【はたらくクルマ】トーイングカー ~JALの定時運行を支える、空港のはたらくクルマ Vol.1~(1/2)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:小林岳夫
世界一の定時到着率を誇るJAL、その裏側に迫る!
首都圏からのアクセスが良く、地方空港との乗り継ぎにも便利な羽田空港。2010年には新国際線ターミナルもオープンし、海外から日本への玄関口の一つとして更なる発展を遂げている。そんな羽田空港の発着回数は30.3万回/年(415便/日)。つまり、電車や新幹線同様“分刻み”のスケジュールで動いていることをご存じだろうか?
その中でもJALは“定時到着率”で2年連続世界第一位を受賞している。安心安全を最優先にしながら、定時に出発、定時に到着する…当たり前のように思えることだが、これを実現させるためには、JALグループ全社員の“力”が活かされている。今回、そんなJALの裏側をクルマメディアの視点で見てみた。
ハイテク最新機体「ボーイング787」でも出来ない、たったひとつのこと
JALでは最新鋭の中型機である「ボーイング787」を筆頭に、777や767、737をメインに運航を行なっている。余談だが787では主要な部品である中央翼の開発・製造は富士重工航空宇宙カンパニーが行なっている。最新のハイテク機器満載や軽量化、省燃費など、クルマと同じようにこだわっている最新鋭の航空機だが、どんな機種でもできないのが「地上での後退(バック)」だ(厳密に言えば、エンジン逆噴射させること後退可能な機種もあるが、音や排気などの問題の方が大きく非現実である)。
ただ、航空機に乗車したことがある人なら、当たり前のように後退して滑走路に向かっていく様子は体験しているはず。
では、どのように後退させているのか?
実は別の車両でアシストしている。それが空港内で働くクルマの一台「トーイングカー(牽引車)」である。
トーイングカーの車両重量、実に50.5トン!
トーイングカーは航空機と比べると非常に小さく見えるが、今回取材したコマツ製トーイングカーは全長8.8×全幅3.2×全高2.8mとかなり大柄なサイズ。驚くのは車両重量で50.5トンと超重量級な事だ。これは200~300トンある航空機をプッシュバック(押し出す)させるためだ。R35 GT-Rと同じく、4つのタイヤのグリップ力を生みだすために重量をタイヤのグリップに活かす…という理論である。そのため、ボディやフェンダーなどは極厚の鉄板が使用されるだけでなく、タイヤハウス内にはオモリも装着されていた。
エンジンは11040ccの直列6気筒ディーゼルターボで最高出力295ps/2200rpm、最大トルク123.2kgm/1400rpmを発揮。トランスミッションは前進4速/後退2速のセミオートマチックを採用する。ちなみに駆動方式はフルタイム4WDで、スイッチで切り替え可能な4WS機能も装備されている。タイヤはBS製の16.00-25 32PRを履いていた。ちなみに最高速度は30km/hだが、プッシュバック時は10~15km/hくらいの速度で使用されるそうだ。
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