自動車整備士などを目指す人材が通う日本自動車大学校(NATS)は、東京オートサロンでは常連の出展者で、隠れたファンも多く実は注目の存在だ。
というのも、NATSの学生が毎年持ち込むカスタムカーの仕上がりとアイデアがとても優れているからなのだ。
そして彼らは今年も度肝を抜くカスタムカーを作って来てくれたので、3回に分けて紹介しよう。
まず、ブースの角で目立っていたのが「AMG J-class」。
どこからどう見てもAMGのアノクルマ・・・そう、メルセデス ベンツGクラスをAMGが6輪車にしてしまったという「G63 AMG 6×6」だ。
「G63 AMG 6×6」は日本では限定5台、価格は実に8千万円という超ド級のオフローダーで、本来は山のように大きなクルマのはずだが、ブースに近づいても一向に大きくならない!?
というのも、このクルマはなんと先代のスズキ ジムニー(JA11)をベースに、同車そっくりに仕立て上げたクルマだからだ。
「ジムニーをG63 AMG 6×6にしてしまおう!」というアイデアも秀逸ながら、驚くべきはその仕上がりの良さ。
フロントバンパーとグリルは本物の間を詰めて使用していることもあって、見事にスケールダウンされたG63 AMG 6×6の雰囲気を漂わせているが、NATSお得意の鉄板加工で作られたオーバーフェンダー、短縮されたキャビンと伸ばされたボディ後部の出来上がりは、プロもうなる美しさ。
フレームを伸ばしているため車体が曲がらないように苦心したとのことだが、その心配はいらない仕上がりだった。
なお、3軸目はさすがに駆動軸には出来ていないが、NATSのカスタムカーの伝統に則って実走可能だ。
以前東京オートサロンに出展されたスープラ風スズキ カプチーノを再利用して作られたという「CP−7 SA66R」のモチーフは、初代マツダ RX−7(SA22C型)だ。
しかも、1980年代にアメリカで活躍したオーバーフェンダー付きのIMSA仕様をチョイスしている。
若い学生が選んだと思えない”オヤジほいほい”な車種もさることながら、カラーリングはあえてIMSAカラーではなく、いかにも初代RX−7をイメージさせるグラスグリーンメタリックを採用している点もツボ。
NATSのカスタムカーはオールドファンでも「ニヤリ」としてしまう要素が多く、これも人気の一つとなっている。
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