ホンダ新型シビックタイプR フルモデルチェンジ徹底解説|FF最速の戦闘マシンがいよいよ日本導入(1/2)

ホンダ新型シビックタイプR フルモデルチェンジ徹底解説|FF最速の戦闘マシンがいよいよ日本導入
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世界最速のFFマシン、ホンダ新型シビックタイプRが2017年9月29日、日本発売!

2017年7月27日にホンダ シビックが国内市場で復活した。日本で生産されるのは4ドアセダンのみだが、イギリスから5ドアハッチバックも輸入する。そこにはスポーツモデルとして根強い人気を誇るFF世界最速の”シビックTypeR”(タイプR)も含まれるから、クルマ好きの読者諸兄には気になる存在だと思う。

今回同時に発表されたホンダ新型シビックハッチバック/セダンの詳細については別項でご紹介しているので、ここではシビックタイプRに特化した新型車解説をお届けする。

新型シビックタイプRは、同時に発表された新型シビックのハッチバックモデルがベースだ。5ドアで使い勝手も良い。ただし全長4560mm、全幅1875mm、ホイールベースは2700mmと堂々としたもの。車幅はベースのシビックハッチバックに対しさらに75mmも拡大しており、かなり大柄なクルマだ。2015年に750台限定で販売された先代シビックタイプRは全長4390mm、全幅1880mm、ホイールベース2600mmだから、車幅はほぼ同等で、全長が170mm、ホイールベースも100mm伸びている。

なお今回のモデルは限定販売ではなく、通常のカタログモデルとして発売される。ただし、新型シビックハッチバックや先代タイプRなどと同様にホンダ・イギリス工場から日本仕様として輸入されるモデルとなるため、販売出来る台数は限られている。実際、ホンダの販売ディーラーへ問い合わせてみたところ、既に発売前の段階でバックオーダーがかなりの数で入っているとのことだ。

>>関連記事:ホンダ新型シビックセダン・ハッチバック新型車詳細解説[2017/07/27]

新型シビックタイプR専用2リッターVTECターボエンジンは旧型に対し10馬力アップ

新型シビックタイプR

新型シビックタイプRが搭載するエンジンは、先代型と基本的には同じ、直列4気筒2リッターの直噴VTECターボが積まれる。ただしチューニングは異なり、最高出力は320馬力(6500回転)、最大トルクは40.8kg-m(2500~4500回転)としている。先代型に比べると10馬力の上乗せになった。

エンジン内部の部品は慣性重量を低減させ、アルミブロックなどによる軽量化を達成している。レーシングエンジンの開発で得たノウハウを活用したことも特徴だ。エンジンを冷却するウォータージャケットはシリンダーヘッド内部のエキゾーストポートを上下から包むようにレイアウトされ、排出ガス温度を約100度下げるという。ピストンの内部には、環状の冷却油路を設けてピストンの冷却効果を向上させた。排気バルブの軸にはナトリウムを封入して熱の伝達を早め、冷却水に放熱してノッキングの発生を抑えている。このほかフライホイールも軽量化して、吹き上がりを向上させた。

最大トルクの数値は先代型と同じ40.8kg-mで、発生回転域も2500~4500回転で等しいが、4500回転を超えて7000回転に至るトルクの下降は新型の方が小さい。先代タイプR以上に、幅広い回転域で高いトルクを保てるようにした。

新型シビックタイプRの6速MTにはレブマッチシステムを採用し、ヒール&トゥなしでもシフトがキマる!

トランスミッションは、先代型と同じ6速MTでギヤ比も同じだが、最終減速比は先代型が3.842、新型は4.111にローギヤード化された。実用回転域の駆動力を高めて、瞬発力を向上させている。

6速MTにレブマッチシステムを採用したことも注目される。シフトレバーを操作してシフトダウンをしようとすると、車速センサー、メインシャフトの回転センサー、クラッチペダルのストロークセンサーなどからの情報により、エンジン回転を自動的に高めてクラッチミートを滑らかに行う。通常のシフトダウンでは、ヒール&トゥなどによってアクセルペダルを踏み、エンジン回転を高めた上でクラッチを繋がないと駆動系に負担をかけてクラッチミートした時の減速力も過剰になるが、新型タイプRではこのアクセル操作を車両が代行する。同様の機能を日産 フェアレディZも、MTシンクロレブコントロールとして採用している。

もっとも、あくまでも自分で操作したいユーザーもいるから、メーターの設定画面からオフにすることも可能だ。またドライバーがヒール&トゥを行うと操作優先になる機能も備える。ヒール&トゥとダブルクラッチを瞬時に行って回転をピタリと合わせるのは、マニュアルトランスミッションならではの古典的な醍醐味だろう。緻密なアクセルワークで、クラッチペダルを踏まずに、滑らかなシフトアップ&ダウンをするのも楽しい。と本稿を書いている昭和のオジサンは思う。

プラットフォームを一新、3つのドライブモードでサーキットから街乗りまで自在にこなす

新型シビックタイプR

プラットフォームは先代シビックタイプRとはまったく異なる。上にも記した通り、先代型はホイールベース(前輪と後輪の間隔)が2600mmだ。新型のホイールベースは2700mmだから100mm伸びている。ボディの捩り剛性は先代型に比べると38%向上した。

サスペンションも先代型は前輪がストラット、後輪はトーションビームの車軸式だった。新型ではストラット/マルチリンクの組み合わせだから、形式的にいえば後輪側が大幅に上級化されている。前輪側は、通常はストラットと車両の向きを変えるナックルが一体になるが、タイプRでは分離配置にしてセンターオフセットも小さくした。操舵感が駆動力の変化によって影響されにくくなっている。4輪のショックアブソーバーの減衰力を独立制御するアダプティブダンパーシステムも進化した。コンフォートからスポーティな+Rまでの可変幅を広げ、制御の方法も進化している。

ラック&ピニオン式のパワーステアリングには、タイプR専用の可変式ギヤレシオが採用される。ハンドルの舵角が大きくなるに連れて、ギヤ比をクイックにする仕組みだ。高速道路の車線変更などで使われる小さな舵角では、ギヤ比をスローにして安定性を高める。舵角が大きくなるのは峠道を走ったり車庫入れをする時だから、クイックに設定にした。カーブを曲がる時の性能を高める機能には、アジャイルハンドリングアシストが採用される。カーブを曲がる時には、内側に位置するブレーキを積極的に制御して、LSD(リミテッドスリップデフ)の効果を最適化した。

運転を楽しむための装備して、ドライビングモードも注目される。市街地などに適する”コンフォート”、峠道にピッタリな”スポーツ”、サーキット向け”+R”の3モードがあり、ショックアブソーバーの減衰力、電動パワーステアリングの重さと反応の仕方、アクセル操作の反応などをコントロールする。

20インチタイヤ採用だが先代同様の回転半径を確保

新型シビックタイプR

新型シビックタイプRは外観にも注目したい。ボディサイズは全長が4560mmだから、ベースの5ドアハッチバックよりも40mm長い程度だが、全幅は75mm広がって1875mmに達する。そのために最小回転半径は5.9mと大回りだが、先代型と同じ数値に抑えた。タイヤサイズは20インチ(245/30ZR20)。先代タイプRは19インチだったから、新型はホイールサイズを拡大してホイールベースも伸ばし、最小回転半径は変えていない。外観はフロントマスクにアンダースポイラーを採用。後部には大型のリアウイングを設けている。羽が薄型で、後方視界を悪化させないように注意した。

内装の基本デザインは、1.5リッターターボを搭載する5ドアハッチバックと同じだが、シートが肩まわりまで確実にサポートするバケットタイプになり、シート骨格の見直しと高張力鋼板の使用などによって10%の軽量化を行った。 JC08モード燃費は12.8km/L。先代型は13km/Lだったから、車両重量が10kg重くなり、最終減速比がローギヤード化され、タイヤサイズも変更を受けたことなどから少し悪化した。ホンダ 新型シビックタイプRの価格は450万360円だ。先代型の428万円を22万円ほど上まわる。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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