日産 スカイライン 350 GT-8 試乗レポート
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:永元秀和
ブランディングの第一段。
新型スカイラインに首を傾げたユーザーは、GT-8を一度体験した方がいいと思う。もっともR32からR34までがスカイラインだと言う人にはまだ物足りないクルマなのだが。
新型スカイラインに首を傾げつつ、少しでも新たな世界を感じた人にはしっくり来る。もしかしたらスポーティな輸入車乗りにもしっくり来るかもしれない。実際の走りには、未だ構築中のブランド性を抜きにすればバリューな部分が静かながらも確実にあるからだ。
一般的に注目なのは8速のマニュアルモードを備えたエクストロイドCVTだろう。CVTだけに段数は切りたいだけ切れるから、よくよく考えると驚きではないのだけど、やはり8という数字には圧倒される。
個人的に注目だったのはシャシの仕上がり。ノーマルは穏やかなクルマの動きとクイックなステアリングでチグハグ感があったが、パワステ特性の見直しやタイヤの変更などによって大分自然な感じが生まれた。
R34の懐かしい、男臭い味付けからすれば無臭に近いが、それでも今度は新たにほんのりとした「香り」が確かに感じられる。
それだけに汗を流しつつ格闘した感のある20世紀のスカイラインと比べると、刺激は確実に少ない方だろう。だが刺激をしてスポーツとするのではなく、常に漂う確かさの上であらゆる動きを把握するという、穏やかに流れる時間のじっくり飲むような心地よさがそこにはあると思えた。
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