AT車の駐車時にサイドブレーキは必要なの?
- 筆者: 清水 草一
其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!
ご家族はサイドブレーキを使わず、Pレンジだけでクルマを止めてらっしゃるんですね。父上の「PかNに軽くブレーキをかけただけ」というコメントのPはパーキングブレーキのPでしょうか?そうでないと意味が通らないので、たぶんそうだと思います。
つまり父上は、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)は軽くブレーキをかけただけの状態で、大きな固定力はないから、ガッチリ固定する力のあるPレンジに入れるだけで十分だ、とおっしゃっているのだと思います。
が、これでは、止める場所によっては若干不安が生じます。
なぜなら、Pレンジの固定力もまた、それほど大したものではないからです。Pレンジに入れると、オートマチック・トランスミッション内部の歯車に、爪状の形をした棒がひっかかります。これをパーキングロックポールと言います。
パーキングロックポールは金属製なので、それなりに丈夫です。ただ、ひっかける歯車の直径は、それほど大きなものではありません。小さな歯車に金属の爪をひっかけて止めているだけ、と思ってください。つまり、強い力がかかると、爪が折れたり、はずれたりする可能性があるのです。
駐車中に衝突などを食らえば、ほぼ確実に爪は折れてしまいます。爪は、折れたら最後、固定力はゼロになり、クルマを止める力もまたゼロになって、押せば自由に動くような状態になってしまいます。
一方、サイドブレーキは、それほど大きな力でクルマを固定しているわけではありませんが、たとえブレーキが多少滑ってクルマが少し動いてしまっても、摩擦力は発揮し続けているので、ずっとブレーキを引きずった状態は続き、固定力がゼロになることはありません。
その分、安全なのです。つまり、AT車を駐車するときは、教習所で教えている通り、両方をかけるのがセオリーです。
MJブロンディの「ひとりごと」
ところで、走行中にATセレクトレバーをPレンジに入れるとどうなるのでしょう。パーキングロックポールは、固定用の歯車が高速で回っていると、はじかれてしまって、溝に爪を入れることができません。
つまり、歯車と爪がガリガリガリ~と摩擦しあう状態が続き、溝には入らず、クルマ停止させるどころか、減速すらできないのです。
また、現在のAT車は、走行中にRに入れてもPに入れても、ミッションがブチ壊れないよう、たいてい安全装置がついています。Pレンジに入れて爪が歯車にかみ合うのは、時速5キロ程度の超低速からです。
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