マツダの新戦略か?否定してきた過給エンジン投入の意図とは?

マツダの新戦略か?否定してきた過給エンジン投入の意図とは?
マツダ 2.5リッターガソリンターボエンジンを搭載する新型CX-9 マツダ 2.5リッターガソリンターボエンジン ホンダ1リッターターボエンジンを搭載したテスト車両 ホンダ1リッターターボエンジン マツダ 2.5リッターガソリンターボエンジンを搭載する新型CX-9 マツダ 2.5リッターガソリンターボエンジン ホンダ1リッターターボエンジンを搭載したテスト車両 画像ギャラリーはこちら
マツダ 2.5リッターガソリンターボエンジン

マツダはスカイアクティブ技術を発表した時点からガソリン過給エンジンを徹底的に否定してきた。なかでも強硬なのがエンジン開発担当のTOPである人見さんである。

何度となく「過給エンジンはやらないのか?」と聞いてきたけれど、その度に「効率が悪いので絶対やらない!」と否定し、返す刀で「過給エンジンの自動車税が安いのはおかしい!皆さんそう思わないですか?」。

確かに過給エンジンは可変排気量のようなもの。1500ccエンジンに0.5気圧過給してやれば、実際の排気量は2250cc分である。2500cc以下の自動車税にすべきなのかもしれません。

逆に排気量によって決まる自動車税を撤廃し、ガソリン課税を上げれば燃費課税になります--ということまで人見さんは主張し過給エンジンの否定をしてきた。マツダの過給エンジン搭載は本当に驚きだ。

マツダ 2.5リッターガソリンターボエンジンを搭載する新型CX-9

ちなみに核心に近い質問をした場合「人気のない人」(絶対口外しないでください、と前置きしてアウトラインを語る役職の人が私たちの業界では人気あります)ですら、コメント出来ませんと言う。

全面否定してスグに発表したという前例など無し。マツダも「少し説明が必要」と考えたのだろう。『情報交換会』というメディア向けの説明会を開くという。

聞いてから原稿を書く、というチョイスもあったのだけれど、その前に今までの流れをザッと紹介しておこうと考えた次第。どんな説明をするか全く予想出来ないのだけれど、果たして過給エンジンはダメなのか?

ホンダ1リッターターボエンジンを搭載したテスト車両

好対照なのがホンダである。先日行われたホンダジャーナリストミーティングの際、過給エンジン路線を拡充していくと発表した。

来年にも市販車に搭載されるという3気筒1000cc過給エンジンの試乗車もあったけれど、1500~1800ccの4気筒エンジンと同等の出力を持ちながら一回りコンパクトで燃費も良好だという。

過給エンジンについての意見を聞いたら、以下のような答え。

「熱効率だけで評価すればターボ無しの方が良いかもしれません。ただ過給することにより大幅にエンジンサイズは小さくなります。V6を4気筒にすることだって可能です。また、4気筒の1500ccターボと、2500ccターボ無しであれば振動や質感という点で小排気量ターボの方が圧倒的に少なくなりエンジンの存在感も薄くなります」。

総合して考えると、マツダとしてはV6を残しておくと生産効率が悪くなる。かといってアメリカでCX-5より大きなボディのクルマを売るとなれば、ターボ無し2500ccだと動力性能で厳しい。だったら2500cc4気筒にターボを付ければよい」ということなんだと思う。

人見さんの「マツダは絶対ガソリン過給はやらない」と言ってきた点のみ、辻褄が合わない。

とはいえ、最近ひと味違う方向を目指すマツダだけに、どんな過給エンジンを作ってくるのか大いに期待している。

参考までに書いておくと、 2500ccはダウンサイジング過給エンジンの中で最大級の排気量(現時点ではフォードの2300ccが最大)。出力特性や燃費、エンジンフィールを含め、試乗が楽しみになってきた。

[Text:国沢光宏]

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国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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