2017年9月、日産のEV(電気自動車)リーフがフルモデルチェンジする。電気自動車はまだ新しい分野の車だけに、これから購入を考えている人は疑問も多いと思う。ここで、電気自動車について気になることを、主に日産リーフの例をもとにQ&A形式でまとめてみた。改めて電気自動車について考えてみよう。
【A】電気自動車を自分のものとして日常的に使うには、200Vの充電設備を設置しておきたい。戸建て住宅には、家庭用としてコンセントから使う100V電源に加え、たいてい200V電源も来ているので、工事を行えば200V電源も充電器として使えるようになる。
200V電源の工事は、日産 リーフのカタログを見ると「なおしや又兵衛」という業者が載っており、基本的な工事費用は9万5000円+消費税。しかし、家電量販店ではないいわゆる街の電気屋さんに頼むと7万円程度でやってくれるケースも。電気自動車を購入する際は費用を比べながら、リーズナブルな方を選んでほしい。
【A】自宅の電気代の総額を見る人は多いにせよ、細かいところまで見る人は少ないと思うのでなかなか難しい問題だ。
電気料金は地域ごとに10社ある電力会社によって幅があるのだが、電費を計測する1kWhあたりの電気代は、通常の契約だとおおよそ30円だ。
日産 リーフの場合は1kWhで7km程度走れるので、通常の契約だと30円÷7km。1km走るのに4.3円かかることになる。
レギュラーガソリンを1リッター130円とすると、1リッターあたり25km走るトヨタ プリウスは5.2円。
軽油1リッターを110円とすると、リッター20km走るマツダデミオディーゼルは5.5円となり、リーフは家で充電すると普通の車より若干安い移動手段ということになる。
しかしリーフが出た当初、「電気自動車は、1kWhあたり10円程度で供給される深夜の余剰電力を使って家庭で充電することで、ローコストかつ電気(限られた資源)を有効に使える移動手段」と言われていた。
ところが電力会社のホームページを調べてみると、深夜電力の新規契約は2016年3月31日で打ち切りとなっており、これから電気自動車を買った人が「深夜電力で充電」ということは残念ながらできない。
幸い(?) 現在各電力会社では電気自動車ユーザー向けに、日中の電気料金が1kWhあたり通常契約の30円程度に対し割高な35円程度になる代わりに、夜間 (21時から9時、23時から7時など、電力会社によるバラつきは大きい) は1kWhあたり10円から16円となる家庭充電プランを用意している。これは、それまでの深夜電力に近い存在となる。
このプランなら、仮に夜間電力を1kWhあたり14円とすれば、1kWhで7km走れるリーフは1kmあたり2円で走る計算になるため、やはりリーフは大変経済的な移動手段といえる。
また電気料金は、ガソリンほど激しく変動しないという利点もあるため、ガソリン価格が上がるほど電気自動車の強みが発揮される。
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