笹子トンネル 天井板崩落事故で年末年始の高速道路渋滞はどうなる?

笹子トンネル 天井板崩落事故で年末年始の高速道路渋滞はどうなる?
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笹子トンネル 天井板崩落事故は“レアケース”だ!

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12月2日に発生した、笹子トンネルの天井板崩落事故。

原因は接着剤の劣化によるボルトの脱落が有力とのことだが、少なくとも言えるのは、これは非常にレアな、失敗(接着剤によるボルトの固定)に失敗(35年間に及ぶ不十分な点検方法の継続)が重なって発生した悲劇で、日本のようなちゃんとした国では、滅多に起きるものじゃないということだ。

この事故で、「日本が中国化してしまった」と嘆く声もあるが、日本はまだそこまで劣化していない。

また、劣化したのは接着剤(が有力)で、コンクリートではない。「トンネルは崩れるから怖い」というのも、論理的には誤りだ。トンネルで怖いのはなんと言っても車両火災で、天井から吊るした標識や照明が落ちる可能性はそれなりにあっても、トンネル本体が崩れるなんてことはあり得ない。路盤の下は岩盤だから、重い大型車がガンガン通ったってビクともしない。

トンネルは道路構造物の中では一番丈夫で、それよりはるかに危ないのは橋だ!ま、橋も、主要道路に関してはしっかり点検してるので、自然に崩れちゃうなんてことは、日本ではまず考えられないですが。

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それはともかく、この年末年始、高速道路の渋滞はどうなるのだろう。

笹子トンネルは無事だった方の下り線を使って、29日から対面通行(片側1車線の40km/h制限)が始まるが、ここが渋滞するのは当然として、並行する東名や、迂回路となりうる関越道などで、渋滞が悪化するのではないかと懸念されている。

が私は、あくまで予想にすぎないが、今シーズンの年末年始渋滞は軽微に終わると考えている。根拠はただひとつ、笹子トンネルの事故以来、週末の高速道路の渋滞が大幅に減少している事実だ。

具体的な交通量のデータは発表されていないので、あくまで感触に過ぎないが、あの事故以来、クルマでの遠出を控える人が相当数いることは間違いない。例年ならかなりの渋滞が起きるであろう、12月22~24日の3連休も、渋滞らしい渋滞は発生しなかった。まさかここまでの反応があるとは……。

年末年始。クルマが向かうのは主に郷里である。郷里にいるのは親兄弟。子供がいる家庭の場合は祖父母ということになる。祖父母が電話でなんと言うか、想像するのはたやすい。

「今年は絶対にクルマで帰ってくるな。孫がトンネルで死んだらどうする!」

帰る子供(&孫)の側が「まさか……」と思ったとしても、年に一度の帰省で親にそう懇願されれば、「じゃ今年は電車で帰るか」となろうし、奥さんの側が親に積極的に同調して、「今年はクルマはやめましょう、ね?」と言う確率は高い。

ましてや、中央道沿道の場合は、「クルマは絶対にダメ!」となるに違いない。

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笹子トンネル下り線は、天井板がすべて撤去されていて、すでに落ちるものもないわけだが、大渋滞は必定だろうし、「今年は電車にしよう」と考えるのが自然である。実際、スーパーあずさの指定席予約が激増している。

ということで、今年の年末年始渋滞は全体的に軽微に終わると私は予想する。一部対面通行となる中央道ですら、それほどの渋滞は発生しないのではないか。

その他の路線でも、「今年はクルマはやめとこう」組の大量発生により、渋滞が例年の半分以下ということもありうる。

渋滞は、交通容量をほんの数%超えただけで発生する。ピーク時の交通量が1割減れば、ほとんどの渋滞は解消してしまう。そして今年は、交通量が1割くらい減ってもおかしくない。裏付けは乏しいが……。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

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