シボレー、8速AT搭載の「コルベット」改良モデルを発売

デュアル・クラッチ・トランスミッションに匹敵するGM特許のパドルシフトAT搭載

ゼネラルモーターズ・ジャパンは、パドルシフト8速ATを搭載し、より俊敏かつ効率的な進化を遂げたアメリカを代表するハイパフォーマンススポーツカー「シボレー コルベット」の改良モデルを発表し、12月20日(土)から販売を開始する。なお、「コルベット Z51」(7MT/8AT)および「コルベット コンバーチブル Z51」の販売開始は、2015年2月を予定している。

レースの経験を基に開発されたアメリカを代表するハイパフォーマンススポーツカーの第7世代「コルベット」は、伝統であるV8エンジンや特徴的なデザインが格段に進化を遂げ、競合のプレミアムスポーツカーを凌駕するパフォーマンス、デザイン、高品質、高効率を実現したことで、今春の発売以来、日本においても非常に人気の高いハイパフォーマンススポーツカーである。

シボレー「コルベット」

デュアルクラッチトランスミッションに勝るとも劣らぬシフトレスポンス

今回発表された「コルベット」の改良モデルは、新たにGMが開発したハイドラマチック8L90型パドルシフト付き8速オートマチックトランスミッションを採用し、その走行性能と効率をさらに進化させると同時に、ずば抜けた洗練度と世界最高のデュアルクラッチトランスミッションに勝るとも劣らぬシフトレスポンスを実現している。

実際、「コルベット」の29mpg(12.3km/l)という米国EPA燃費(ハイウェイ)は、従来の6速ATの従来型に比べて3.5%向上。しかも、フル加速時には競合車の「ポルシェ911」のデュアルクラッチトランスミッションよりも、8/100秒素早くシフトアップし、0-60mph(0-96km/h)加速を従来よりも速い3.7秒で走り抜ける。

新型8速ATのグローバル・チーフ・エンジニアであるケイブース・カヴェ氏は、「GMの新しい8L90型8速オートマチックは、ユーザーに、“ウィン・ウィン・ウィン”の成果をもたらす稀な技術です。新型ATトランスミッションは、優れたパフォーマンスと燃費効率を備えており、しかも、これまでのものより軽量です。これは現代の自動車業界における画期的な成果です。このトランスミッションの開発において、GMは24件以上の特許を取得しました」と述べている。

新型トランスミッションのよりワイドなオーバーオール・ギア・レシオ(7.0)は、性能と効率の向上に大きく寄与している。1速ギアのレシオは、4.56に低められ(6ATモデルは4.03)、スタートダッシュの瞬発力が増した。一方、トップギアのレシオは0.67から0.65に引き上げられている。「コルベット」では、より高い2.41の最終減速比(従来型6ATは2.56)と組み合わされ、70mph(112km/h)での巡航時のエンジン回転数は、8%(123rpm)低くなっている。エンジン回転が低くなったことにより、燃費が向上。また、新しい設計のトルクコンバーターにより、特に低速での滑らかで洗練されたシフトチェンジを実現した。

世界トップクラスの性能

GMが設計、開発した新型8L90型トランスミッションは、世界最高と言われているデュアルクラッチ・トランスミッションに匹敵する変速スピードを実現。

スポーツドライビング時、ステアリングホイールのパドルで、マニュアル操作することが可能。新しいトランスミッションコントロールシステムと専用開発のアルゴリズムにより、著名なスーパーカーに採用されているデュアルクラッチ・トランスミッション、あるいはセミオートマチックに勝るとも劣らぬ変速性能を発揮し、同時にトルクコンバーター式オートマチック特有のスムーズさと洗練度を備えている。

新しいGen II(第2世代)トランスミッションコントロールユニットは、毎秒160回の計算を実行し、全開加速時のシフトアップは、「ポルシェ911」のデュアルクラッチ・トランスミッションよりも、8/100秒速く行われる。従来の6速ATよりも、各ギア間のステップが小さくなったことで、エンジン回転を最適な範囲に収め、パフォーマンスと効率を両立させている。さらに、タービンダンパーを備えた新しいトルクコンバーターは、低回転域でのスムーズな変速に役立っている。

▼第7世代「コルベット」の主な特徴

■先進技術を採用した新型6.2リッターLT1型V8エンジン

・直噴システムとアクティブ・フューエル・マネジメント(可変気筒システム)、連続可変バルブタイミングなど、パワーと燃費を両立させた先進的燃焼システムを採用。

・新開発のエンジンの最高出力は、「コルベット」の場合、339kW(460PS)、最大トルクは、624N・m(63.6kg・m)。また、スポーツ仕様の「コルベットZ51」は、343kW(466PS)、最大トルクは、630N・m(64.2kg・m)。

・燃費効率を高めるため新たに開発された直噴V8エンジンは、加速中はV8エンジンとして、クルージング時には、V4として作動し、エコモードの場合は急加速しない限り、基本的にV4状態を維持し、結果として燃費については、米国EPAハイウェイモードにおいては、29mpg(12.3 km/l)で高性能スポーツカーセグメントをリードしている。

■戦略的に革新的材料を使用

・第6世代のスチールフレームより、45kgも軽く、57%剛性が向上した新アルミニウムフレーム構造。

■彫刻的なエクステリア・デザイン

・先進のHIDおよびLEDを使用したライティングシステム、レース活動からフィードバックした空気力学とダウンフォースをバランスさせたエアロダイナミクス。

■カーボンファイバーとアルミニウム、ハンドメイドのレザー素材を使用したインテリア

・サポート性に優れた軽量マグネシウム・フレームを持つ2種類の新型シート、カスタマイズが可能なカラークラスターディスプレイ。

■カーボンファイバー製エンジンフード、取り外し可能なカーボンファイバー製ルーフパネル、複合材製フェンダー、ドア、リアクォーターパネル、カーボン・ナノコンポジット製アンダーボディパネルなどの軽量素材を採用

・新型アルミフレームによる約50:50の前後重量配分と第一級のパワーウェイトレシオ。

■サーキット走行で威力を発揮するZ51

・主な装備は、eLSD(電子制御リミテッド・スリップ・デフ)冷却用のインテークを装備、ブレーキ冷却用ダクトが加えられ、サーキット走行性能を強化するリアスポイラーとディフレクターも装備。

■12種類の制御アイテムをコントロールする5モード・ドライバーモード・セレクター

価格(消費税込)

「シボレー コルベット」(7MT):9,182,000円

「シボレー コルベット」(8AT):9,350,000円

「シボレー コルベット Z51」(7MT):10,882,000円

「シボレー コルベット Z51」(8AT):11,050,000円

「シボレー コルベット コンバーチブル」(8AT):9,950,000円

「シボレー コルベット コンバーチブル Z51」(8AT):11,650,000円

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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