贅沢な時が過ごせる車中泊仕様のハイエース。 乗り心地と機能を大きく高めた「C`sNEX MASTERS LINE」/ADDSET【Vol.6】
ADDSETの最高峰シリーズから登場した「C`sNEX MASTERS LINE」をご紹介
トヨタ ハイエースなどのワンボックスカーをベースにしたキャンピングカーのバンコンバージョン(バンコン)。アウトドアブームにあわせ、全国のキャンピングカービルダーから、さまざまなモデルが続々とリリースされています。
そんな中、自由な発想をもとに、他社とは違った価値観のキャンピングカーや車中泊仕様の車両を提供し、ユーザーから支持を得ているブランドがあります。それが今回ご紹介するアルフレックスの「ADDSET(アドセット)」ブランドです。
当記事では、そんなADDSETブランドのポリシーや、同ブランドの最高峰シリーズ「MASTERS LINE(マスターズライン)」にラインアップされる「C`sNEX MASTERS LINE(シーズネクス マスターズライン)」をご紹介します。
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機動性を重視したボディサイズで、多目的に使える“キャンピングカーのようなクルマ”を目指した
キャンピングカービルダーの多くが、バンコンを製作する際にスーパーロングボディを選びます。それはハイエースの中では室内が最も広く、装備をたくさん載せられるためです。
しかしADDSETブランドでは、スーパーロングよりもサイズの小さいナローボディやワイドミドルルーフボディのS-GL/5ドアをベースとしています。
その理由は、普段使いのしやすさを重視しているから。高さ制限のある地下駐車場や狭小地でも困らないナローボディやワイドミドルルーフボディが最適という考えによるものです。
MPV(マルチ・パーパス・ビークル)に乗ってユーザーには新しい価値観を切り開いてほしい
「“キャンピングカー”の開発はしているつもりはありません」と語るのは、アルフレックスの竹山代表。
「ADDSETブランドで送り出している車両は、一般的にはキャンピングカーの部類に入るかもしれません。しかし社内では“キャンピングカーのようなクルマ”と捉えています。いわゆる多目的車を意味するMPV(マルチ・パーパス・ビークル)です。ユーザーがクルマを所有して乗る中でライフスタイルが変わり、新しい価値観を切り開いていける、そんなテーマで開発しています」と竹山代表。
“基地”としてのクルマをつくり、内外装のビジュアルも含めてトータルコーディネート
アルフレックスを立ち上げる前の会社員時代、週末に遊びへ出かける際には、車中泊も楽しんでいたという竹山代表。
「寝転がるだけでもいいし、自分が帰る場所=“基地”のような感覚です。クルマの中での時間を過ごしていくうちに、だんだんあったらいいものが出てきました。たとえば、冷蔵庫があれば便利だし、もう少し広いベッドが欲しい、照明を換えたら個性がでるな、などと遊び感覚でイジり出したら、どんどん楽しくなっていきました」
その経験の中で生まれた『自分が楽しいものは絶対みんなも楽しいはず!』という想いから、竹山代表はアルフレックスを創業。
同社では“基地”としてのクルマを提案しながら、さらに内外装のビジュアルも含めてトータルコーディネートも行っているとのこと。
「クルマで必ずしも寝る必要はなく、横になれて食住ができればどこでもなんとか基地が成立します。しかし、所有感を満たすためには、居住スペースだけを作り込むのではなく、クルマとしてのビジュアルや機動性も大事だと考えます。そのためにコックピットを含めたインテリアから、ホイールといった外装までトータルでクルマを提案しています」と、竹山代表。
明確なコンセプトのうえで、緻密に積み上げたディテールが織りなすダイナミックなパッケージは、所有して乗るほどに開発者の想いが伝わってきます。アルフレックスのクルマを乗り継ぎたいというオーナーが多いのも頷けます。
新シリーズ「MASTERS LINE」、ベースモデルの「C`sNEX」とは?
そんなアルフレックスのADDSETブランドから、最高峰シリーズとなる「MASTERS LINE」が新たに誕生しました。
「MASTERS LINE」は最新の技術と巧みの技、そしてデザイナーと職人の強いこだわりを融合したもので、現時点におけるアルフレックスの頂点をカタチにしています。
そのシリーズ第1弾として登場したのが、2014年に登場した「C`sNEX」をベースとしたモデル「C`sNEX MASTERS LINE」。
まずは、「C`sNEX」と「C`sNEX MASTERS LINE」の違いを説明するために、スタンダードな「C`sNEX」の2022年モデルからご紹介しましょう。
「C`sNEX」は自分で考えてレイアウトする次世代のキャンピングカー
「C`sNEX」のコンセプトは、次世代のキャンピングカー。設備をすべて用意したキャンピングカーではなく、自分で考えてレイアウトする新しいカタチのキャンピングカーです。
クルマを購入する際、ライフスタイルと照らし合わせ、使い勝手に合ったものを買いますが、本当に自分に合っているのかは、実際に使ってみないと分かりません。
ましてやミニバンからの乗り換えでワンボックスカーを初めて購入する場合、どのスタイルが自分の使い勝手に合っているかを見極めるのは難しいはず。
そこで“オーナーにクルマを合わせる”というコンセプトを設定し、アルフレックスが開発したのが「C`sNEX」です。
ミニバンからのステップアップとして普段使いから車中泊までをフルカバー
「キャンピングカーを購入される方の中には、『冷蔵庫や調理用のコンロなどは必要ないのでは?』と考える方もいます。そこでC`sNEXは、ミニバンに乗っていた方がワンボックスカーへとステップアップする際に選んでいただけることをテーマに開発しました」と竹山代表。
まず人を乗せるパーソナルワゴンとして、前向き3列シートを用意。そのうえで12リッタータンクの給排水があるミニギャレーを標準装備。また、床下にポータブル式トイレを収納できるスペースをオプション設定しています。
室内レイアウトが自由に変更できることで、通常の前向き3列シートと2段式のフラットベッドを両立させることができ、普段乗りから車中泊までをフルカバーしています。
今でこそ「前向き3列シートからベッドにアレンジできるパッケージ」を多くのキャンピングカービルダーが用意していますが、その先駆けとなったのが「C`sNEX」です。
これまでマットを使った3列シートこそありましたが、本格的なリクライニングシートを2列と3列目に取り込み、ロングスライドレールで前後に席を移動させるというスタイルは、他にはない新しいスタイルでした。
ディテールを積み重ねた末に進化してきたC`sNEX
注目は2列目シート。1400mm幅のREVOシートを装着していますが、アルフレックスによってカスタムされています。
「ウレタンの成型については、形だけにこだわるだけではなくて、座り心地も重視しています。実際に座りながら何度も検証をして、様々な体格の方がゆったりと座れる形状となるように作りました。クッション性を決めるウレタンも、硬さや種類の異なる3層で構成されています」と竹山代表。
また、シートを倒してフルフラットにした際に車体に干渉しないよう、車体形状に合わせてシートのヘッドレスト部分の形状を調整。クッションの硬さや形状を独自に仕上げることで、座り心地と機能性を大きく高めています。
「すべてにおいて理由のあるパッケージングになっています。視覚効果を考えたデザインやパーツの内寸など、見た目だけでは分からない部分も追究しています。ADDSETブランドでは一番のロングセラーモデルですが、今でも少しずつ仕様変更を続けています」と竹山代表。
続いて、その積み重ねの末に進化し続けてきた「C`sNEX」をベースに仕上げた最高峰モデル『C`sNEX MASTERS LINE』をじっくりチェックしていきましょう。
上質な素材を用いることで所有欲を刺激する「C`sNEX MASTERS LINE」
「C`sNEX MASTERS LINE」は、C`sNEXの機能性はそのままに、エレガントで高級なパーソナルワゴンとして再設計が施されています。フロントシートから2列/3列目シート、エンジンフード、デッキマットにいたるまで、しっとりとした手触りの専用レザー(写真はスカンジナビアグレー)でコーディネイト。
キャビネットには、明るい木目にブルーグレーの天板、そして磨くほどに輝きが増すステンレスを組み合わせることで上質感を演出。マテリアルの美しさが際立つインテリアは、すべてが計算されています。
ミニギャレー部分を含め、キャビネットの天板は24mmという厚みのある材を使用。見た目のバランスだけでなく、ベッドの一部とすることを想定した上での厚みです。
70mmもある厚手のマットは正六角形を隙間なく並べたハニカム構造の芯材を入れたもので、子供がマットの上で跳びはねても、クッションが潰れたり外れたりしないような強い構造となっています。
上質感はキャビネットの蓋からも感じられます。ダンパーを備えることで蓋がゆっくりと音を立てずに締まっていく動きが、上質感とともに所有欲をたまらなく刺激してくれるでしょう。
ゆがみの出にくい板で仕立てた薄型サイドキャビネット
「なかなか気が付かれない部分ですが、歪みのない家具にこだわりました」と竹山代表。
長さのある家具は板の表面が波打ちやすいですが、「C`sNEX MASTERS LINE」のキャビネットでは種類の異なる木材を複層とした集成材や合板、化粧材を組み合わせて4層とすることで、歪みのでにくい家具に仕立ているとのこと。
キャビネットの出幅をタイヤハウスの奥行と同じに調整したところもポイント。
荷室からボコッと出ているタイヤハウスを隠すように家具を設置すると大きな出幅になります。しかし「C`sNEX MASTERS LINE」のキャビネットは、タイヤハウスと内張の関係に細工を行い、出幅が調整されています。
「数ミリ数センチ差ですが、それだけでも視覚に与える印象は全然違い、室内が広々と見えます」と竹山代表。
ハイエース乗り心地を高める上質な足回りまでパッケージング!
ADDSET最上級の「MASTERS LINE」シリーズでは、ハイエースの乗り心地を高める足回りにもこだわっています。
車体揺れの原因となるロール抑制するため、リアにはスタビラザーを新設。フロントには架装による重量増に対応するため、スタビライザーを強化型に変更。路面の凹凸によって生じる前後振動(ピッチング)が起こりやすいノーマルリーフスプリングを、揺れを抑えるコンフォート性の高いものに変更。
そして、乗り心地を重視したKYB製の14段階減衰力調整ダイアル付きショックアブソーバーも前後に装備。ハイエースならではの突き上げや揺れを抑えたコンフォートな乗り心地を実現する、フルスペックな足回りを標準装備しています。
ロングセラーモデル「C`sNEX」をさらに進化させた「C`sNEX MASTERS LINE」を一度ご覧あれ!
アルフレックスのロングセラーモデル、「C`sNEX」をベースに、さらなる上質へとブラッシュアップした「C`sNEX MASTERS LINE」。
前向き3列シートとロングスライドレールによる変幻自在なアレンジを可能とするレイアウトの自由さは、ミニバンからワンボックスカーへと乗り換えを考えるユーザーも満足できるモデルであり、所有欲も高まるはず。
仕様変更を続け、進化し続けた「C`sNEX」の最上位モデルの「C`sNEX MASTERS LINE」。ぜひその目で確かめていただきたい1台です。
>>C`sNEX MASTERS LINEの詳細はこちら(オフィシャルサイト)
C`sNEX MASTERS LINE スペック | |
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ベース車両 | ハイエース スーパーGLダークプライム |
全長×全幅×全高 | 標準ボディ:4695mm×1695mm×1980mm |
駆動方式 | 2WD/4WD(AT) |
乗車定員 | 4名 |
就寝定員 | 2~3名 |
価格(消費税込み) | 594万9,000円~ |
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- 筆者 岡本 晃
- 元自動車雑誌編集者/編集長。現在は「オフィス・アヘッド」という屋号で、ライター/編集者として活躍している。自動車雑誌、カスタム系雑誌への寄稿が多く、関西エリアを拠点に活動中。ジャンルを問わず、面白いモノ・コトを掘り起こして執筆することに力を注いでいる。
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Brand Info - ADDSET(アドセット)
ADDSET(アドセット)とは?
ADDSETはアルフレックスが手掛けるバンコンバージョンのブランド。開発から設計、製造までをアルフレックスで一貫して行っているので、使い勝手やクオリティ、デザイン性が高く、多くのユーザーから支持されています。「CEEBUS(シーバス)」や「C'sNEX (シーズネクス)」といったハイエースベースのキャンピングカーが代表作。
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