トヨタ、1.6Lターボで380馬力のヤリスWRCで2017シーズンに挑む
トヨタが17年振りにWRC復活!
TOYOTA GAZOO Racing(トヨタガズーレーシング)は、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)の開幕戦であるラリーモンテカルロを1か月先に控え、2017年シーズンに臨むヤリスWRC(日本名 : ヴィッツ)とドライバーを発表した。
ラリーは、一般ユーザーが普段走る道でいかに速く走るかを競うカテゴリーであり、その最高峰であるWRCは、世界の様々な道を知り、人とクルマを鍛え、技術を高めるための最高の舞台のひとつである。
チームは開幕戦から万全の体制で挑むために、数千時間に及ぶ開発とテスト走行にチーム一丸となり取り組んできた。
参戦するヤリスWRCは、2017年シーズンのFIA技術規定に準拠すべく設計が進められてきた。1.6リッター直噴エンジンは380馬力を誇り、同規定により設計の自由度が増したおかげで、空力面で優れた水準を達成した。
チーム代表のトミ・マキネン氏は、「ヤリスWRCは、信じられないほどのポテンシャルを持つ、優れた設計のクルマだ。新規定により、開発の自由度が大幅に高まっている。まだすべてのポテンシャルを引き出せているわけではないが、ヤリスWRCは、信頼性と速さを兼ね備えていると言える。結果がどう出るか、本当に待ち遠しい限りだ」と述べた。
2017年1月にモンテカルロで開催される開幕戦には、2台のヤリスWRCの参戦を予定しており、ヤリ-マティ・ラトバラ選手とユホ・ハンニネン選手がステアリングを握る。また、2016年WRC 2でタイトルを獲得したエサペッカ・ラッピ選手も、テストドライバーとしてシーズンを通してチームに加わる。
豊田章男チーム総代表は、「本日、チームの皆、パートナーの皆様と共に、WRCの道に挑戦するクルマをお披露目できることを大変嬉しく思う。17年間この日を待っていてくださったファンの皆様と、この競技を守り、盛り上げ続けてくださった競技主催者、参加者、自動車メーカーの方々がいてくれたからこそ、我々はこの舞台に戻ることができた。改めて感謝申し上げたい。 人もクルマも、競い合いの中で、鍛えられ成長していく。TOYOTA GAZOO Racingは“負け嫌い”。WRCでも、負けたくはない。先日、トミ・マキネンとクルマを走らせ、このクルマで戦っていく“自信”を共有することが出来た。「王者トヨタが帰ってきたね!」「トヨタを応援してよかった!」と、ファンの皆様に笑顔で言っていただける日を一日でも早く実現できるよう、トミをはじめとするフィンランド、ドイツ、日本のチームメンバー達が努力を続けていくので、是非応援して欲しい。」とコメントした。
ヤリスWRC仕様
<エンジン>
形式:直列4気筒直噴ターボエンジン
排気量:1600cc
最高出力:380馬力以上
最大トルク:425Nm以上
ボア×ストローク:83.8mm×72.5mm
エア・リストリクター:36mm(FIA 規定による)
<トランスミッション>
ギアボックス:油圧式6速シフト
駆動方式・差動装置: 4WD、機械式ディファレンシャル×2、アクティブ・センター・ディファレンシャル (トルクスプリットオプション)
クラッチ:焼結ツインプレート・クラッチ
<シャシー/サスペンション>
フロント/リア:マクファーソン・ストラット
サスペンションストローク量:非公開
ステアリング:油圧式ラック&ピニオン
ブレーキ・システム: グラベル用:300mm(空冷および水冷)/ターマック用:370mm(空冷および水冷)
<寸法および重量>
全長/全幅/全高:4085mm(空力パーツ込)/1875mm/調整可能
トレッド幅:調整可能
ホイールベース:2511mm
最低重量:1190kg
<性能>
加速性能:非公開
最高速度:201kph(理論値)
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