アルファ ロメオ 4C 試乗レポート/嶋田智之(3/3)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:小林岳夫
ピュアスポーツだけど、泊まりがけのロングドライブにだって(ちょっと工夫すれば)行けちゃうのだ
が、最後に少しばかりアルファ ロメオ 4Cの実用面について僕が体験したことを書き添えておくと、エンジンの後ろ側に申し訳程度に用意されているラゲッジスペースは、少なくとも男ひとりの3泊分の荷物を入れた鞄と、出先で買ったちょっとした土産物を収めるくらいは楽勝だった。美女との温泉旅行を目論むには自分の鞄を小さくするなどの工夫は必要だろうが、1~2泊分だったら何とかなるかも知れない。
僕がこれまで走らせたことのある4Cは、どういうわけか全てオプションのスポーツサスが組み込まれたものばかりで、今回の試乗車もそうだった。4Cの走りのパフォーマンスを満喫するには相応しい仕立てではあるけれど、これまでの短時間の試乗では、その乗り心地がかなりハードコアなものに感じられて、とてもデートに使いたいとは思えないという印象があった。
ところが今回、高速道路中心であったが1500km以上もの距離を走らせて感じたのは、確かにハードではあるけれど、意外や疲れは少なかったということだった。固いようでいてサスペンションはよく動いているということの証であり、薄手に思えるシートも思いのほか身体に優しいということなのだろう。もちろん同じパワートレーンを持つ「アルファ ロメオ ジュリエッタ」のクアドリフォリオ・ヴェルデの方が、何倍も快適であるのは確かなのだけど。
ピュアなだけ、じゃないイマドキのスーパースポーツカー
そして、燃費である。阪神高速の北神戸線を左車線ベタづき、交通の流れ優先ながら基本は制限速度キープを意識してエコランを試みたら、燃費計が「4.1L/100km」、つまり24.4km/Lほどの数値を示した。もちろん普通はそういう走らせ方はしないだろうし、下りが多めの区間だったからそう参考になる値でもないだろうけれど、それでも出た目は出た目。正直、予想してなかっただけにマジメにビックリした。JC08モードでの数値は12.1km/Lだが、おとなしく走っている限りではそれ以上の数値をマークすることも多々あった。
アルファ ロメオ 4Cはダイレクトにしてダイナミック、徹頭徹尾“走り”に対してピュアな乗り味を持つ素晴らしい1台だけど、今どきのスーパースポーツカーっていろんな意味で本当に凄いのだな、というお話である。
[レポート:嶋田智之/Photo:小林岳夫]
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Alfa Romeo 4C 主要諸元
全長x全幅x全高:3990x1870x1185mm/ホイールベース:2380mm/駆動方式:MR(ミッドシップ・後輪駆動)/ステアリング位置:右・左/乗車定員:2名/車両重量:1100kg/エンジン種類:直列4気筒 DOHC 16バルブ インタークーラー付ターボ 直噴ガソリンエンジン/総排気量:1742cc/最高出力:240ps(177kW)/6000rpm/最大トルク:35.7kg-m(350N・m)/2100-4000rpm/トランスミッション:Alfa TCT(6速乾式デュアルクラッチオートマチック)/燃料消費率:12.1km/L[JC08モード燃費]/サスペンション:(前)ダブルウィッシュボーン(スタビライザー付)(後)マクファーソンストラット(スタビライザー付)/タイヤサイズ:(前)205/45R17 <205/40R18>(後)235/40R18 <235/35R19>< 内はスポーツパッケージ >/メーカー希望小売価格:8,067,600円[消費税込み]
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