モビリティジャーナリストがおススメ! モーターショーで見ておくべき次世代のモビリティ3選【東京モーターショー2019】

  • 筆者: 楠田 悦子
  • カメラマン:古閑 章郎・茂呂 幸正・土屋 勇人・楠田 悦子・MOTA編集部・日産自動車・ダイハツ工業
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「Mobility for All(すべての人に移動の自由を)」とトヨタが掲げるように、東京モーターショー2019は、クルマからモビリティへと変わりつつある日本の自動車産業とその未来を体験するにはちょうどいい機会です。私、モビリティジャーナリストの楠田悦子が実際に会場を巡り「モビリティの未来」を感じた3つの展示について、御紹介します。
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  1. ノーベル物理学賞の青色LED技術がEVを変える!?
  2. 高齢者にも優しい軽自動車 ~ニッポンに根付く小型モビリティにもあらためて注目~
  3. 2020年の東京オリンピック・パラリンピックのモビリティをひと足お先に体験しよう

ノーベル物理学賞の青色LED技術がEVを変える!?

自動車の未来を占うキーワード「CASE(つながる・自動化・利活用・電動化)」。今年の東京モーターショー2019は、以前にも増して自動車メーカー各社がCASEを意識しています。中でも“電動化”、EVの色合いが強いようです。

走りに面白みがないとされてきたEVですが、他社に先駆け市販EVの経験を積み重ねてきた日産は、軽自動車EVコンセプト「ニッサンIMk」と、4輪駆動のクロスオーバーコンセプト「ニッサン アリア コンセプト」を展示するなど、各社の個性をEVに反映する傾向にあります。

そんな中でも、今年注目したいのは環境省ブース(東京ビッグサイト青海展示棟)です。

>>実用化はもう目の前! 未来のモビリティを画像で見る![フォトギャラリー]

青色LEDを生み出した窒化ガリウム(GaN)の技術を応用

EVは航続距離が短いことや、電気を消費するエアコンを思うように使えないなどの悩みを抱えますが、その課題を解消する研究が行われています。

窒化ガリウム(GaN)から青色LEDをつくり、ノーベル物理学賞を2014年に受賞した名古屋大学の天野 浩 教授らでつくる研究グループはGaN 技術を活用。世界ではじめてその技術を活用したEVを開発し、テスト走行することに成功しました。東京モーターショー2019では、そのコンセプト「All GaN Vehicle(AGV)」を見ることができます。

小型・軽量化は効率化のみならずデザインにまで影響を及ぼす

AGVでは、従来のEV技術に対し走行時のCO2排出量を約20%も低減させ、電費も20%改善し、さらに電池体積も30%小さくしたりと、電気ロスの削減や電気系統の小型・軽量化を目指すそう。効率だけじゃなく、デザインにまで影響を及ぼす次世代技術GaN。今後の展開も含めて目が離せません。

■次世代モビリティ「All GaN Vehicle(AGV)」 

全長×全幅×全高:3,050×1,650×1,500mm/ホイールベース:2,210mm

高齢者にも優しい軽自動車 ~ニッポンに根付く小型モビリティにもあらためて注目~

他の国にはない日本だけのクルマと言えば、やっぱり軽自動車。身近な乗り物がどんな進化を遂げているのかを見て回るのも、東京モーターショーならではの楽しみです。

その中で私が気になったのが、ダイハツブース(青海展示棟)に展示される新型「Tanto(タント)」、その福祉車両でした(2019年7月フルモデルチェンジ)。

これまでのタントでも、車いすで乗り降りするスロープが付いたモデルは販売されていました。しかし車いすは使わずひとりで歩けるものの、足腰が痛くてクルマの乗り降りがしにくい、そしてそんな家族の日々のお出かけを何とか楽にしてあげたい…そう思う人も多いのではないでしょうか。

あちこちに優しさがつまった新型タントの福祉車両

大学と産学連携を行って開発された新型タントの福祉車両には、あちこちに優しさがつまっています。

例えば、高齢者がつかまりやすいよう、グリップにもいろいろな工夫が。また助手席のいすは乗り降りしやすいように外側へ回転します。ただ単に回転するだけではなく、座席から立ち上がる時に右手で取っ手を握って立ち上がれるところまでに設定されています。そして後部座席にも乗り込みやすいよう、ドアの開閉時に自動で出てくる広めのステップが備え付けてあります。

開発を担当したダイハツ国内営業部の大和 誠 氏は「車いすのまま乗り込める車両はありましたが、車いすに乗らない高齢者が安心して乗れる車両がありませんでした。新型タントでは、はじめて介護予防や自立支援の知見を介護車両に入れて開発しました」と話します。価格も購入しやすい設定になっていて、非常に魅力的です。

ダイハツ/タント
ダイハツ タント
新車価格:
124.3万円227.7万円
中古価格:
7万円860.8万円

2020年の東京オリンピック・パラリンピックのモビリティをひと足お先に体験しよう

2020年の東京オリンピック・パラリンピックで実際に使用される予定の車両もたくさん展示されています。例えばいすゞと日野が共同開発した国内初のハイブリット型連節バスは青海展示棟のいすゞブースに出展され、車内に乗り込むことが出来ます。

そしてオリンピック・パラリンピックのワールドワイドパートナーとなっているトヨタからも、数多くの車両が出展されています。

オリパラ会場内の移動に約200台使われる「APM」(Accessible People Mover)、選手村を走る自動運転レベル4相当の「e-Palette(イーパレット)」。そして有明テニスの森など大規模な会場を中心に約300台導入される3タイプの歩行領域EV、「立ち乗りタイプ」と、車いすを利用する人向け「座り乗りタイプ」、「車いす連結タイプ」など…。

「OPEN ROAD(オープンロード)」では実際に未来のモビリティを体感出来る!

2019年の東京モーターショーは会場が多く4つのエリアに分かれています。東西に離れた会場をつなぐ「OPEN ROAD(オープンロード)」を、天気がよい日にゆっくり散策してみてはいかがでしょうか。

歩行領域EVの「座り乗りタイプ」や「車いす連結タイプ」などをはじめとした超小型EVなどの試乗体験も行われていて、東京2020のオリンピック・パラリンピックを先取りして体験できます。

[筆者:楠田 悦子/撮影:古閑 章郎・茂呂 幸正・土屋 勇人・楠田 悦子・MOTA編集部・日産自動車・ダイハツ工業]

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楠田 悦子
筆者楠田 悦子

「暮らしや社会をより"心豊か"に」をテーマに、新進気鋭のモビリティジャーナリストとして活躍中。 欧州生活、バックパーカー、NGOなどの経験を基に、クルマ、鉄道、バス、自転車、飛行機‥身近な人やモノの移動やその手段の進化に着目。暮らしや社会の問題を考察したり、新たな価値を提案するなど、具体的にアクションをとることがライフワークになった。自動車業界紙、(株)自動車新聞社の記者出身で、モビリティビジネス情報誌「LIGARE」の初代編集長。国や自治体の検討会委員なども務める。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

新車の見積もりや値引き、中古車の問い合わせなど、自動車の購入に関するサポートを行っているMOTA(モータ)では、新型車や注目の自動車の解説記事、試乗レポートなど、最新の自動車記事を展開しており、それらの記事はMOTA編集部編集長の監修により、記事の企画・取材・編集など行っております。MOTA編集方針

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