ホンダブースは「クルマ好きが集う場」をコンセプトに、2輪車・4輪車を展示。4輪車では、話題のN−VANカスタムカーをはじめ、モデューロXのコンセプトモデル、NSXのマイナーチェンジ版、新型インサイトやF1マシンなど様々なクルマがブースに華を添えた。
ホンダのクルマが本来持つ性能を引き上げ、より快適で楽しいクルマを目指して開発されているコンプリートカーブランド「モデューロX」からは、2019年1月末発売予定のヴェゼル ツーリングをベースにした「ヴェゼル ツーリング モデューロX コンセプトモデル2019」が登場。S660 モデューロXにも通じるファミリーフェイスのエアロパーツや専用サスペンションを備え、チューニングカーとは一味違う「メーカー製コンプリートカー」らしい品とスポーティさを併せ持つ。
このほかS660 モデューロXにはナビゲーションやスピーカーシステム等のディーラーオプションを装着したバージョン2019年モデルが、そして新たにハイブリッド版が設定されたステップワゴン モデューロXが持ち込まれていた。
モータースポーツ競技車両では、2018年シーズンを戦ったF1マシン、Red Bull Toro Rosso HondaのSTR13など、国内外で活躍する2輪・4輪マシンが並び、1936年に本田宗一郎氏がレースに参戦をして以来続く「モータースポーツへの情熱」を忘れないホンダの心意気を感じさせた。
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昨年7月に発売されて以来、各方面から注目を浴びる“全く新しい軽商用バン”、N-VAN。商用車としての使い道以外にも新しい遊び方や仕事の相棒として期待が高まっている。そんな中、ホンダは昨年2018年7~8月にかけて「あなただったらどんなふうにN-VANと働く?遊ぶ?仕事に、趣味に、N-VANをフル活用したアイデアをお寄せください。アイデアが採用された場合、N−VANあげます!」という「#NVAN_Dream 企画」をツイッターで募集した。
そして11月、「芸術・美術の屋台=ART STAND」というアイデアをツイートした、広島県のイラストレーター・ちひろさんの夢が見事に採用され、そのアイデアを実現化したN−VANがオートサロン2019のホンダブースで発表された。
仕事や育児で室内にいることが多いイラストレーターのママを外の世界に連れ出してくれる走るアトリエ…というコンセプトで作られた「夢のN−VAN」は、N−VANの特徴である左側前ドア/後ろドア間のピラーがないことを生かして室内にベビーベッドを備え、ほぼ90度に開く左側前ドアを上手に利用して画材なども置ける棚を設置。屋根上からオーニングを伸ばし、その下には似顔絵を描くこともできるテーブルを展開可能になっている。棚、テーブルともに折りたたみ式で車内に収納可能なため、これまで外で仕事をするときはキャリーバッグで出かけていたというちひろさんにとっては、まさに最高のART STANDに。
当選してから初めて実車を見て、想像以上に素敵な仕上がりになっていたことに感動したというちひろさんは、今後は似顔絵に限らず、ショップとコラボした商品などでアート活動を広げていきたいと嬉しそうに語っていた。
そしてN−VANのカスタムはもう一台、「N-VANチュートリアル福田カスタム仕様車 with FLEX」も展示されていた。
こちらは、前述の「#NVAN_Dream」の外伝として、バイクをこよなく愛するタレント・チュートリアルの福田充徳さんが理想のカスタムカーをプロデュースする企画から生まれたもの。「N-VAN +STYLE FUN」をベースとしてフロントウインドウ上に行燈を装備。ルーフキャリアにはエンタテインメント用大型スピーカーを搭載、フロアにアルミ製チェッカープレートを敷くことで効率的なバイク積載を可能とするなど、バイク用トランスポーターとしての機能を軸にしたカスタマイズが施されている。
ホンダ車専用のアフターパーツの製造販売、競技用の2輪・4輪の車両、エンジン、パーツなどの開発を行う無限は、ホンダに並んでブースを設置。「シビックタイプR」を中心とした展示を行った。
注目は昨年のオートサロンに出展され話題を呼んだ“究極のタイプR”、「MUGEN RC20GT TYPE R CONCEPT」を市販化に向けて走行性能・デザインを磨き上げた先行試作モデル「CIVIC TYPE R MUGEN RC20GT Package Pre Production MODEL」だ。
カーボン製のエアロキット、エアロボンネット、フロントリップスポイラー、サイドスポイラー、リアウイングといったパーツで空力性能を向上、車高調整式レーシングダンパーを備えたサスペンション、レーシングスペックのブレーキシステム、迫力のサウンドを奏でるチタンマフラー、超軽量鍛造1ピースアルミホイールなどによって走行性能が極限まで高められている。サーキット走行専用のモデルとなるが、ホンダのクルマを知り尽くしている無限だけに、市販化が待たれるところだ。
シビックタイプRはもう一台、「MUGEN CIVIC TYPE R Prototype」も置かれていた。
無限のレーシングスピリットと「MUGEN RC20GT」から生まれたノウハウが注ぎ込まれたプロトタイプモデルで、こちらは先のRC20GTよりは見た目がおとなしいものの、開発中の無限パーツが満載されているため、そのパフォーマンスには期待がかかる。無限といえばCR−Xのフルエアロなど独特の姿を思い出す人が多いかもしれない。「MUGEN CIVIC TYPE R Prototype」も白亜のボディと洗練された先鋭的デザインのエアロパーツを見て筆者もそれを思い出した。無限ここにあり。
また、無限ブース内にはサーキットのピット風ゾーンが設けられ、ツナギを着て優勝ドライバー気分になって記念撮影が行えるコーナーも大人気だった。
筆者もT編集長と一緒に、ドライバーとクルーとして無限チームに仲間入り。周りの人に「優勝おめでとう!」と(なぜか)盛大にお祝いしてもらえて、妙にテンションが上がった(笑)。
こういうノリって、イベントには大事!
[筆者:遠藤 イヅル/撮影:島村 栄二]
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2018/12/19