新型スバルXV発売!ハイブリッドは遅れて登場か?新設定の1.6Lエンジンや燃費、価格を徹底解説|最新情報(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
大人気SUV、スバル新型XVが2017年4月6日に発売開始!
最近はクルマの売れ行きが低調だが、その中で元気が良いと話題になっているのがSUVだ。
発祥は悪路の走破性能を高めたクルマだから、大径サイズのタイヤを装着して、ボディの下側を力強い印象に仕上げている。またボディの上半分は5ドアハッチバックやワゴンに準じた形状だから、居住性が快適で荷物も積みやすい。カッコ良さと実用性の適度なバランスが、クルマに趣味性を求めるユーザーの間で人気を高めた。
このSUVの成り立ちを分かりやすく表現したのがスバルXVだ。
5ドアハッチバックのインプレッサスポーツの外観をアレンジして、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)にも余裕を持たせてSUVに発展させている。基本的には同じクルマなのに、別の車種と受け取られて売れ行きも好調だ。
このようなSUV仕様はメーカーにとって都合が良い。タイヤサイズや最低地上高が異なるから、足まわりなどの設定を変える必要はあるが、まったく別の車種を開発するのに比べるとコストを大幅に安く抑えられる。
意地悪な表現をすれば「一丁あがり」的なオイシイ商品開発だが、話はそれほど簡単ではない。ベースとなる5ドアハッチバックのコンセプトやデザイン、アレンジの仕方によって、販売面で失敗に終わることも多いからだ。
例えばトヨタ アクアのX-URBAN(Xアーバン)、同じスバル車でもエクシーガクロスオーバー7などはあまり売れていない。XVも2世代前の初代モデルは注目されず、先代型の2代目で人気車になった。初代XVはベースのインプレッサスポーツが丸みのあるボディ形状で、SUVとのデザイン的な相性があまり良くなかった。
そして2017年4月6日に、スバルXVがフルモデルチェンジを受けた。位置付けは従来型と同じで、現行インプレッサスポーツをベースにSUVにアレンジしたクルマである。プラットフォームには新型インプレッサ同様にSGP(スバルグローバルプラットフォーム)を採用。“ダイナミック×ソリッド”をテーマとした塊感のあるボディは、街乗りでもオフロードでも似合う恰好の良いデザインとなっている。
また、先進安全装備として、アイサイトVer.3が搭載されている。アイサイトVer.3は、カラーで映像認識を行うことでクルマや歩行者、二輪車だけでなく、白線や道路標識まで見分けて、予防安全に役立てている。アイサイトの機能には、“プリクラッシュブレーキ”、“全車速追従機能付クルーズコントロール”、“アクティブレーンキープ”、“誤発進抑制制御”が含まれており、これらを搭載したスバル車は、JNCAP予防安全評価で最高ランクを獲得している。
新型XVにはハイブリッドは現在のところ設定はないが、1.6リッターエンジンを設定!
エンジンは水平対向4気筒の2リッターに加え、新型XVでは新たに1.6リッターも用意する。先代型に設定されたハイブリッドは今回発表されなかった。登場時期は未定ながら、新型XVハイブリッドも現在鋭意開発中とのことだからこちらも期待したい。
グレードは4種類で、1.6リッターが1.6iアイサイト(213万8400円)と1.6i-Lアイサイト(224万6400円)。2リッターは2.0i-Lアイサイト(248万4000円)と2.0i-Sアイサイト(267万8400円)となる。
駆動方式は全車がアクティブトルクスプリット式4WDを採用。電子制御される多板クラッチを介して、前後輪の駆動力配分を制御する。
動力性能の数値は、両エンジンともにインプレッサスポーツと同じだが、車両重量は4WD同士の比較でXVが50kgほど重い。そこで最終減速比を変更した。インプレッサスポーツの1.6リッターは3.900、2リッターは3.700だが、XVでは4.111/3.900になる。車両重量の増加に応じてローギヤード化されている。
新型XVの車高なら立体駐車場にも対応可能
その一方でXVの全高は1550mmだから、SUVの外観でありながら立体駐車場の利用性も良い。ただしルーフレールを装着すると45mmのプラスになり、一部の立体駐車場が使いにくくなるから注意したい。
全長は4465mm、全幅は1800mm。インプレッサスポーツに比べて5mm長く、25mmワイドになった。大した違いではないともいえるが、全幅がトヨタ クラウンと同じ1800mmと考えると、幅がかなり広がった印象を受ける。
またドライバーの死角に入る部分でボディがワイド化されているから、厳密には取りまわし性が悪くなる。最小回転半径もインプレッサスポーツが5.3m、XVは5.4mで少し大回りだ。先代XVから乗り替える時にも注意したい。
ベースのインプレッサスポーツが現行型へのフルモデルチェンジでボディを拡大したから、先代XVと比べて新型は15mm長く、20mmワイドで、最小回転半径も0.1m拡大した。
さらに新型では、サイドウインドウの下端が先代型よりも急な角度で後ろへ持ち上がるから、先代型に比べると斜め後方の視界が悪い。XVの視界は、今日のミドルサイズハッチバックやSUVの中では優れた部類に入るが、先代型から乗り替える時は、縦列駐車などを試しておくと安心だ。
エコカー減税では新型XVの方がインプレッサよりもお得!?
新型XVは、インプレッサスポーツに対し、やや車両重量も増えたことなどから、カタログ燃費(JC08モード)も変わる。
モデルチェンジ後のXVの燃費は1.6リッターモデルが16.2km/L、2リッターモデルは2.0i-Lアイサイトが16.4km/L、2.0i-Sアイサイトは16km/Lだ。インプレッサスポーツの4WDは1.6リッターが17km/L、2リッターは15.8~16.8km/Lとされ、数値の下がるグレードが多い。
それにもかかわらずエコカー減税では、インプレッサスポーツよりもXVの方が有利になる。2017年度のエコカー減税(重量税の変更は2017年5月1日に実施)では、インプレッサスポーツとG4は全車が減税対象外だが、XVは2.0i-Sアイサイトが2015年燃費基準プラス10%を達成して、取得税が20%、重量税が25%の減税を受けられる。
また2.0i-Lアイサイトも、メーカーオプションを装着して車両重量が1430kg以上に増えると、カタログ燃費(JC08モード)を16.4km/Lから16km/Lに悪化させながら、前述のエコカー減税を受けられる。
この矛盾が生じる理由は、燃費基準がJC08モードの数値と車両重量の区分によって単純に決まるからだ。2.0i-Lアイサイトの場合、オプションを加えて車両重量が10kg増えると、重量区分が変わり(このグレードの1420kgの車両重量は区分ギリギリに位置する)、燃費基準値が大幅に緩くなる。
その結果、JC08モード燃費を0.4km/L悪化させながら、エコカー減税の対象に入るわけだ。日本のユーザーと車両開発者は、国の愚かな制度に振り回されている。
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▼新型スバルXV 燃費・価格表
新型スバルXV 価格・燃費表 | ||
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グレード | 価格 | 燃費(JC08モード) |
1.6i EyeSight | 2,138,400円 | 16.2km/L |
1.6i-L EyeSight | 2,246,400円 | 16.2km/L |
2.0i-L EyeSight | 2,484,000円 | 16.4km/L |
2.0i-S EyeSight | 2,678,400円 | 16.0km/L |
ついに新型XVにもXモード搭載!
AWD(4WD)のメカニズムで進化したのは、フォレスターやレガシィアウトバックに装着される“Xモード”の採用だ。
Xモードのスイッチを入れると多板クラッチの締結力が強まり、アクセル操作に対する出力制御を悪路向けのマップに変更する。空転が生じた時は、そのホイールに即座にブレーキをかけ、グリップを回復させる仕組みだ。
さらにヒルディセントコントロールも採用。滑りやすい急斜面を下る時に使うと、4輪のブレーキが自動的に独立制御されて横滑りを抑え、時速0~20キロで安定して走破できる。ドライバーはブレーキ操作から解放され、ハンドル操作に集中できることもメリットだ。Xモードは横滑り防止装置などの応用制御だから、低コストで装着された。
サスペンションは前輪がストラット、後輪がダブルウイッシュボーンの4輪独立式。基本的な形状はインプレッサスポーツと同じだが、最低地上高が異なることもあり、セッティングは変更されている。
Xモードは、1.6i-L EyeSight、2.0i-L EyeSight、 2.0i-S EyeSightの3つのグレードに搭載される。
新型XVの外観デザインはブラックのオーバーフェンダーがかっこいい!
スバル新型XVの外観だが、タイヤが収まる前後のホイールアーチ、ボディ側面の下側には、先代型と同じくブラックの樹脂によるサイドクラッディングを装着した。
機能的には跳ね石などからボディを守る装備だが、それ以上に外観を力強くワイドに見せる効果がある。SUVでは定番の装備で、サイドクラッディングを付ければ何でもSUVに分類される面もある。
フロントマスクでは、バンパー下側の開口部がワイドになってブラックの樹脂で覆われ、リアバンパーの左右には赤のリフレクター(反射板)も装着した。
最低地上高は先代型と同じ200mmを確保して、悪路のデコボコを乗り越えやすい。インプレッサスポーツに比べると70mmの拡大になり、駐車場の段差などにも気を使わずに済む。
新型XVの内装とオススメのグレードは?
居住空間の広さ、インパネのデザインなどはインプレッサスポーツと基本的に同じだが、シートの生地や内装の装飾は異なる。最上級となる2.0i-Sアイサイトのシート生地は、インプレッサスポーツに設定のないトリコットと合成皮革だ。
また2リッターモデルでは、シートやインパネにオレンジのステッチが入り、内装に質感とスポーティ感覚を強めた。
グレードの選び方としては、まず1.6リッターと2リッターの選択を考える。
1.6i-Lアイサイトと2.0i-Lアイサイトの価格差は23万7600円だが、後者にはキーレスアクセス&プッシュスタート、LEDサイドターンランプ付きドアミラーなど10万円相当の装備が加わり、400ccの実質差額は約14万円になる。この金額はインプレッサスポーツやG4と同等だ。
400ccで14万円という価格差は少し高いが、2リッターエンジンは直噴式を採用して、動力性能と燃費を両方ともに向上させた。2.0i-LアイサイトのJC08モード燃費は、前述のように16.4km/L。1.6i-Lアイサイト16.2km/Lよりも若干優れている。
またXVは車両重量が1400kgを上まわる。1.6リッターでも実用的な不満はないが、SUVとしての走りの満足感も考えると、2リッターの2.0i-Lアイサイトを推奨したい。このグレードに、2車線道路などで後方の並走車両を検知する機能などを含んだアドバンスドセイフティパッケージ、LEDヘッドランプなどをオプションで加えるのがベストだ。
最上級の2.0i-Sアイサイトは、前述の合成皮革を使ったシート生地、LEDヘッドランプ、アルミパッド付きスポーツペダルなどが加わり、内装の質感を高めたほか、タイヤサイズは18インチに拡大される。価格は2.0i-Lアイサイトに比べて19万4400円高く、割安ではないが、装備内容が気に入ったのであれば選ぶ価値がある。
インプレッサスポーツ4WDと価格差を比べると、2.0i-Lアイサイト同士の比較でXVが10万8000円高い。装備内容は同等なので、この金額が内外装のパーツとXモードの対価と考えれば良い。価格上昇は妥当な範囲に収まる。
また先代XVに比べると、新型XV2.0i-Lアイサイトは10万8000円安いが、ディスチャージヘッドランプや電動パワーシートなどが省かれた。先代型では2.0i-Lアイサイトが最上級だったが、新型には2.0i-Sアイサイトがあり、位置付けが変わったからだ。
こういった装備差を補正すると、価格は先代型とほぼ同じと考えられる。厳密には3万円ほど値上げされたが、新型で標準装着された歩行者保護エアバッグなどの対価になる。2.0i-Lアイサイトの248万4000円という価格自体は求めやすいとはいえないが、4WDシステム、アイサイトバージョン3を含めた安全装備の充実などを考えると納得できる設定だ。
新型スバル XVは、日常生活の中で安心して便利に使えるSUVを求めるユーザーに適している。インプレッサスポーツの外観が物足りないと感じるユーザーにとっても、狙い目のモデルといえるだろう。それだけに、先代XVにラインアップされていたハイブリッドモデルの登場が待たれる。
[初出:2017/4/6 加筆:2017/5/18]
[レポート:渡辺陽一郎]
スバル 新型XV 主要スペック
新型スバルXV 主要スペック表 | ||||
---|---|---|---|---|
グレード | 1.6i EyeSight | 1.6i-L EyeSight | 2.0i-L EyeSight | 2.0i-S EyeSight |
駆動方式 | AWD(4WD) | |||
トランスミッション | CVT | |||
全長 | 4,465mm | |||
全幅(車幅) | 1,800mm | |||
全高(車高) | 1,550mm | |||
ホイールベース | 2,670mm | |||
乗車定員 | 5人 | |||
タイヤサイズ | 225/60R17 | 225/55R18 | ||
車両重量(車重) | 1410kg | 1420kg | ||
エンジン | 水平対向4気筒 デュアルAVCS | 水平対向4気筒 デュアルAVCS直噴 | ||
排気量 | 1599cc | 1995cc | ||
最大出力 | 85kW(115PS)/6200rpm | 113kW(154PS)/6000rpm | ||
最大トルク | 148N・m/3600rpm | 148N・m/3600rpm | ||
燃料 | レギュラーガソリン | レギュラーガソリン |
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