高速道路で大地震に遭ったら
- 筆者: 清水 草一
高速道路で大地震に遭ったら
「高速道路と大地震」というと、阪神大震災で阪神高速神戸線が、600メートル以上に渡って倒壊した光景を思い出す方が多いだろう。
「日本の高速道路は絶対に倒れない」と言われていただけにショックは大きかった。
あの記憶が強烈なため、「高速道路は大地震に弱いのでは」と思っている方も多いかもしれない。阪神高速が倒壊したのは、それまでの耐震基準が関東大震災クラス、つまり震度6までだったためだ。
しかし阪神大震災は、場所によっては震度7以上。それが原因で倒壊してしまった。
阪神大震災後、高速道路の高架部の耐震基準は見直され、震度7まで耐えられるように引き上げられた。すでに開通している区間に関しても、補強工事が行われた。
よって現在は、震度7まで耐えられるようになっている。
首都高のような高架高速は、震度7でも倒壊することはないはずだが、揺れによってジョイント部がズレたりすることはある。今回被害の少なかった首都高でも、大黒付近でジョイントが10センチほどズレ、大きな段差ができたところがある。
また、荒川湾岸橋のトラス(いわゆる鉄橋の骨組み)が損傷し、現在応急修理中。湾岸線新木場―葛西間は、18日現在も通行止めだ。
一方、土工部は、土の上に造られているので、地盤が崩れてしまえばどうにもならない。今回崩壊した常磐道の一部も、路盤が土砂崩れを起こしたものだ。
東北道や常磐道で大部分を占める土工部には、大地震で地割れや土砂崩れが発生する可能性がある、と考えておくべきだ。
高速道路を走行中に大地震に遭ったら、あわてずにスピードを落とし、路肩にクルマを寄せて停車しよう。仮にジョイントの段差や地割れに高い速度で突っ込めば、間違いなく大きなクラッシュになってしまう。
MJブロンディの「ひとりごと」
「高速道路で大地震に遭ったら速度を落として停車しよう」と言われても、スピードが出ていると気づかないことがある。
しかし、全員が気づかないということはあり得ない。路肩に止まろうとしているクルマが多く出ていたら、それは恐らく地震。まずはスピードを落としてみよう。
スピードを落とせば、クルマの慣性(そのまま進もうとする力)が弱まって、地震の揺れがクルマに伝わってくるはずだ。
清水草一の新刊『首都高速の謎』(扶桑社新書)。第6章では「首都高はなぜ揺れる」と題し、首都高の耐震設計についてわかりやすく解説しています。
http://ssearch.jp/books/wssearch.php?ISBN=4594063675&EAN=9784594063672
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