新型ハイゼットトラックと農業女子プロジェクト/渡辺陽一郎

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ピンクの軽トラ!?「農業女子プロジェクト」から生まれたカラフルな新型ハイゼットトラック!

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「えっ!?カラフルな軽トラック?」と思わず声が出そうなほどにびっくりしたのが、2014年9月に発売された新型「ダイハツ ハイゼットトラック」だ。

新型ハイゼットトラックは、今まで「男性目線」だった軽トラックに女性ユーザーのニーズを取り込んだことが新しい。

ボディカラーにはオレンジやピンクなどカラフルな色が用意され、さらにはIR&UVカットガラスを装着した「ビューティパック」、パワーウインドーとキーレスエントリーシステムを組み合わせた「省力パック」などが用意されている。

もちろん、15年ぶりのフルモデルチェンジとして衝突安全性や居住性も向上している。

新型ハイゼットトラックの開発に際しては、農林水産省が推進する「農業女子プロジェクト」が関係している。農業に従事する女性のニーズや考え方を企業と結び付け、さまざまな情報を発信したり商品開発に役立てる試みだ。

ダイハツ 新型 ハイゼットトラック 発表会/農林水産省 農業女子プロジェクト
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ダイハツはこの農業女子プロジェクトに参画しており、そのほかにも化粧品の「コーセー」、アウトドアウェアの「モンベル」、「東急ハンズ」、「リーガロイヤルホテル」など名立たる企業が参画している。

こういった取り組みを通じて「農業女子」という言葉を定着させ、農業に従事する女性のビジネス感覚を育成、さらに農業女子の手掛けた生産物の高付加価値化も目指すというのだ。

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背景にあるのは若年層の女性比率の減少

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「農業女子プロジェクト」の背景には“農業就業人口の減少と高齢化”がある。

農業に従事する人口は1960年には1,454万人だったが、1970年には1,035万人、1980年には791万人、2000年には389万人に減り、2013年の統計では「239万人」だ。この50年ほどの間に、農業就業人口は16%まで規模を縮小させている。

そして高齢化も著しい。1975年には65歳以上の高齢者が占める比率は約20%だったが、今では「62%」にも達し、農業に従事する人達の平均年齢も「66.2歳」と高い。そして新たに農業に加わる人達の数は、1年間に5万人程度。239万人の僅か2%だ。しかも新規就農者の中でも、60歳以上が約50%を占めており、高齢化はさらに加速する。今後は、農業就業人口の急激な減少も心配されそうだ。

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年齢別のデータを見ると、男女比率にも世代によって違いが見られる。

40歳以上では、女性比率が40%以上だが、39歳以下では20%前後にとどまる。つまり農業就業人口は、若年層の参入が減ったことで人口の減少と高齢化が急速に進んでいるのだ。

そして若年層の中でも、とりわけ女性の減少が目立つ。こういった点を踏まえて「農業女子プロジェクト」が立ち上がり、ダイハツが参入したことで、ハイゼットトラックのバリエーションも増えた。

農業の実情を知らない私がハイゼットトラックを見ると「ミラココアのように鮮やか」といった程度の感想しか持てないが、商品化の背景には、農作物を作る現場の切実な思いが込められている。

この「待ったナシ」の危機感は、筆者には別の分野で理解できる。いわゆる“若年層のクルマ離れ”だ。

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農業と自動車雑誌・・・畑は違えど同様の問題を抱えている

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かつて若い人達が買い求めたスポーツカーも、今では中高年齢層が中心。トヨタ86も若いユーザーが運転している姿はあまり見かけない。大半がオジサン世代だ。私が長年にわたって携わってきた自動車雑誌も、読者の高齢化が著しい。

私が自動車雑誌の編集部に就職した1985年頃、読者の平均年齢は購入ガイド誌でも23歳前後。B5(週刊誌)サイズの雑誌には中学生や高校生の読者も多く、平均年齢は18~20歳といわれていた。

それが今ではB5サイズでも40歳を超える。新規読者の参入が限られ、高齢化が進み、発行部数も減少しているのが実情だ。

農業と自動車雑誌を同列に見るのは相当に無理があるが、対策が急務なことに変わりはない。読者諸兄が働いておられる業界でも、顧客の高齢化があるのではないか。そこに置き換えると、農業の切実な状況も理解していただけると思う。

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となればいろいろな対策を試みることが大切で、「農業女子プロジェクト」も理解できる。語感はいかにも広告代理店の発案といった印象で、コマーシャリズムが少々ハナにつくが、文句を付けていられる状態ではない。農業に従事する女性のビジネス感覚を引き出し、新しい付加価値を与えるのも効果的だろう。

そして軽トラックは長年にわたって農家に買っていただいたのだから、将来的な需要を維持することも視野に入れ、手厚い支援をすべきだ。

「農業女子プロジェクト」に参加しなくても、スズキやホンダにも同様の考え方を持って欲しい。

オートックワンでは、2014年8月27日に、軽乗用車の増税に関する話題をコラム記事として掲載した。軽商用車のユーザーも、必要に迫られて使っている。 特に軽トラックの場合、40~50%が前述の農業に用いられ、ユーザーの平均年齢は、やはり60歳を超える。

アンケート調査によると収入の減少が指摘され、税金を安く抑えることも大切だ。農業を筆頭に、軽トラックは日本の産業を支えている。バンタイプの軽商用車にも、中小企業のユーザーが多い。

軽乗用車は、公共の交通機関が未発達な地域で、高齢者を中心に日常的な移動に使われている。 最近の軽乗用車は快適性が向上して華やかさも身に付けたが、本質は別のところにある。ボディカラーを増やしたからといって、ハイゼットトラックと、ミラココアを同列に見ることはできない。

「農業女子プロジェクト」も、軽トラックの工夫を凝らした商品開発も、一時のブームで終わらせず、長く継続的に進めていくことが大切だ。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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