トヨタとレクサスのブースでは、豊田章男社長の演説が印象的でした。
9月のフランクフルトショーでワールドプレミアを果たした新型レクサスGSの発表時には「自分でステアリングを握って何度も走行テストを行い、この走りの良さを早くお客様に届けたいと思いました」と、レクサスGSの乗り味の良さに嬉々として自信を示し、さらに「私はガソリンエンジンの匂いや音が大好きなので、いつまでもなくしたくはないのです」と、自らも古典的なクルマ好きのひとりとして、情緒的な部分も大事にしていきたいという思いを語られるなど、いちユーザーに近い感情を持たれていることがわかり、聴いていて純粋に嬉しく思いました。
また、東日本大震災やタイの洪水の影響について言及されたときは、「我々は東北やタイから退くことは決してありません! 現場力、人材力、技術力を原動力として、今後もモノづくりを通じて地域の人たちとの絆を深めていきたい」と語られたのですが、豊田章男社長の心からの叫びとして、胸に突き刺さるものを感じてやまみませんでした。
最後は「本当のドラえもんは、モノづくりの現場にいる!」と語られ、今回の出展メーカー代表者の挨拶の中でもっとも印象深い演説だったと、心に染みたのであります。
そんなトヨタの出展車の中では、2012年春に発売予定の小型FRスポーツ「86」のプロトタイプが最大の注目株。
富士スピードウェイを駆け抜ける映像と共に「風」による演出が仕掛けられなから文字通りベールを脱いだ瞬間は、多くのクルマ好きが待ち望んだ希望の星の誕生を祝う気持ちで胸がいっぱいになりました。
「実物のほうがカッコイイ」という旨の感想を思わずこぼしたメディア関係者は一人や二人ではありません。
スバル版「BRZ」との外観上の違いはLEDライトの見せ方などわずかですが、サスペンションの設定は異なり、BRZのほうがややハードな味付けになっているようです。
そして、2011年12月26日に発売する燃費が40km/リットルの大台に突入した新型ハイブリッドカーの「アクア」や、2012年1月30日に発売予定の「プリウスプラグインハイブリッド」らの詳細も一部公開され、依然としてエコカー市場では抜きん出た存在感を強くアピールしました。
コンセプトカーでは、スマートフォンのアプリをダウンロードするような感覚で内外装の表示を変えられる「Fun-Vii」、近距離移動用として割り切った性能で低価格化を実現した「FT-EV」、そしてiQベースの比較的廉価な燃料電池車の「FCV-R」などを発表。未来のモビリティ社会をリードする新たな提案を打ち出しています。
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