TMS2009×評論家の視点/河村康彦

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:島村栄二/柳田由人
TMS2009×評論家の視点/河村康彦
レクサス LFA エクステリア レクサス LFA インテリア レクサス LFA エンジン 日産 リーフ エクステリア 日産 リーフ サイドビュー 日産 リーフ サイドロゴ 画像ギャラリーはこちら

レクサス LFA

レクサス LFA エクステリア
レクサス LFA インテリアレクサス LFA エンジン

良くも悪くも“注目車”という点では、やはり「これは外せない」というのが、レクサス LFA。

F1用設備を用いて加工を行うというシリンダー内壁や、その“音色”も鑑みて決定されたというシリンダー・バンク角、某役員の「鶴の一声」でアルミ製からカーボンファイバー製へと変更されたともっぱらの噂(!)のボディ骨格など、このモデルは過去の日本車づくりの常識からは一線を画した、『スーパーカー』に相応しい豊かなストーリー性に満ち溢れるものだ。

一方で、少々ヒステリックなほどに“ハイブリッド”と“EV”ばかりのオンパレードとなった会場の光景の中に、560psを発するV型10気筒エンジン搭載車が唐突に現れるというのは、余りにも「場違い」な感は否めなかった。

それを考えると、主要な海外メーカーが今回の東京モーターショーに出展しないと分かった時点で、このモデルは前月に行われたフランクフルトショーへの出品を考えるべきではなかったのか?

“エコカー”が並ぶ一方、フェラーリやランボルギーニが軒を争う会場の一角で、世界からの報道陣を前に「日本代表!!」のタイトルと共に誇らしげにヴェールを脱ぐという、恐らくはもう2度と日本車では実現不可能であろう、そんなデビューシーンを目の当たりにしてみたかった・・・。

日産 リーフ

日産 リーフ エクステリア
日産 リーフ サイドビュー日産 リーフ サイドロゴ

モーターショーの開幕前にはすでにお披露目が済んでいたために、インパクトが強いとは言えなかったものの、これもまた良くも悪くも“注目車”という観点からは決して外すことが出来ないのが、日産 リーフ。

すでに発表されている「2010年度後半から年産5万台規模で立ち上げ、日・米・欧で販売」というスケールは、世界のあらゆるメーカーの追随を許さないもの。まさに「日産が社運を賭け、それをライバルメーカーが固唾を呑んで見守る」と言って良いのが、このモデルでもあるのだ。

実はまだ明確には分からない販売時の価格や、リアルワールドでの航続距離、さらに一説によれば「5年程度で航続距離は半分近くまで落ち込む」という声も聞かれるリチウムイオン・バッテリーの劣化の問題など、今後の“見所”は満載。

恐らく今から5年も経てば、このプロジェクトがゴーンCEOの見事な先見の明であったのか、あるいは無謀な賭けであったのかが明確になるはず。そうした点からも、やはり今回のショーでの大注目車であるというのは明らかな1台だ。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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