【スタッドレスタイヤ】スタッドレスタイヤって夏は履いちゃダメなの？

【スタッドレスタイヤ】スタッドレスタイヤって夏は履いちゃダメなの？

今年の冬もスタッドレスタイヤを履こうと思いますが、面倒なので春以降もそのまま履き続けられないものでしょうか。

スタッドレスタイヤを履き続けるデメリットは何でしょう？

その謎、私がおもしろ可笑しくお答えいたします。

スタッドレスタイヤは、トレッド面に細かい溝がたくさんあり、特殊な材料を配合したゴムによって、つるつるの凍結路面の上でもグリップするようにできている。

圧雪路でのグリップはもちろん、歩くのも厄介な滑りやすい凍結路面の上でも、かなりしっかりしたグリップを発揮。スタッドレスタイヤさえ履けば、冬の日本の道をおおむねどこでも走ることができる素晴らしいタイヤだ。

ただ、基本的に冬用のタイヤなので、その他のシーズンは得意じゃない。

まず、雪道を除くと、夏用タイヤよりグリップ力は落ち磨耗も断然早く進む。

ゴムが柔らかい分、燃費も若干悪化する。また、高速走行も苦手で、多くのスタッドレスタイヤは使用速度制限（上限160キロ等）を設けている。あまりハードな走行をすると、発火する恐れもある。

でも、これらの弱点に納得済みなら、1年中履き続けても問題はない。

ひと昔前のスタッドレスタイヤは、乾燥路面を走るとノイズが大きくなったり、トレッド面が柔らかすぎて手応えがグニャグニャだったりしたが、最近のスタッドレスタイヤは改良が進んで、冬以外のシーズンに乗っても、フィーリング的にはほとんど変わらない。

普通に走る分には、スタッドレスタイヤであることを忘れてしまうほどだ。

ただ、1年中履き続けると磨耗が急速に進むので、地域にもよるが、その場合のタイヤの寿命は、頑張って2年間、と考えてください。

清水草一の「ひとりごと」

何を隠そう、私自身、1年中スタッドレスを履きっぱなしにしていた時期がある。

東京はめったに雪が降らないし、スキーに行くのも年間せいぜい2回なので、スタッドレスは欧州輸出仕様の、非積雪路での性能を重視したタイプを選び、2年間履き続けたんだ。

アイスバーンでの性能はヒヤヒヤもんだったが、夏も普通のタイヤとほとんど同じ感触で、しっかりした乗り味を楽しめた。

そして燃費の低下も、事実上ないに等しかった！現在のスタッドレスタイヤは、ハードな走行をしない限り、夏に使っても燃費はほとんど落ちない。ただ、タイヤの寿命は確実に短くなる。

東京のハイヤーには、あえて1年中スタッドレスを履いて、1年で履き潰す方針のクルマもあるんだって。スタッドレスのソフトな乗り味を、顧客が喜ぶからだそうだ。