アバルトは、レーサーでありエンジニアでもあったカルロ・アバルトが、自身の名を冠して1949年に設立。有名なサソリのエンブレムは、彼がさそり座であったことに由来するとされる。モータースポーツへの参戦や自社開発車両の製造を行う傍ら、当時イタリアで国民車として親しまれていたフィアット車のチューニングパーツの販売を開始。これが大きなヒットを飛ばし、国内での知名度を一気に拡大することとなる。1950年代にはフィアット「500」をベースに、伝説的モデルとなる「アバルト 500」を製造。可愛らしいフィアット「500」がオーバーフェンダーで迫力を増し、さらに放熱のためリアのエンジンフードを開けたまま豪快に走る姿は、ファンの間では今でも有名となっている。またこの頃は「アバルト 750 GT」ようなスポーツクーペも販売していた。当時のイタリア国内でのアバルトの人気ぶりを示すエピソードとして、足の速い野ウサギを「アバルトウサギ」、強いコーヒーを「アバルトコーヒー」と言うなど、アバルトの名が強いものの代名詞として用いられていた、という逸話も残る。現在はフィアットのパートナーとして、スポーティモデルやチューニングパーツの生産、モータースポーツへの参戦を行っている。
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