
「災害に備えてクルマをリノベーション」7th E-lifeが提案するハイエースの『リノシェル』とは?/クラフトプラス Vol.9
クルマのインテリアをお洒落に彩りたい、もっとカーライフをカジュアルに楽しみたい、そんなユーザーに向け、シートカバーやベッドキットなどのインテリアパーツを提供するクラフトプラスのプロダクト「7th E-life」。
その「7th E-life」が特に力を入れるのは、ストレスの溜まる災害時の避難生活を少しでも落ち着いた空間で過ごせるようにと、クルマをシェルターとしてリノベーションする『リノシェル』だ。当記事では、「7th E-life」が提案する『リノシェル』の構想や、どんな仕様のクルマなのかをご紹介する。
災害時の避難生活でも、落ち着ける車内空間を作る『リノシェル』
東日本大震災をはじめとする災害時に、避難場所で落ち着くことができなかった、居場所を見つけられずに車中泊をする生活が続いたという被災者も多かった。そんな中で、いざという時に少しでも落ち着ける空間が作れないかと考え、生まれたのが『リノシェル』という構想だった。
『リノシェル』とは、身近にあるクルマを自分仕様にカスタムする“リノベーション”と、災害の避難場所として使用できたり、日々のストレスから逃れられるプライベート空間となる“シェルター”の、2つの要素を組み合わせた造語だ。
ただし、防災面だけに振り切った装備満載のシェルターではなく、キャンプ用品や必要最低限の非常食などを収納しつつ、就寝スペース確保したというくらいのライトな仕様だ。
お気に入りのシートカバーやベッドキットなどをクルマに組み込み、普段からどんどん使いたくなる車内空間づくりを最優先としながら、災害時などでシェルターとして使うシーンが来ても“普段通りに”落ち着ける居場所をつくる。
このように、日常シーンにも潤いを与え、キャンプなどの非日常シーンでも楽しく過ごせるクルマでありながら、いざという災害時にも役立つシェルター機能を兼ね備えた車内空間を、リノベーションによって実現しようという考え方が『リノシェル』だ。
今回はトヨタ ハイエースの『リノシェル』仕様を紹介するが、荷物を積み込むための商用バンとしてハイエースをイメージしていた人にとっては、きっと驚きの室内空間が広がっているはずだ。
ハイエースを『リノシェル』仕様につくりあげる「LDGカーゴキット」
『リノシェル』をハイエースで実現する上で軸となるのが、ベッドキット、キャビネット、カーゴパネルの3点がセットとなった7th E-lifeの「LDGカーゴキット」だ。
レイアウト次第でリアスペースを多様な空間に! ベンチタイプのセンターマット
「LDGカーゴキット」の特徴は、リアスペースを就寝・キッチン・リビングなど、何通りもの空間とすることができるように細やかな配慮が施されていることだ。
ベッド中央のベッドマットは4枚で構成。しかも車外でベンチシートとしても使える2WAY設計。かさばる椅子をわざわざ積み込む必要もない。スペースを取りがちな折り畳み椅子などの荷物を減らしつつ、車外にもサッと持ち出せるベンチにもなるセンターマットを備えているのだ。
広々としたテーブルにもなり、食料もたっぷり収納できる大容量キャビネット
非常食や調味料などの小物を収納できる大容量のキャビネットは、キャビネットの扉を天板の高さまで持ち上げることで広々としたテーブルにもなる。
目隠し&収納・装飾スペースをつくるウインドウパネルも組み合わせれば快適性アップ
ウインドウパネルも車外からの視線をシャットアウトしてくれる目隠しとしての効果も発揮するため、室内空間を落ち着いた空間とするためにはぜひとも装着したいアイテムだ。こちらは有孔ボードなので、趣味のグッズも掛けられる見せる収納を兼ね備える。
リアの左右ドアやリアゲートなど5面をカバーすることができるので、車中泊などの際にもプライベート空間の確保が可能だ。しかも、吸盤で装着しているだけなので簡単に純正復帰が可能なのも嬉しい。
木工職人により丁寧にハンドクラフトされるジャパンメイドの逸品
厚手の針葉樹合板を使用したキャビネットや、天然木のオーク材を組み合わせたヘリンボーン柄のフロアなどは、家具製造の本場である岐阜の木工職人たちが手塩に掛けて仕上げるメイドインジャパンの逸品だ。
クラフトプラスの展開するプロダクト「7th E-Life!」は、クラフトプラスのモノ作りへのこだわり同様に、車体には穴を開けたりなどの加工をしないという大前提がある。いつでも純正の姿に復帰できるというのは、クルマを大切にするオーナーにとって嬉しい配慮だろう。
どんなロケーションでも海や山を感じさせてくれるヒッコリー柄のデニム生地のシートカバー、無垢材をふんだんに使用した家具に囲まれることで、豊かなライフスタイルを楽しむことができる。また非常時でも、普段同様の落ち着きを取り戻せるはずだ。
ハイエースに「LDGカーゴキット」を装備した『リノシェル』仕様は、どんな場所にでも自由に移動でき、デイキャンプや何日もかけたアクティブな旅にだって出られる機能性を持つ。
シンクやコンロなどを装備した本格的キャピングカーまではいらないけど、快適な車中泊はしたいという人にはピッタリだろう。
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『リノシェル』仕様のクルマで、震災にもゆるく備えてみては?
今回、『リノシェル』仕様のハイエースで実際にキャンプをしてみた。本格的なキャンピングカーのようなシンクやダイニングはないものの、調理や快適な就寝ができ、リモートワークも可能だった。
どこにでも移動が可能で、いつでも好きな時に寝られるという、時間に追われない自由な生活を満喫できる。そんな移動型の秘密基地としてとても魅力的だ。
同時に『リノシェル』仕様ならば、非常時にはシェルターとして利用できることも実感。
日本に住む我々が直面する震災への危機は、「いつか来る」から「もう来る」へと変わってきている。それならば、災害時にも使える『リノシェル』仕様のクルマで、日々の暮らしを楽しみながら震災にも、堅苦しく構えずに備えてみるのはいかがだろうか。
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- 筆者 木村隆之
- 自動車カスタム誌編集長を経てフリーランスへ。多くのドレスアップカーやカスタムシーン、アフターパーツを取材し、ウェブ・雑誌媒体に寄稿。アウトドアやキャンプ好きで、自ら改造した軽バンでキャンプに出掛けることも。
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Brand Info - クラフトプラス/7th E-Life
CRAFTPLUS(クラフトプラス)は、1999年9月に立ち上げた有限会社ビーンズが運営するハイエースのインテリアパーツを設計・製造しているブランドだ。同ブランドの特徴は、他では見る事のできないハイセンスなデザインと機能性の高いインテリアパーツをハンドメイドで製造していることにある。クラフトプラスが製造するベッドキット・コンソールボックス・アームレスト等の各種インテリアパーツは、オシャレに敏感なユーザーからも高い評価を得ており、年々ファンを増やし続けてている。そんなクラフトプラスが提案するライフスタイルプロジェクトが“7th E-Life”だ。