2006/5/2 22:20
BMWとルノー、事故情報を交換 業界初、異なるブランドの車両間のコミュニケーションが実現
ミュンヘン発:
真夜中に、一人で田舎道を走っていると想像して下さい。民家を通り過ぎたのはだいぶ前です。カーブを曲がりきったところで、突然、車が道をふさいでいました。あなたはすぐにブレーキをかけて、かろうじて車を停めることができました。その車は鹿と接触していて、ドライバーは重傷を負っています。
そんな時でもあなたの車は、ボタンを押すだけで最も近い緊急対応センターにつながり、自動的に事故現場の正確な位置を送信してくれます。瞬時にかつ自動的に、事故現場に接近している車にも警告メッセージを送ります。メッセージを受け取ったドライバーは速度を落として事故現場を安全に回避することができ、停止して救助を行うこともできます。救急車の到着にも数分もかかりません。あなたの車からの情報は現地の交通管制センターにも通知され、事故が発生した道路や事故の情報がデジタルラジオ放送で流れます。
ミュンヘンでBMWの研究・技術開発部門とルノーの共同開発によるこの救援シナリオが、欧州委員会のメンバーに実演された。
欧州委員会の“情報社会とメディア”部門の副代表ユハニ・ヤースケライネン氏は、「BMWとルノーは、大きなマイルストンを成し遂げました。2つの異なるメーカー間で、車両間のコミュニケーションに基づいた交通安全の応用性を実演してくれました。EUの資金援助によって調和と標準化の進展が得られたというイニシアティブを我々は歓迎しています」と述べた。ヨーロッパで初めて、異なるメーカーの車両間のコミュニケーションが可能となり、このテクノロジーがヨーロッパ全体の調和に向けての重要な一歩を踏み出したとしている。
BMW Groupの研究・技術開発部門とルノーは、2004年からヨーロッパの研究プロジェクトGST(Global System for Telematics、テレマティックスのグローバルシステム)において共同開発に携わっている。EUとの共同出資であるGSTは、操作が共通のテレマティックスサービスに向けたオープン・アーキテクチャーを開発。その上で両社はトピックスとゴールに協力し、それ以外にも独立して上述のシナリオを展開するために両社それぞれの既存またはその他IPRにアクセスすることに同意した。