2007/3/18 22:57
【F1 開幕戦】 トヨタ、2台でトップ10フィニッシュ
F1世界選手権シーズン開幕戦となるオーストラリアGPの決勝レースで、8番手と、9番手グリッドから各々スタートを切ったヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハは、スタート直後の混戦の中で順位を入れ替えたが、中団グループの激しい順位争いの中で、新しいタイヤ使用規則も戦略に活かして健闘。ラルフ・シューマッハが、ポイント獲得となる8位でフィニッシュ。ヤルノ・トゥルーリも僅かにポイント獲得には届かなかったものの、9位でチェッカーを受け、パナソニック・トヨタ・レーシングは開幕戦で2台がトップ10フィニッシュを果たした。
■ラルフ・シューマッハ (8位) 「我々はトップ10入りを予想していたが、2台共に開幕戦で完走を果たせたのは良い結果だ。決勝レース時、コンディションは良好だったが、“TF107”は若干難しい状況で、厳しいレースを強いられた。レース終盤、我々はエンジンのバルブ駆動用空圧の問題に見舞われたが、最後まで走り抜き、ポイントを獲得できたのは良かった。終盤に向けて我々のペースは向上し、戦略も上手く行った。今後はよりスピードを得るために努力しなくてはならない。我々は追い上げるための若干のパフォーマンスは持っているが、より上位に近づくための開発を続ける必要がある。改良のチャンスはあるので、自信は持っている。それぞれの分野に集中して全力を尽くすのみだ」
■ヤルノ・トゥルーリ (9位) 「私にとっては残念な午後となり、ポイント獲得を果たせなかったのは悔しい。スタートをミスし、第1コーナーまでに2つポジションを落としてしまった。1周目終了までに何とか一つポジションを取り戻したが、最初の給油まではラルフ・シューマッハの後でポジションを上げられなかった。さらに、ピットアウト直後のG.フィジケラに先行されてしまった。私は彼をパスすることが出来ず、彼は給油直後で重かったため、そこでも上位から離されることとなってしまった。そして、その後も苦戦が続いた。“TF107”のバランスは決して悪くはなかったが、ポジションアップする方法はなかった。終盤にはブレーキのトラブルに見舞われてしまい、更にペースを落とさざるを得なかった。とはいえ、完走を果たすことが出来た。厳しい冬季オフシーズン中のテストの状況を考えればまずまずの週末であった」
■新居章年:技術コーディネーション担当ディレクター 「開幕戦でポイントを獲得することが出来、また2台揃って完走したことはまずまずの結果と言える。スタートでポジションを落としたヤルノ・トゥルーリもすぐに順位を回復し、ラルフ・シューマッハ、ヤルノ・トゥルーリの順で8、9位でレース前半が経過。ヤルノ・トゥルーリは後半タイムがなかなか上がらなかったが、粘り強く走行を重ね、序盤の順位を守って2台揃ってフィニッシュ出来た。特に新しいタイヤ規則をどのようにこなすかも課題であったが、ラルフ・シューマッハも2種類のタイヤの特性をうまくカバーして走行してくれた。3週間先の第2戦マレーシアGPでは更に上位を狙えるようにテストで“TF107”をより速くしてクアラルンプールへと向かいたい」
■冨田務:TMG会長 兼 チーム代表 「シーズンの開幕戦でラルフ・シューマッハが価値ある1ポイントを獲得してくれ、良いスタートが切れた。スターティンググリッド順位は悪くなく、ロウンチシステムも問題なく作動した。しかし、2台共、周回ペースは、上位グループと比較するには不十分な速さであった。我々が本来いたい位置と比較すれば確かに遙か遠い位置におり、やらなくてはならないことはいくつかある。ヤルノ・トゥルーリはスタート直前のパレードラップでオイル煙を吐いたが、重要なトラブルではなかった。また、レースの終盤ラルフ・シューマッハはエンジンのバルブ駆動用空圧に問題を抱えていたが、何とか最後まで走り切った。ヤルノ・トゥルーリもブレーキにトラブルを抱えたが、最終的には2台共に完走を果たすことが出来た。冬季テスト期間中に信頼性の問題を対策して来ただけに、今回の結果は喜ばしい。タイヤは良好だったが、ソフトタイヤを使用した最後のピットイン後には若干の摩耗に見舞われた。路面のコンディションと天候に恵まれたとはいえ、我々の競争力はまだ十分ではなく、懸命に努力を続け、“TF107”の開発を続けなければならない」