の広さも申し分ない。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は握りコブシ2つ分だ。
特に広くはないが、床と座面の間隔に余裕があって腰が落ち込まず、後席に座る乗員の足が前席の下に収まりやすい。昔のアメ車には後席の座面が短い車種が多かったが、現代のクライスラー300なら、サイズにもゆとりがあるから大人4名が快適に移動できる。
総合的に判断すると際立って優れた機能はないが、ゆったりと座れるシートや穏やかな操舵感に、直線路を長時間にわたって移動するアメリカのクルマ生活を感じる。昔のアメリカンセダンを懐かしく思い出す世代には、クライスラーというブランドを含めて気になる存在だろう。
また日本車や欧州車の上級モデルを乗り継いだユーザーが運転すれば、アメ車に宿る世界観が新鮮に感じられると思う。フォードが日本から撤退した今、クライスラーは、比較的馴染みやすいアメリカンブランドとして大切な存在になった。
[レポート:渡辺陽一郎/Photo:茂呂幸正/FCA]
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