TMS2009×評論家の視点/森口将之
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:オートックワン編集部/森口将之
ホンダ EV-N
クルマの楽しさは走りだけじゃない。眺める、使う、過ごす楽しさもあると僕は考えている。
そういう目線で見れば、ホンダ EV-Nがダントツだった。いまの電気自動車やハイブリッドカーは、先進性をアピールするためか、モダンなデザインが多い。冷たくてなじめない人もいるだろう。
ところがEV-Nは、1960年代の軽自動車N360をモチーフにした。今後のエコカーにはこういう親しみやすいカタチこそ大切だ。
しかも、ドアにはあの電動一輪車U3-Xを格納可能。4輪以外のモビリティも手がけるホンダならではの発想だ。さらにブースでは、ボディカラーがクルクル変わる模型も展示。そのカラーがヒョウ柄からタータンチェックまで、既存の常識にとらわれない色ばかり。ホンダはやっぱり遊び心あるなあと感心した。
また、ホンダでは遠乗りは燃料電池車に任せ、電気自動車は街乗り用に位置づける「使い分け」も提案しているが、こういった考えも今後は必要だ。
これに限らず今回のホンダブースは、前にも書いたU3-Xや電動スーパーカブのEV-Cubなど、最新技術をわかりやすい形で表現していた。モーターショーは自分たちの技術を「見せる場」であり「見せ力」こそ大切。その点でもダントツはホンダだった。
鈴商 スパッセV
今回のモーターショーは輸入車が激減した結果、カロッツェリアのブースが国産乗用車と同じホールに設置された。彼らにとっては不況のおかげで逆に注目を集めることになったわけだ。そのひとつ、以前取材でお世話になったこともある名古屋の鈴商が持ち込んだ新開発スポーツカーが、このスパッセVである。
シャシーはアルミ製ツインチューブモノコック、4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションはプッシュロッドダンパーというレーシングカー風の成り立ちで、FRPボディは3,873×1,953×1,160mmとロータス エリーゼとほぼ同サイズ。2シーターキャビンの背後に搭載されるエンジンは、マツダスピード アクセラの2.3リッター直噴ターボだ。
車重はたった850㎏というから、加速やハンドリングが強烈であることは確実。しかもこのスパッセVは単なるプロトタイプじゃない。5年前に発売したスーパーセブン似のスパッセに続き、来年を目標として市販化を目指すというのだ。
日本は、いろんな理由で少数生産メーカーが生まれにくく、生きづらい状況にある。だからこそ光岡やこの鈴商のように、自分たちの夢を実現すべく、積極果敢にその壁に挑むスペシャリストは素直に応援したくなるのだ。
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