【試乗レポート】マイナーチェンジしたダイハツ 新型ムーヴ/ムーヴカスタムを試乗!これぞ軽の“ど真ん中”(1/2)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:小林 岳夫
新型ムーヴは心地よいドライビングへと導く高い基本性能
スーパーハイト系のタント・N-BOXが急伸するなか、ムーヴの立ち位置を改めて考えてみる
2016年の軽自動車の販売状況を見ると、タントやN-BOXの躍進で、スーパーハイトワゴンの人気はムーヴを代表とするハイトワゴンと同等の販売比率に追いつき、追い抜かんばかりの勢いを見せている。スライドドアと広大な室内空間を備えるスーパーハイトワゴンは子育て世代を支えるユーティリティを備えていて便利だが、別の角度から見れば、これまで主流だったハイトワゴンが今も根強い人気を維持しているのもまた事実である。ルーフの高さのみならず、多彩なキャラクターが存在する軽自動車のラインナップの中で、ハイトワゴンはまさに「ど真ん中」に位置する存在。実用的な広さ、軽快な走り、低燃費などをトータルでバランスしていることが強みとなる。
ハイトワゴンの先駆けは1993年代に登場したスズキの「ワゴンR」だが、その2年後にはダイハツ初のスペース系の軽自動車「ムーヴ」が登場。以降、互いがライバル関係として切磋琢磨し合い、熾烈な争いが繰り広げられてきた。2014年に6代目が登場したムーヴだが、コンパクトカーさえ凌駕する軽の域を超えた内装や走りの質、“スマアシII”(スマートアシスト:緊急自動ブレーキ等の予防安全機能をパッケージ化したもの)を搭載するという力の入れ様で、ダウンサイザーを本気で取り込む決意が見受けられた。
2017年8月1日に実施したムーヴのマイチェンで“スマアシ”がバージョンアップ
そんなムーヴにとっては、2017年8月1日に登場したニューモデルはあくまでもマイナーチェンジなのだが、ライバルであるワゴンRは2017年2月にフルモデルチェンジを行ってデザインや機能性、デュアルセンサーブレーキサポートの採用し、予防安全面も刷新。次から次へとフォローする範囲を拡げていく予防安全装備はクルマとしての先進性を印象づけたり、ユーザーの購入動機に直接的に結びつくだけに、ダイハツとしても手を抜くわけにはいかない。
その点、今回のムーヴには「スマアシIII」を搭載し、スマアシIIがもっていた衝突被害を軽減する緊急ブレーキ、前後の誤発進抑制制御機能、歩行者警報などに加えて、オートハイビーム、緊急ブレーキは対車両だけでなく、歩行者検知機能を追加するなど、最新バージョンにアップデートされた。
2つの異なる個性が光る外観|艶やかな上質感を増したムーヴと先進性を主張するムーヴカスタム
しかも、その外観はフルモデルチェンジと思えるほどにイメージを一新させた。
標準モデルの新型ムーヴはメッキを施したフロントグリルが艶やかな上質感を醸し出すとともに、横方向にワイドに拡げたロワーグリル、立体的なフェンダーアーチのフォルムと調和して存在感がグッと増した。
いっぽう今回試乗した新型ムーヴ カスタムは最上級仕様の「カスタム RS ハイパー」だったが、ギラリと光る太い帯状のメッキグリル、ロービームとハイビームを横並びにした8灯式の薄型LEDヘッドランプ、バンパーに設けられたデイタイムランニングライトが先進感と輝きを与えている。
ちなみに、テールランプはクリアタイプのインナーレンズのリアコンビネーションランプになっている点もマイチェン前のモデルとの違いを決定づけるポイントだ。
新型ムーヴのクラスを超えた高品質な内装、使い勝手も良好
インテリアの質感は、すでにコンパクトカーのレベルを上回る出来映え。ダッシュボード周りのシボの質感、丁寧に組み上げた各部のパーツが全体を上質に見せているほか、ダッシュボードとエアコンの吹出口、エアコンの操作スイッチまでを覆うパネルを幾重も重ねるという凝った作り込み。加飾パネルのコーディネートは色、面積、質感ともにハイセンスで全く嫌味がない。
実用面では助手席正面のグローブボックスの上部に薄型ティッシュBOXが収まる程度の収納スペースが出現。USBやHDMI端子といったスマホ世代には不可欠な装備も用意されている。
ハイトワゴンということで、室内空間はかなり広々としているが、実際に後席に乗り込んでみると、身長162cmの私が座っても頭上にはゲンコツ3つ分のスペースがあるほか、後席の膝周りは足を組んでも余裕が生まれるほどの広々スペースが存在する。
6代目ムーヴのバックドアは、それまでの横開きから縦開きに変わって、すっかり目に馴染んできたと思いながらラゲッジにアクセスすると、荷物を載せる際に嬉しい機能が追加されていることに気がつく。後席は50:50の分割式でアレンジできるようになっているのだが、シートスライドは後席に座って行うだけでなく、後席のシートバックの背面にレバーが追加されていて、荷物が多い時など、荷室側から必要に応じて動かせるようになって格段に使い易くなった。
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