トヨタ LQはAI・自動運転時代の“愛車”になる【東京モーターショー2019】

  • 筆者: 遠藤 イヅル
  • カメラマン:茂呂 幸正・トヨタ自動車
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自動運転や人工知能など、クルマを取り巻く次世代の技術が急速に進歩を遂げる中、トヨタはこうした「人に寄り添うテクノロジー」の数々を盛り込んだコンセプトカー「LQ」を第46回東京モーターショー2019 FUTURE EXPOに出展する。テーマは“Learn,Grow,Love”。AIエージェント“YUI”を搭載するなど、近未来のクルマの在り方や付き合い方を積極的に提案するモデルだ。トヨタがLQに込めた想いを、自動車ライターの遠藤 イヅル氏が解説する。

目次[開く][閉じる]
  1. 「新しい時代の愛車」を追求してきたトヨタ
  2. 「LQ」の「L」は、LOVEのL
  3. AIエージェント「YUI」が場の空気を読んでくれる!?
  4. 「コンセプトカーと“現実的なクルマ”の間(はざま)を狙う
  5. ニッコリ微笑んでくれるクルマ!?
  6. 2020年には公道試乗でYUIと会える!?

「新しい時代の愛車」を追求してきたトヨタ

クルマは機械でありながらも、家族やパートナーのようにオーナーに愛される工業製品という特徴がある。そして、それぞれの時代で「移動の自由・喜び」などかけがえのない感動を提供してきた。そしてクルマとは、行けないところに行ける、会えない人に会える、など経験・体験の拡張をもたらすものとして「愛車」と呼ばれ大切に使われた。

しかしクルマがあって当たり前の時代になり、愛車という言葉はあまり使われていなくなったように思う。そこでトヨタは、テクノロジーを用いて人々の体験を再び拡張できれば、「新しい時代の愛車」を作ることができると考えた。その答えのひとつが、2017年に登場したコンセプトカー「Concept-愛i」だった。

>>人工知能や自動運転…技術の粋を集めたコンセプトカー「LQ」[フォトギャラリー]

「LQ」の「L」は、LOVEのL

東京モーターショー2019・MEGA WEB会場で開催の「FUTURE EXPO」に出展される「LQ」は、そのConcept-愛iを現実的な存在に引き上げ、公道走行も可能としたコンセプトカーだ。トヨタはモビリティカンパニーとして、あらゆる人に移動の自由を提供することを目指している。移動には物理的な移動だけでなく、心の移動(感動)も含まれており、「移動そのものが感動をもたらすものであってほしい」「クルマは“愛”がつく工業製品であり続けてほしい」と考えているという。

そこでLQの開発では、“Learn,Grow,Love”をテーマに、ユーザーひとりひとりの嗜好や状態に合わせた「移動体験の提供」を通じ、時間とともに愛着を感じられるモビリティを目指した。

Concept-愛iに搭載されていた、Toyota Reserch Instituteが開発したAIエージェント「YUI」はLQにも引き継がれている。“彼女”は人を知り、共に育ち、時とともにパートナーのような存在になることで、ユーザーごとのニーズに合わせた“特別な移動体験”を提供する。

車名LQの「L」は、まさに「愛(Love)」のLを示す。トヨタにはすでに「iQ」「eQ(2012年発表のEV)」が存在するため、豊田章男社長は車名について「これからの時代に必要なのは“愛”。すなわちLQだ」と語ったという。

AIエージェント「YUI」が場の空気を読んでくれる!?

クルマを知り尽くしたトヨタだからこそできる機能を有している「YUI」は、乗員の状態を読み取り、会話の中から「何が好みか」を類推する。これが他社とのAIエージェントとの違いだ。

例えば、YUIがユーザーの眠くなる頃を予測すると、ユーザーが好む話題で話しかけて次のサービスエリアまで会話を続けてくれるとのこと。このほか覚醒・リラックス誘導機能付きシート、音楽、車内イルミネーション、空調、フレグランスなどの各種HMI(Human Machine Interface)を用いて働きかけ、安全・安心・快適な移動に貢献する。

「コンセプトカーと“現実的なクルマ”の間(はざま)を狙う

LQが画期的なのは、コンセプトカーでありながら、「量産車」として少量が生産され、公道走行を可能としていることである。そのため、ドアミラーも設けられ、灯火類も保安基準に準拠している。ディティールには未来のクルマを感じさせる要素がいくつもあるが、車内はしっかり4人乗車が可能で、実際に東京2020オリンピック・パラリンピックでは聖火リレーやマラソンの先導車にも使用されるため、実用性もしっかり備えている。スペック的にもボディサイズが全長4,530×全幅1,840×全高1,480mm、ホイールベースは2,700mm、車両重量1,680kgとなっており、幅が少し広い以外は、現行型プリウスに近い現実的な寸法だ。なお、少量生産車は得てして高額になってしまうが、少量生産に向いた製造方法にもチャレンジしているとのことだ。

ニッコリ微笑んでくれるクルマ!?

フロントには、左右のスリット状ディティールに配置されたヘッドライトの他に、笑ったりまばたきをしたり、目をつぶっているような表情を作ることができるイルミネーションを装備。このイルミネーションの動きを実際に見てみると、たしかにとてもかわいらしく見えて、まるでペットのような愛着が湧いた。日本人は機械を擬人化したり名前をつけて愛する傾向があるので、表情豊かなクルマは受け入れやすいと感じた。

コンセプトカーといえば「未来像を示すために出したけど、実際には走らないし、その形では出てこないよね」という印象があると思う。コンセプトカー(先行車)開発チームは限定された条件がクリアすればOKだが、量産車開発チームは100万台に1台の不具合でも許されない。この意識の差が、最新技術を製品化できなかった理由だとトヨタは考えた。そこで、「公道を走るけれど売らない」という中間的なクルマを開発することで、新しい技術をより早いタイミングで市場で見てもらえるだけでなく、得た反響や意見を市販車開発にフィードバックできるようにしたいという。

2020年には公道試乗でYUIと会える!?

無人バレーパーキングシステム、AR(Augmented Reality )表示が可能なHUD(Head Up Display)によってHUDの情報エリアを拡大した「AR-HUD」や、SAEレベル4相当の自動運転機能を搭載するLQは、前述の通り東京2020オリンピック・パラリンピックで活用されるほか、2020年6月から9月にかけてMEGAWEBや東京のお台場・豊洲周辺の公道で実施予定の「トヨタYUIプロジェクト2020」に使用される。事前に公開されるスマートフォンアプリから趣味や嗜好をYUIに教えておけば、試乗の際に、ひとりひとりに最適化された「YUI」が搭載されたLQに試乗できる。

トヨタが提唱する新しい愛車のカタチを確かめられるのが今から待ち遠しい。

[筆者:遠藤 イヅル/撮影:茂呂 幸正・トヨタ自動車]

TOYOTA LQ[コンセプトカー] 主要スペック

車種名

TOYOTA LQ

全長×全幅×全高

4,530mm×1,840mm×1,480mm

ホイールベース

2,700mm

車両重量

1,680kg

乗車定員

4名

パワートレイン

EV(電気自動車)

航続距離

300km程度

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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