住友ゴム工業がモビリティ社会を切り拓く!? 2024年の販売開始を発表した「センシングコア」とは?

  • 筆者: 井口 豪
  • カメラマン:井口 豪・住友ゴム工業
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2022年4月22日(金)、日本自動車研究所・城里テストセンターで住友ゴム工業による「センシングコア技術の将来構想発表会」が開催されました。

「SENSING CORE(センシングコア)」は、タイヤから伝わるさまざまな情報をアルゴリズムによって検知し、運転時でのトラブル防止に役立つ情報を車両やドライバー本人に提供する、住友ゴム工業独自のタイヤセンシング技術。

「センシングコア」の実用化によって、どのようなことが実現するのでしょうか。また、「センシングコア」と他のタイヤセンシング技術ではどのような違いがあるのでしょうか。デモンストレーションも行われた将来構想発表会の模様とあわせて、詳しく紹介していきます。

目次[開く][閉じる]
  1. ソフトウェアだからセンサーの追加やメンテナンスも不要! 純正コンピュータにインストールできる!
  2. クラウド技術の活用によりセンシングコア搭載車間で情報共有が可能に!
  3. 実用化されているタイヤ空気圧・温度管理サービスも公開
  4. モビリティ社会を切り拓く可能性を大いに秘めたセンシングコア

ソフトウェアだからセンサーの追加やメンテナンスも不要! 純正コンピュータにインストールできる!

装置や機器を使用してタイヤからさまざまなデータを取得し、これらを分析して情報を取り出す「タイヤセンシング技術」は、各タイヤメーカーが開発を進めています。

各メーカーの技術と比べ、「センシングコア」の大きな特長として挙げられるのがソフトウェアであるという点です。

車両の純正コンピュータにインストールをするソフトウェアなので、センサーの追加やバッテリーの交換は不要、物理的なメンテナンスも必要ありません。アップデートにより、検知機能を拡張することもできます。

こうしたソフトウェアの活用を可能にしているのが、住友ゴム工業が長年に渡り培ってきた独自解析技術です。

住友ゴム工業は、タイヤの回転信号やエンジン情報を解析し、タイヤの空気圧低下を検知するソフトウェア「DWS(Deflation Warning System:間接式空気圧警報装置)」の開発にいち早く着手。

1997年から2021年の25年間で、日本、欧州、中国、インドの自動車メーカー15社へ累計4600万台に「DWS」を納入してきた実績があります。この機能を拡張し、荷重、路面状態、摩耗も検知するセンシングコアへ進化させてきたのです。

クラウド技術の活用によりセンシングコア搭載車間で情報共有が可能に!

では、センシングコアの実用化によってどのようなことが可能になるのでしょうか。

まず、「DWS」と同様にタイヤの空気圧低下を検知することができます。繰り返しになりますが、センシングコアはソフトウェアなので、センサーなどは不要です。メンテナンスフリーで、パンクはもちろん、燃費や走行性能の低下の防止などに役立てることができます。

また、センシングコアの拡張により、さらに進んだクラウド技術の活用が可能になります。センシングコア搭載車両が走行し、解析した情報をクラウド上に蓄積。この情報が他のセンシングコア搭載車両に共有され、滑りやすい路面(低μ路)などの危険が近づくと、警告されるようになるのです。

将来構想発表会のデモンストレーションは、センシングコア搭載車両が低μ路を事前に走行し、クラウド上に情報が蓄積された状態で行われました。

実際に試乗車でコースを走行すると、低μ路に入る前に注意を促す画面が車載モニタに表示されます。試乗車が滑りやすい状態に陥る前に、ドライバーは危険を察知することができたというわけです。

実用化されているタイヤ空気圧・温度管理サービスも公開

タイヤの空気圧や荷重、路面状態を検知するセンシングコアによって、他にもさまざまなサービスの提供が実現するとみられています。

それぞれのタイヤにかかる荷重を検知できれば、過積載や偏積載、横転事故の防止に役立てることができるでしょう。センシングコアが微振動を検知することにより、ナットの緩みや車輪の脱落を警告できるようにもなります。

なお、将来構想発表会では、センシングコアの前段階としてすでに実用化されている「タイヤ空気圧・温度管理サービス」も実演公開されました。

住友ゴム工業のタイヤ空気圧・温度管理サービスは、タイヤに装着した「TPMS(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ空気圧監視システム)」で、タイヤの空気圧や温度をリモート監視します。

通常の点検方法では1分20秒を要するところ、20秒ほどで作業が完了しました。腰を屈め、1本ずつタイヤキャップを開ける点検作業と比べ、端末を当てるだけで済むのですから、身体的な負担も大幅に軽減できます。

現在、このタイヤ空気圧・温度管理サービスはタクシー事業者やレンタカー事業者を対象に実証実験が行われていますが、大変好評を博しており、将来的にはスマートフォンを活用した個人向けサービスの展開も予定しているとのことです。

モビリティ社会を切り拓く可能性を大いに秘めたセンシングコア

センシングコアビジネスの変遷や展望の紹介などの他、実用化されているタイヤ空気圧・温度管理サービスのデモンストレーションも行われた「センシングコア技術の将来構想発表会」。盛りだくさんの内容となったのは、わずか数年の間に住友ゴム工業が飛躍的にセンシングコアを進化させてきたからに他なりません。

説明会の壇上で山本悟社長は「現在、タイヤ、スポーツ、ハイブリッドという3つの軸で事業を展開しているが、今後はセンシングコアを第4の事業として育て上げていきたい」と意欲を示しました。

その結果としてモビリティ社会の発展に貢献する大きな可能性をセンシングコアは秘めているといえるでしょう。

[筆者:井口豪 撮影:井口豪・住友ゴム工業]

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井口 豪
筆者井口 豪

1975年4月29日生まれ。血筋は九州だが、出身は埼玉県。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。多彩な趣味を持つウンチク好きの性分を生かし、自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で執筆活動を展開する。2022年には令和3年度行政書士試験に合格し、東京都行政書士会に登録。「行政書士いのくち法務事務所」で行政書士業務もこなすマルチ法務ライター。記事一覧を見る

なかの たくみ (MOTA編集長)
監修者なかの たくみ (MOTA編集長)

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