増税額は2年でなんと“3万円”を超える!古いクルマの所有者はこれからさらに苦しむことに(2/3)

増税額は2年でなんと“3万円”を超える!古いクルマの所有者はこれからさらに苦しむことに
初代 マツダ アテンザ(2002年) 初代 マツダ プレマシー(1999年) 2代目 ホンダ インテグラ タイプR(2001年) 初代 ホンダ フィット(2001年) 3代目 スズキ ワゴンR(2003年) 初代 スズキ スイフト(2000年) 自動車税納税通知書(イメージ) 画像ギャラリーはこちら

2年間で3万円以上の増税となるユーザーも

古いクルマが増税されるのは自動車重量税だけではない。毎年納める自動車税と軽自動車税も対象となる。

小型&普通車の自動車税は、すでに13年を経過すると15%の増税だ。排気量が1.2~1.5リッタークラスであれば年額3万4500円が基本だが、13年を超えると「3万4500円×1.15=3万9600円(100円未満は切り捨て)」。1.6~2リッタークラスであれば、3万9500円が4万5400円に増税される。

長くクルマを使うと、小型&普通車の平均的なユーザーでも、自動車税だけで年額5000~6000円の値上げ。2年分なら2リッタークラスで1万2000円になる。これに先に述べた自動車重量税の増税分(13年経過で2016年4月1日以降は1万9200円の増税)を加算すると、2年間で3万円以上の格差になってしまう。

3代目 スズキ ワゴンR(2003年)

2016年度からは軽自動車税の増税も行われ、届け出されて13年を経過すると、約20%の増税になる。今は年額1万800円が基本だから(軽自動車税は市町村税だから地域によって差がある)、増税されると1万2900円(100円未満は切り捨て)だ。

古い車両を増税する理由は、環境負荷が大きい(燃料の消費量が多かったり排出ガス規制の達成度合いが低い)というもの。自動車取得税と同重量税を減税するエコカー減税、自動車税と軽自動車税を減税するグリーン化特例とセットになって実施されている。

要は「古いクルマは環境に害悪を与える」という考え方だが、クルマは開発/製造/流通/使用/廃棄のすべてのプロセスで環境に負荷を与えて二酸化炭素も排出する。

特に走行距離が少ない使われ方をする場合、新しいクルマに代替した方が環境に優しいとは一概にはいえないだろう。

古いクルマのユーザーは愛好家だけではないことを、国は本当に分かっているのか

初代 ホンダ フィット(2001年)

13年以上も前に初度登録された古いクルマを使うユーザーが、どのような境遇に置かれているのか国は考えたことがあるのだろうか。

愛車を長年にわたり好んで使っているケースもあれば、我慢しながら使っているユーザーも多い。

特に公共の交通機関が未発達な地域では、クルマは日常生活を送る上で不可欠の移動手段だ。軽自動車が10世帯に10台以上の割合で普及している鳥取/長野/島根県などは、クルマに頼る生活を強いられており、なおかつ人口に占める65歳以上の高齢者比率も高い。通院や毎日の買い物のために軽自動車が使われ、低年式の車両も多く含まれている。

小型&普通車を含めて、古い車両を増税すると、福祉に逆行することを認識すべきだ。

そして「モノを長く大切に使うこと」は、社会通念でとらえても奨励されるべきだろう。仮に「古いクルマは環境に害悪を与える」、あるいは「新しいクルマは安全性が高い」という考え方を持つとしても、古いクルマを増税するのは行き過ぎだ。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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