北ホールに展示されていたホワイトパールのS14型シルビア。年式から考えればかなり程度がよく見えるものの、外観を見る限り特にスペシャルなチューニングが施されているようには見えない個体だ。
しかし近づいてエンジンルームを覗き込んで驚いた。アラフォー世代以上なら馴染みのあるヘッドカバーはそう、あの名機L28型エンジンが搭載されているではないか。元々は直列4気筒のSR20型エンジンが搭載されているシルビアだが、バルクヘッドへの加工もなく6気筒のL型エンジンが搭載されていたのだ。
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この車両を制作した谷島自動車さんによると、この車両はNAエンジンを搭載したQ’sのAT車がベースとなっており、搭載されるエンジンはL28改3.1リッター仕様で、最高出力は320馬力ほど。ターボ仕様のライトチューンと同等の出力となっているが、大排気量なだけに踏めばどこからでも加速する分厚いトルクが魅力だそうだ。フロント周りの重量増もQ’sと比べても20kg程度とのことで、ハンドリングへの影響はほとんどないとのこと。
最近ではシルビアのターボモデルの価格は上昇の一途を辿っており、程度のよい個体を見つけるのは日に日に難しくなってきているが、この仕様であれば程度の良いNA、ATのボディを使用し公認車検まで取得して総額300万円(車両込・エンジンはL28ノーマル)というからコストパフォーマンスはかなり高いと言える。もちろん、エアコン・パワステは標準装着となっている。
さらにここからデモカーのように3.1リッター仕様にするもよし、インジェクション仕様にするもよし、悪魔のZばりのターボ仕様にするのもノウハウの蓄積されたL型エンジンならでは。新たなシルビアチューンの定番となる可能性も秘めていると思える1台だった。
[筆者:小鮒 康一/撮影:茂呂 幸正]
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2018/12/19