全長18メートルの路線バス!? いすゞブースへオトナもコドモもまっしぐら【東京モーターショー2019】

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新設された東京ビッグサイト青海会場に入ると、最初に視線が向かうブースのひとつがいすゞ。滑らかな曲線を持ち、トラックの概念を破るデザインをまとうショーモデル「FL-IR」、手前には国内初のハイブリッド連節バス「エルガデュオ」、運転台から荷台に移動できるウォークスルー構造を取り入れた「エルフEVウォークスルーバン」などを一堂に展示。はたらくクルマ好きならずとも飛びつきたくなる楽しい商用車の数々に出逢える貴重な場となっている。なお、FLIRとエルフEVウォークスルーバンは、東京モーターショー2019がワールドプレミアとなる。
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  1. デザインだけでなくインフラまで考え抜かれたショーモデル「FLIR」
  2. 全長18m!迫力の国産ハイブリッド連節バス「エルガデュオ」
  3. 一見普通、でもさりげなく画期的!「エルフEVウォークスルーバン」

デザインだけでなくインフラまで考え抜かれたショーモデル「FLIR」

「安心・安全で生き生きとした長距離ドライバーの新しい働き方」をコンセプトとしたショーモデルFL-IRは、長距離ドライバーの仕事って素敵で素晴らしい、と感じさせるような洗練された未来的な姿を持つ。この特徴的なエクステリアデザインは、「サメ」をモチーフに効率的なロボットのイメージを付与。これは、FL-IRのコネクテッドや隊列走行機能が、魚類に見られる超音波による会話や行動習性に似ていることによる。

乗降の際は、ボディサイドの白い部位がスライドしてステップが出現し、キャビン後部にあるドアが開閉することを想定している。運転席はセンターレイアウト構造を採り、快適な操作性と居住性を持っているという。

>>♪走れ走れ~いすゞのトラック~ ステキなコンパニオンが出迎えるいすゞブース[フォトギャラリー]

未来の物流方法まで創造するFL-IR

FL-IRの特徴は外観だけではない。いすゞではFL-IRを新しい物流を創造するトラックとして、運用方法まで検討している。たとえば藤沢界隈に住むドライバーは、早起きすることもなく子供と朝食を食べ出勤。FL-IRに隊列走行をさせ、中継ステーションの浜松まで運転する。彼が乗ってきたFL-IRにはさらに西に向かうドライバーが交代して乗車する。

長距離便だとドライバーがそのまま長時間運転をしいられるが、FL-IRのある世界では、ドライバーは中継地点まで乗るだけでよい。帰りの便は西から中継地点に到着したFL-IRのドライバーと交代する。これなら、夕飯を家族で食べられる時間に帰宅できるのだ。FL-IRは「FUTURE LOGISTICS INTELLIGENT RELAY」の略だが、車名にはまさにこの運用の意味が持たされている。

全長18m!迫力の国産ハイブリッド連節バス「エルガデュオ」

いすゞと日野が共同開発

トラック業界の人手不足が叫ばれて久しいが、バスのドライバー不足も問題になっている。そのため1台で1.5倍ほどの乗客を一度に運ぶことができる連節バスは、諸問題解決の一つの切り札としていろいろな都市で導入が進み、効率的な大量輸送を実現。次世代都市交通システム(ART)として注目を集めている。

しかし国産主要トラック・バスメーカーは製造をしていないため、海外製の連節バスが活躍しているのが現状だった。そこで、いすゞと日野が国産初のハイブリッド連節バス「エルガデュオ」を共同開発、2019年5月から発売している。

定員120名! 安全システムも万全

東京モーターショー2019会場の広い空間でも全長18mという大きさは圧巻だ。ポイントは、最小回転半径は9.7mで、通常の路線バス(エルガ、ホイールベース6m仕様)の9.3mと大きく変わらないこと。意外と小回りが利く。定員は120名で、エルガ(約80〜90名)と比べて、輸送力の大きさがわかる。エンジンは日野製の直6「A09C-G1100」型で、最高出力は265kW(360PS)、トランスミッションは7速AMTだ。

また、最新のバスらしく、エルガデュオには路線バスでは世界初搭載の「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」、自動でバス停へ誘導する「プラットホーム正着制御」、「協調型車間距離維持支援システム(CACC)」、車外の移動物を検知する「視覚支援システム」等、最先端の技術が投入されている。

国産連節バスの登場で、今後は連節バスの普及が一層進むかもしれない。

一見普通、でもさりげなく画期的!「エルフEVウォークスルーバン」

そうか、エンジン積んでないから成立するのか!

個人的に面白いなと思ったのが、ギガの脇に置いてあった「エルフEVウォークスルーバン」だ。古い商用車ファンなら、トヨタ クイックデリバリーの対抗馬として開発された「ハイパック」「エルフUT」「ビギン」など「エルフベースのウォークスルーバン」を思い出すかもしれない。

しかし今回参考出品されたこのエルフは、バックミラーが電子ミラー化してあるなどショーモデル的な演出が施してある以外は、通常のエルフ+パネルバンという姿をしている。

エルフのキャビンでは到底ウォークスルーはできないはず……と思って車内を見ると、シートの下に陣取るエンジンが消えており、キャビンと荷室が直結することでウォークスルーを実現していたのだった。シートも回転式のため、立ち上がって後部に移る時もラクそうだ。

これを可能としたのは、まさしくエンジンが不要なEVゆえ。

例えば宅急便の集配車代表はトヨタ ウォークスルーバンだが、2016年に生産を終えているためもあって、最近は2tクラスのトラックへの置き換えが進んでいる。だがこのタイプだと集配作業の際に毎度トラックから乗り降りしないとならず、1日あたりの回数を考えると、なかなかの重労働だ。「この手があったのか」と思わせたエルフEVウォークスルーバンが発売されたら、瞬く間に宅配に使うクルマの主流になっていくのかもしれない。

[筆者:遠藤 イヅル/撮影:古閑 章郎]

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。 [遠藤イヅルFacebookページ] http://www.facebook.com/endoizuru記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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