高齢者ドライバー 免許の返納 ”考えるようになった”|3割以下という調査結果
高齢者は恐怖を感じるも免許返納には後ろ向き
株式会社日本能率協会総合研究所は、60~90歳の高齢者を対象として調査した過去の企画調査の中から、高齢者の自動車運転状況に関する調査結果を発表した。
調査の結果、高齢者がヒヤリとしたり怖い思いをしながら運転しつつも、なかなか免許返納には至らない実態が浮き彫りとなった。
調査概要
調査名 :高齢者未充足ニーズ調査 2019年
調査期間:2019年2月1日~同年2月15日
調査対象:「高齢者6090リサーチモニター」(全国に居住する60歳から90歳までの男女)
調査方法:郵送調査
回答者数:2500名(配布数4000名、回収率62.5%) 性別・年齢・エリアに基づき母集団人口構成比に準拠して回収
※今回は、上記調査の中に収録されている自動車運転状況に関する設問のみを抜粋した。
調査結果詳細
年代別にみる運転率の変化
男性高齢者の運転率は70代前半まで8割を超え、その後は加齢とともに低下。ただし、80代前半で約5割、80代後半でも約3割が現役ドライバーである。女性は男性より低いものの70代後半でも運転率は約3割。
また居住地域で比較してみると、都市部居住者よりも都市近郊・郊外居住者のほうが運転率が高い。
その背景には、自動車の代替となる交通手段の有無(充実度)が影響していると考えられる。
怖い思いをしつつも運転を続ける高齢ドライバー
現在、運転している高齢者のうち「運転していてヒヤリとしたり、怖いと思うことが増えた」と答えた人は60~70代で2割未満であるが、この割合は高齢になるほど高まり、80代前半で27.5%、80代後半で38.5%に達する。
また「運転免許証の返納を考える様になった」の回答率は70代前半では7.2%と低い。70代後半になると16.0%に上昇し、80代前半では26.4%。
さらに運転中に感じる不安と免許返納の関係性をみると、「アクセルとブレーキの踏み間違いが不安」と回答した人は免許返納を考える傾向が高いことが示された。ただし、それでも返納意向は26.4%にとどまり、残りの73.6%の人は免許返納を考えていないことが示唆された。
調査結果のまとめ
80代後半の高齢者でも約3割が「現役」
■男性高齢者の運転率は70代前半まで8割を超え、その後は加齢とともに低下。80代前半で約5割、80代後半でも約3割が現役ドライバーだ。また女性の割合は、男性より低いものの70代後半でも運転率は約3割。
■居住地域で比較してみると、都市部居住者よりも都市近郊・郊外居住者のほうが運転率が高い。
免許返納を躊躇(ちゅうちょ)する高齢者
■現在、運転している高齢者のうち「運転していてヒヤリとしたり、怖いと思うことが増えた」と答えた人は60~70代で2割未満であるが、この割合は高齢になるほど高まり、80代前半で27.5%、80代後半で38.5%に達する。
■「運転免許証の返納を考える様になった」の回答率は70代前半では7.2%と低い。70代後半になると16.0%に上昇し、80代前半では26.4%。
■運転中に感じる不安と免許返納の関係性をみると、「アクセルとブレーキの踏み間違いが不安」と回答した人は免許返納を考える傾向が高いことが示された。ただし、それでも返納意向は26.4%にとどまり、残りの73.6%の人は免許返納を考えていないことが示唆された。
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