時速何kmで走るのが一番燃費がいいの?

時速何kmで走るのが一番燃費がいいの?
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時速何kmで走るのが一番燃費がいいの?

ホンダ モビリオスパイク

時速何kmで走るのが一番燃費がいいのか教えてください。

ホンダのモビリオスパイクに乗っていますが、運転中に燃費のメーターを、こまめにチェックしていると、高速道路でビューンと走ったほうが燃費よく走れているときが多いです。

感覚としては、80km/hあたりが一番良い気がします。また、どの自動車もちょうど良いスピードというのは、同じかと思っていたんですが、もしかしたら・・・エンジンの排気量とかで一番最適な速度ってかわるのかなと。

たとえば、軽自動車のような小さいエンジンで100km/h以上出すと、効率悪そうに感じます。実際のところ、どうなんでしょうか。教えてください!!(乙さん)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

乙さんは研究熱心ですね。

研究と発見は、人生最大のヨロコビです。興味のあることはどんどん研究していきましょう!

さて、ご質問ですが、おっしゃる通り80km/hは、ガソリンエンジンなど内燃機関を動力とする自動車にとって、最も燃費のいいゾーンです。遅い方が燃費がよさそうに思えますが、そうではありません。

なぜかと言いますと、ガソリンエンジンには、ギアがついています。これは、ガソリンエンジンにはエネルギー効率のいいエンジン回転数のゾーンがあり、そこをうまく使うためなのです。

ガソリン乗用車の場合、一番高いギアに入るのは50~80km/hくらいです。CVTのような無段変速車でも、変速比には限界があるので、これくらいの速度で、いわゆる「一番ギア比が高い状態」になります。 その速度でずっと走り続けるのが、おおむね「最も効率よく距離を稼げる速度」ということになるわけです!

空気抵抗は速度の2乗に比例して大きくなりますが、実用上問題になってくるのは、70~80km/hより上。こういった条件が重なって、50~80km/hくらいで一定速走行するのが、最も燃費が良くなるクルマが多いのですよ。

この50~80km/hの差は、主に「トップギアに入る速度」で決まります。

50km/hでトップギアに入るクルマなら、空気抵抗のより少ないその速度で、延々走り続けるのが最も燃費が良くなります。しかしそういうクルマは、高速道路での燃費が悪化してしまいますよね?

かつてのコンパクトカーや軽自動車は、3~4速ATが主流だったので、50km/hくらいで走り続けた方が燃費が伸びました。ただ、一般道でも高速道路でも、その速度で走り続けるのはちょっとムリですね。

現在は、小型車の主流はCVT。CVTは変速比が非常にワイドな分、70~80km/hで最もギア比が高くなるクルマが多く、その分高速燃費を稼げて実用燃費が向上し、ユーザーが喜ぶ。それもあって、CVTがどんどん普及しているのです。スパイクもCVTなので、80km/hが最も燃費がいいのでしょう。

マツダ デミオSKYACTIV

ちなみにデミオ・スカイアクティブ(CVT)も、「80km/hでの巡航が最も燃費がよかったであります!」と、弊社スタッフ・マリオ二等兵が報告していました。

そのクルマの最も燃費のいい速度域は、エンジン特性も関係ありますが、現在の実用車はたいてい低速トルクを重視した省燃費型の特性なので、主にミッションで決まると考えていいでしょう。

トルコンATも、かつての3~4段から、現在は5段~8段へと多段化が進んでいます。たとえば私が今愛車にしているシトロエンC5は、70km/hで6速に入るので、80km/hくらいでの巡航が、最も安定して燃費よく走れます。 ただし、50km/hに落としても、ほとんど燃費は変わりません。それは、動力側の効率が落ちる分、空気抵抗は減るからなんです。

現在のクルマは、50~80km/hでの巡航なら、ほとんど燃費が変わらない、高原状の「省燃費速度ゾーン」を持っていると考えていいでしょう。

現実には、高速道路での巡航は80km/hくらいが下限で、それより遅く走るのは周囲の迷惑になりますよね? いろいろ考えると、80km/hが一番燃費がいい速度域、ということになります。

MJブロンディの「ひとりごと」

50~80km/hではほとんど燃費は変わりませんが、80km/hから100km/hに速度を上げると、空気抵抗は一気に4割近く増加します。100km/hでは、走行抵抗の半分以上が空気抵抗になり、燃費に非常に大きく影響してくるのです。

これだけ抵抗が増えて、燃費が向上するということは、通常はあり得ません。

100km/h以上の速度の方が燃費がいいのは、エンジンが超高回転型のスポーツカーなど、低い回転で走ることを前提としていない、特殊なクルマに限られることになりますね。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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