アウディ A3 試乗レポート

アウディ A3 試乗レポート
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定評の質感とスポティ---新プレミアム・コンパクト

フロントスタイリングリアスタイリング

最新アウディ・ラインナップの屋台骨のひとつとなって行くモデル――それが、日本でもこのほど発売となった新型A3シリーズだ。ボディは今のところ3ドアのみと、そのシリーズはまだ完成状態にはない。エンジンバリエーションの拡充なども含めて、A3ファミリーはこれから徐々に大世帯化をして行くに違いない。

そんな新型A3のルックスは、ご覧のように従来型のイメージを強く受け継いでいるのがひとつの特徴だ。フロントバンパーを挟んでその上下に開口部を設ける “ツイングリル”は、このところのモーターショーに出展されるコンセプトカーを含んだ最新のアウディ各車に共通をしたこれから定着をさせて行こうというアイデンティティのひとつ。もっとも、こうして従来型との共通イメージは強くても実はボディサイズは両者でかなり異なっている。全長は50mm、ホイールベースは65mm延長され、全幅も30mm拡大をされたのが新しいA3なのである。

各部の質感の高さで定評のあるのが昨今のアウディ車だが、そうした印象はもちろん新型A3にもしっかりと踏襲されている。ボディパネル合わせめの隙間の小ささや塗装の質感。そして、インテリア各部の素材感など、いわゆる“見た目質感”という点ではどこをとっても文句のつけようなどないと納得してしまえるのが新しいA3の各部の仕上がりの印象だ。前述のボディ大型化の効果もあって、室内スペースも大人4人に文句ナシの大きさ。後席使用時でも十分なラゲッジスペースが確保出来るのは、こうした「ちょっと大きめ2ボックスカー」ならではの特徴のひとつと言える。

格段に進化した上品な走り

タイヤ&アルミホイールエンジン

走りのテイストは、こうした見た目の上質感としっかりとリンクをしている印象が強い。それは専用チューンの足回りや17インチタイヤなどが与えられ、『スポーツ』というグレード名を与えられたモデルであっても変わることのない印象だ。さすが路面凹凸を拾った際の上下Gなどはより強めに現れるが、それでも乗り心地はなかなかにしなやか。静粛性も従来型よりも確実に進歩をした部分だ。このあたりをみると、A3というクルマは今回のモデルチェンジによっていかにも「正常進化を遂げた」という表現を使いたくなってくる。

ところで、新型A3の売り物のひとつは新しいそのパワーパックにもある。日本仕様の4気筒モデルの場合、エンジンは新開発の2リッター直噴DOHCユニット。トランスミッションもクラスの常識を超えた6速ATと、技術面でも先進性を示すのが得意なアウディ車らしいスペックが並ぶことになるのである。

確かに6速ATは、静粛性や燃費、エンジンブレーキの使いやすさといった点でも額面通りのメリットを感じさせてくれることになった。ただし、もうひとつの自慢である直噴エンジンに対しては「必ずしもまだ満足の行かない部分がある」というのがぼくの率直な感想だ。

新世代へのトライ

試乗エンブレム

まず、低回転域でのトルク感が少々薄い印象を受ける。特に、層状リーンバーン燃焼をしていると思われるアクセル開度が小さく3000rpmくらいまでの領域では、絶対的なトルクの不足感と共にアクセル操作に対するレスポンスが鈍いという点もちょっと気になるポイントだ。回転数が高まってくると、トルクはしっかりとした盛り上がりをみせるしパワーの伸び感にも不満はない。が、結局そのようにアクセル踏み込み量が増えてしまったのでは、低燃費という直噴エンジンゆえのメリットも生まれにくいのではないだろうか。

とは言うものの、様々な新時代へのトライを盛り込んだA3はまだまだ生まれたばかり。冒頭述べたバリエーションの拡大と共に、これからの熟成に大いに期待をしたくなる素性の優れたモデルがこの1台だ。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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