昨年12月に発売されたばかりの、トヨタの新たな世界戦略車であるC-HR。同社で手薄となっていたコンパクト・ミドルクラスのSUVとして登場したC-HRは、トヨタにとっても待ちに待った1台であろう。
クルマの基盤となるプラットフォームは、現行プリウスに続くトヨタ最新のTNGAの採用第二弾で、この点からC-HRはプリウスのSUV的な存在ともいえるのだが、全長は4360mmと意外に短く、車格としてはコンパクトとミドルクラスの中間といったところに位置する。
エンジン、トランスミッションといったパワートレーンは現在のところFF車がプリウスと同じ1.8L+2モーターのハイブリッド、4WDが1.2Lターボ+CVTとなっており、それぞれにFFと4WDの設定が欲しいところだ。
C-HRの大きな特徴は走りに強くこだわっている点で、日本で生産される日本車としては珍しくヨーロッパ生産のザックス社製ダンパーを使うほか、欧州を含めた世界中の道で走行テストが行われており、質の高いハンドリングと乗り心地を両立している。
注目が高まっている安全性、特に事故を未然に防ぐための自律自動ブレーキは、ミリ波レーダーと単眼カメラからの情報を基に歩行者の対応や車両に対するかなり高いスピード域からの緊急ブレーキ機能、停止まで対応する先行車追従型のクルーズコントロールといった充実した機能から構成されるトヨタセーフティセンスPが全グレードに標準装備される。
SUVという人気のジャンル、ハイブリッドの設定などを理由にC-HRは人気車となっており、納期はハイブリッドと1.2Lターボともにすでに3ヶ月待ちの4月以降となっている。
前述した走りへのこだわりのため、C-HRは発売前の今年5月に行われた世界で最も過酷なレースの1つであるニュルブルクリンク24時間レースに1.2Lターボエンジン搭載車をベースにしたレーシングカーで参戦。
見事総合84位クラス3位で完走を果たし、そのレーシングカーは東京オートサロンのトヨタブースに市販車のC-HRとともに展示されている。
そしてC-HRはディーラーオプションとして買える純正オプション、モデリスタやTRDといったトヨタ系チューナーのパーツがすでに出揃っており、エアロパーツを中心としたカスタマイズカーを作ることも可能となっており、それぞれのカスタマイズカーを簡単に紹介していこう。
純正オプションはトヨタ直系といえる存在だけに、さり気ない中にも期待を裏切らない変化を持つ上に、実用性を損なっていないことが魅力だ。
またメタリックスタイル/トヨタ店、アーバンスタイル/トヨペット店、スマートスタイル/カローラ店、ストリートスタイル/ネッツ店という4つのトヨタの販売チャンネルに方向性に合ったエアロパーツやデカールの組み合わせを提案しているのも純正オプションの特徴の1つだ(組み合わせの提案はもちろん強制ではない)。
「オリジナルの良さをさらに伸ばすこと」をコンセプトにするモデリスタでは“ブーストインパルススタイル”(黄色)と“エレガントアイススタイル”(白)の2つのスタイルを設定。
前者はアグレッシブでスポーティ、後者はモデリスタらしく都会的でスタイリッシュという個性を持つ。
モータースポーツ活動も精力的に行っているTRDの提案するC-HRのカスタマイズは、2つともモータースポーツの雰囲気を感じさせるいい意味で硬派な雰囲気がある。
“アグレッシブスタイル”(白)はスーパーGTの世界観で視覚的な車高の低さも含むオンロードでのスタイルをスタイリッシュに見せ、“エクストリームスタイル”(黄色)はアジアクロスカントリーラリーの世界観でマッドフラップを装備するほか、展示車はオフロードタイヤを履きタフネスさを強調。
またTRDでは前後のレインフォースメント(簡単に言えばバンパーの中身)に装着することでボディの補強と減衰効果を両立するモーションビームコントロールのラインナップしており、モーションビームコントロールの効果も非常に大きいという。
>>C-HR TRD Aggressive Style 画像ギャラリー
>>C-HR TRD Extreme Style 画像ギャラリー
[Text:永田恵一]
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