東京オートサロン2018会場の幕張メッセ東ホール8は日野自動車のブースだ。毎年派手な演出が印象的で、ダンスパフォーマンスなど楽しみにしているファンも多いかもしれない。
しかし、今年はそんな様子から一変、会場に展示されたのは大型トラックの”プロフィア”と中型トラック”レンジャー”の二台と控えめ。しかも会場に向けて披露されるパフォーマンスはダンスではない。
会場に持ち込まれたプロフィアを囲むように組まれた櫓の前には、ペンキが飛散する可能性があるので注意を喚起する旨の但し書きが。
一体何が行われるのだろうか。ブースの担当者によれば「オートサロンの会期中に、今年はここでペイントを実演で仕上げていきます。私もどんな絵になるか正直わからないのです」とのこと。
思えば私たちの生活の全てを支えてくれると言っても過言ではないトラック。
食卓はもちろん、暮らしを彩る立役者・・・トラックはそんな風に言うこともできるのではないだろうか。ネットで容易に買い物ができる今、つい空気か何かのように考えがちながら、届いた商品の価値が享受できるのも、商品が届くことの喜びも、そしてそんな贈答で誰かを思う気持ちや、心打たれ、贈られたことに対してこみ上げてくる感謝の念など、それらすべてをトラックは運び、コミュニケーションの仲立ちになっているのである。
確かに究極のプロユースカーであるトラック・バスのみを製造している日野自動車の出展内容は、東京オートサロン2018に出展されるほかのクルマとは背景そのものがそもそも違う面はあるが、それでも自社の主力商品であるトラックに別の見方、光の当て方をすることで、クルマ社会の中での存在価値を声高らかに謳い上げていたように感じた。
また、オートサロン2018スペシャルエディションの二台のトラックの後ろの装飾も見逃せない。パイロンを垂直にびっしりと敷き詰めて並べ、その色が様々に変化するのだ。トラックが活躍する路上での存在感を象徴的に表現していた。
今回も、日野自動車に限らず、SNSにブースの写真や合言葉などをハッシュタグをつけて投稿すると、特典や、商品がもらえるという企画を実施していたブースはたくさんあったが、日野ブースでも、昨年デュトロのカタログ請求をすると限定でもらうことができたオリジナルグッズの扇子(よく見ると・・・”ヒノノニトン”と書いてある!)が、今回のオートサロン2018でも用意された。
トラックなのにオートサロン?
そうではなく「トラック(メーカー)だからこそのオートサロン」。
日野自動車ブースは今年もそんな個性溢れたブースで来場者を楽しませていた。
[レポート:中込 健太郎/Photo:和田 清志]
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