2008/1/18 16:41
アウディ、【デトロイトMS】R8 V12 TDIコンセプトを発表
アウディAGは2008年米国デトロイトモーターショーにて、ハイパフォーマンス スポーツカーとして初めての12気筒ディーゼルエンジンモデルを発表した。
アウディR8をベースとするこのコンセプトカーに搭載されているのは、6L V12 TDIエンジンで、このエンジンユニットは、500ps、1,000Nmという、とてつもないパワーを生み出す。つや消しの「グレース シルバー」を纏ったこの「アウディR8 V12 TDIコンセプト」は、アウディがこれまでモータースポーツシーンで培ってきた専門的技術に裏づけられた、比類なきハンドリング、先駆的技術と魅力あふれるデザインが融合されている。さらに、世界で最もクリーンなディーゼルエンジン、TDIによる環境性能をも備えている。
このV12 TDIエンジンは、伝統あるルマン24時間レースにおいて、2006年にそのレース史上初めてディーゼルエンジンでの総合優勝を果たし、翌年も連覇を達成したアウディのプロトタイプ レーシングカー、アウディR10に搭載されているエンジンと非常に近いもの。アウディの他のV型エンジンとの共通性を持ちながら、レーシングエンジンにおける技術が盛り込まれたこのロードゴーイング用エンジンのボア×ストロークは、83.0mm×91.4mm、排気量5,934cc、コモンレールインジェクション用の新開発の高圧ポンプ2個を備えまる。バンク角は60度とし、エンジン全長は684mmと、V8 TDIエンジンよりわずか166mm長いだけの非常にコンパクトな設計。このコンパクトさが、V12エンジンをミッドシップスポーツカーであるR8に搭載することができる鍵となっている。2基のターボチャージャーの貢献により、V12 TDIは1,750〜3,000rpmという広い領域で1,000Nmものトルクを生み出すことができ、0-100Km加速は4.2秒、最高速度300km/hを誇る。
特筆すべきハイライトは、その環境性能。アウディR8 V12 TDIコンセプトは、窒素酸化物(NOx)の緊急的削減が求められる2014年施行予定の欧州排出ガス規制、ユーロ6の基準をすでに満たしている。そのシステムは、酸化触媒、DPF(粒子状物質除去装置)、そして「アドブルー」と呼ばれる尿素水溶液のタンクからなっており、少量の「アドブルー」を排気システム中に噴射することによって、水溶液が熱い排気ガスにより分解されてアンモニアとなり、それがNOxを無害な窒素と水に分解する。このシステムは、車両のライフサイクルの最後まで有効に機能し続ける。