スマート スマートクーペ 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:森山俊一
未来のシティカーから、スニーカー代わりのタウンモデルへマイナーチェンジ。
21世紀のシティコミューターとして98年に誕生した、全長2.45mのとっても小さな2シーターモデルがスマートだ。国内への正規輸入は一昨年末。クーペを皮切りにカブリオレ、全幅を軽自動車枠に抑えたスマートKがラインアップされている。
デビュー当初のスマートは、スウォッチで有名なSMHとメルセデス・ベンツの共同開発。実用性よりも「未来のシティカー」としての提案が多く盛り込まれていた。その後、SMHは手を引いたけれども、スマートは欧州を中心に順調に販売台数を伸ばす。街中での使いやすさを考慮したマイナーチェンジは、ユーザーの声を反映した結果なのだろう。
キュートなスタイルは、ヘッドライトとフロントボディパネルの形状が一新された。といっても新しいデザインではなく、カブリオレと統一されただけだ。クーペのオリジナルは、専用のクリアタイプのリアテールランプだ。
最高出力6psアップとボディパネルの変更は、走行フィールを大幅に向上させた。
マイチェンの最大のポイントは、3気筒SOHCインタークーラー付ターボエンジンに手が加えられたこと。軽自動車よりも60cc少ない598ccの排気量に変わりはないけれども、最高出力が55psから61psへ6psアップしたのだ。おかげで、完璧なシティコミューターだった加速性能はかなり改善されたといっていい。
というのも、これまでのオートクラッチ式6速マニュアルモード付のATは、変速時に大きなタイムラグがあり、シフトアップのたびに失速感が生じるため、車速が気持ちよく伸びていかなかった。それがたった6psではあるけれど、パワーアップとともにタイムラグが激減。Dレンジでもマニュアルモードでも、身体が前後に振られる不快感がなくなり、幹線道路でもクルマの流れにのって走ることができた。
さらに燃料タンクの容量も33Lへ50%拡大され、航続距離をグンと伸ばしている。スマートクーペは行動半径を大きく広げ、シティコミューターからタウンカーへと進化を図ったわけだ。
モノ感覚でデザイン重視のインテリアは、快適装備が充実した。
ボディパネルの変更により、ボディ剛性もカブリオレと同等になった。旧型では、RRらしい後から押される挙動が生じ、風が強かったり、速度が高くなると不安感が残ったが、特に高速走行で安定性が増した印象だ。最小回転半径4.1mが生む抜群の小回り性は健在だけど、超短いリアのオーバーハングの後退には慣れが必要だろう。
2人乗りの室内は、ルーフ全面を覆うフルグラスルーフの恩恵もあり、運転席、助手席ともに狭い印象は受けない。ラゲッジも、オープン2シーターの軽自動車よりも大きな容量を備えている。また助手席の背もたれを倒せば、モノを置くスペースとしても使えるし、ちょっと長いモノも積み込める。
新色でデコレイトされたインテリアは、メーターもホワイトメーターパネルを採用。サウンドパッケージも標準装備となった。オプションで、本革シート&シートヒーターを選べるのも見逃せない。
確かな安全性を確保。3年間または走行距離4万kmの保証付だ。
お目立ち度120%のスマートクーペの、キュートなフォルムに魅了されるユーザーは少なくない。だけど、あまりにも小さいボディサイズに対して、安全面での不安を抱くユーザーもまた少なくないだろう。けれども、このクルマはトリディオン・セーフティセル・サンドイッチタイプと呼ばれるフロア構造を採用。欧州衝突安全性能試験の64km/hオフセット・クラッシュだけでなく、メルセデス・ベンツ独自の厳しい安全基準をクリアしている。全方位型の衝突安全性能に対する信頼性は高い。またABS、エレクトロニックトラクション&スタビリティコントロール、SRSフルサイズデュアルエアバッグを標準装備する。
環境対応は、国内の排出ガス認定は受けていないため、グリーン税制などの優遇措置は受けられない。10・15モード燃費は19.8km/Lを実現している。
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