2006/2/14 17:03
三菱、竹の繊維を植物由来樹脂に組み合わせた自動車内装用樹脂材料を開発
三菱は、植物由来の原料から製造可能な樹脂であるポリブチレンサクシネート(PBS)に、竹の繊維を組み合わせた自動車内装部材を、愛知県産業技術研究所(愛知県刈谷市)の協力を得て開発した。同部材による内装部品は、2007年度に発売予定の新コンセプト軽自動車から採用する予定である。なお三菱は、このPBS+竹繊維をはじめ、同社独自の植物由来樹脂技術の総称を「グリーンプラスチック」と名付けて、環境に配慮した新材料の開発を推進、順次実用化を目指す。
地球温暖化や石油資源枯渇への対策、森林資源の保護を目的に、自動車の内装部品に使用されている石油由来樹脂や木材ハードボード等の代替品として、植物由来樹脂や、生長の早い植物の繊維といった、原理的に大気中の二酸化炭素(CO2)の量を増加させない循環型資源に着目。2004年から、愛知県産業技術研究所と協力して開発を進めてきた。
今回の主材料であるPBSは、コハク酸と1,4-ブタンジオールを主成分とする植物由来樹脂である。コハク酸は、サトウキビやトウモロコシなどの糖から発酵化学によって製造する予定である。
また同部材では、剛性を向上させるため、このPBSに竹の繊維を組み合わせた。数年で生育する竹は、より年数を必要とする通常の木材資源と比較して、持続的な供給が可能な資源といえる。また、生育地域は日本・中国・東南アジアなど広範囲に渡るため入手性に優れ、同時に、竹資源自体の有効利用にもつながる。