IAAの真実/河村康彦のコラム(1/2)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:菊池一弥/メーカー各社
IAAの真実/河村康彦のコラム
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IAAの真実/河村康彦のコラム

ダイムラーブースダイムラーブース

かつてない世界的な不況風が吹き荒れる中での開催となった第63回IAA(フランクフルトモーターショー)。

しかし、相変わらず広大そのもの――というよりも、今回は昨年オープンしたばかりという“ホール11”がリストに加わった事で、さらに展示面積が増していた――その会場へと一歩足を踏み入れると、そこはいつも以上に活気に溢れている事にすぐに気が付いた。

そうは言っても、確かに「コストダウンの波」を感じる部分も皆無ではなかった。

例えば、いつも4~5階建ての内部レイアウトを持つ“メルセデス帝国”のブースが、今回は2階建てで済まされていた事も、そんな動きが目に見えた典型だったし、日産やホンダ、三菱などいくつかの日本メーカーが出展そのものを取り止めたのも、やはりそうした一例とカウント出来るはずだ。

しかし、今回現場に行ってハッキリ感じたのは、こうした世界最大の自動車ショーに“不参加”という行為で臨んだのは「誤った経営判断であっただろう」という印象だ。

自動車に限らず、国際規模で開催されるショーとは、自らの作品を世に問う“展覧会”であると同時に企業を代表する首脳が一堂に会する“社交の場”でもあるもの。

そんな機会を放棄するというのは、見方によっては社交界では失礼な行為と受け取られても仕方が無いのではないだろうか。

あるいは、出展を控えるという事によって日本ならではの奥ゆかしさの表現である“自粛”という演出をしたつもりかも知れない。が、それを何らかのメッセージとして受け取って貰える可能性は、少なくとも欧米社会からは絶対に有り得ないだろう。

そうした点では、せっかくブースを出展しながらもカンファレンスを現地法人『欧州トヨタ』の副社長に任せ、結局日本人は表舞台に登場する事のなかったトヨタも“同罪”だと思う。

もっとも、その他のメーカーも含めて日本からの出展物に目立ったものが少なかったのは、翌月に控える東京モーターショー用にネタを“温存”した、という理由も考えられるわけだが。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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