クルマの中で仕事ができる「モビリティオフィス」に注目! さまざまな事業者の要望に応えるハイエースやキャラバンのコンプリートカー/IFUU【Vol.9】

コンセプトは“移動しながら仕事ができる仕様”

リモートワークなどの広がりとあわせて、“移動しながら仕事ができる”クルマに注目が集まっています。トヨタ ハイエースや日産 キャラバンをベースに、内装をはじめとしたカスタムを行うコンプリートカー専門店「IFUU(イフー)」が、そんな需要に応えられるようにと開発・販売を行っているのが「モビリティオフィス」です。

いまIFUUが「モビリティオフィス」に力を注いでいる理由は、統合型モビリティサービス開発・活用展「MaaS(マース)エキスポ」にて刺激を受けたことが大きいのだそう。必要に応じて利用できる移動サービスを開発・構築する試みを、IFUUでも作っていきたいと考えたようです。

そうしてIFUUが開発したのが、車両やグレード、レイアウトなどまで自由に選択ができ、ユーザーの働き方やスタイルに合わせて仕様を決められるコンプリートカー「モビリディオフィス」でした。当記事ではそんな「モビリティオフィス」の製作例をご紹介します。個人はもちろんですが、移動しながら仕事をしたいと考えている企業は必見です!

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現実の使い勝手を考えた実用的な装備を揃えたクルマとして製作

例としてご紹介するのは、ドローンの会社から依頼を受けたモビリティオフィスです。ハイエース グランドキャビン(3ナンバー・10人乗り)をベースに車両を製作しています。

製作を依頼したドローン会社のリクエストは、「移動しながらドローンやスマートフォンの充電もでき、車内でPCを使ったデータ編集や対面での打ち合わせを行いたい」というもの。

リアハッチを開けた右側には、ドローンを収納するキャビネットを設置しています。これはドローンが格納できる指定サイズの寸法で設計されたオーダーメイドのキャビネットです。

ドローンは上下2段に収納が可能。その下には、家庭用AC100Vと同様に使える正弦波インバーター1800Wの装備を設置。ドローンの充電用に3口のコンセントが用意されています。

シート2列目には、ハイエース純正「S-GL ダークプライム2」のハーフレザーシート設置。

そして注目なのは、1列目シートの後ろには、1.5列目シートが装備されています。これは、2列目シート用のキャビンテーブルとして利用できますし、シートを引き出せば後ろ向きに座れる補助席としても使用可能。1.5列目と2列目シートの間にサイドレール付きのテーブルを設置すれば、打ち合わせテーブルとして使うことができるのです。

さらに1.5列目シートは、補助席やキャビンテーブル使用しない際には、2列目シート用のオットマンとしても使える優れもの。

1.5列目横の収納スペースにはAC100Vの電源が備わっており、PCの使用やスマートフォンの充電などにも活躍します。

2列目と3列目シートには、2mのロングスライドレールが備え付けられ、各シートを前方へと大きくスライドすれば、後方に大きな積載スペースや作業空間を確保できます。

これはあくまで一例ですが、「実用的な装備を揃え、クライアントの使い勝手を考えた1台」として、コストも抑えたビジネスユース向けとして何台も世に送り出しています。人と人が関わる業種のためのクルマ作りがしたいと考えるIFUUは、クルマを使ってサービスを提供したい、ビジネスを行いたいと考える企業や個人事業者の味方になってくれるでしょう。

「AIオンデマンド交通」で運行されるオンデマンドバスの製作もIFUUが担当

大阪メトロのグループ会社の「大阪シティバス」が大阪市と取り組む「AIオンデマンド交通」にて運行されるオンデマンドバスの製作もIFUUが担当しています。

「AIオンデマンド交通」とは、従来の定時定路線型のバスではなく、利用者の予約に対しAIによる最適な運行ルート、配車をリアルタイムに行う乗合輸送サービスです。移動手段が乏しい地域にて、マイカーの“チョイ乗り”に代わる手段の提供を目指しています。大阪万博が行われる2025年までに、IFUUではこのオンデマンドバスを100台以上も製作し、大阪シティバスへ納車するとのこと。

IFUU オンデマンドバスIFUU オンデマンドバス
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ちなみに、ベース車両は10人乗りのハイエース コミューター。観光バスや路線バスなどの大型バスが運転できる第二種大型自動車免許は必要なく、多くのドライバーを確保できる普通二種免許で運転ができます。

同様の依頼は、兵庫県播磨市のコミュニティバス、東京23区の乗合タクシー、関西空港〜伊丹・梅田間の送迎バス、三重県の市町村、大阪府の財団法人など、多くの業種から相談が舞い込んでいるとのこと。

BtoCへの試みに対し、製作できる、相談できる窓口になりたい

実はこれらすべて、決まったプランがあるわけではなく、すべて「こんなクルマが欲しい」という企業の悩みに応えたもの。

今回製作して運用に至っているコミュニティバスでは、通常2人がかりで点検するブレーキランプやバックランプの点灯の可否を出庫前にドライバーが1人で確認できるようにする、などのオーダーにも対応。IFUUでは、出来るかぎりどんな依頼でも応えられるように試行錯誤しているとのこと。

「お客様との打ち合わせを行いながら、全てイチから製作しています。IFUUはこういったBtoCへの試みに対し、相談をしてもらえる窓口になりたいと考えています。実現が難しいご相談も多いですが、どういう形で実現できるか一緒に考えていきたい」と、IFUU 根間代表。

実際にも、乗車定員14人のハイエースを10人乗りに変更したり、乗車定員が5人の標準ボディのハイエースを10人乗りのコミュニティバスに改造したりするなど、多くの企業依頼に応えています。

「事業用の車両などをオリジナルで製作したい」と考える方はぜひIFUUに相談を

IFUU オンデマンドバス

「事業に使用する車両を製作したい」「車両を使った新しい働き方の提案をしたいけど、どこに相談していいものか分からない」そう悩んでいる事業者や企業の担当者さん。これを見たら、ぜひ一度IFUUに相談してみてはいかがでしょうか。ハイエースとキャラバンをベースに、きっと自分たちのイメージする、便利な1台を作り上げてくれるはずです。

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筆者   木村隆之
自動車カスタム誌編集長を経てフリーランスへ。多くのドレスアップカーやカスタムシーン、アフターパーツを取材し、ウェブ・雑誌媒体に寄稿。アウトドアやキャンプ好きで、自ら改造した軽バンでキャンプに出掛けることも。
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トヨタ ハイエース/日産NV350キャラバンのコンプリートカー専門店。自分の用途に合わせてベストマッチした仕様を求めて数多くのユーザーが訪れている。バリエーション豊富な伊原工業製伊原シート(REVOシート)/車両用シートを専門に開発・製造を行うステルス社(埼玉県春日部市)の代理店を務める。家具やシートの取り付けを行うコンプリートカーの製造から構造変更登録まですべて自社で行っており、年間に約300台のコンプリートカー登録の実績がある。同社ならではのノウハウによってユーザーの希望を叶えたハイエース/NV350キャラバンを作り上げる。また自動車内装施工事業部としてIFUU Industryも併設しており、業者用OEM製作やオーダー施工を行っている。

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