鍛造ホイールの雄が放つ珠玉の3モデル「TE37 SAGA S-Plus/G025/GT090」を見逃すな!/レイズ・ボルクレーシング【Vol.4】

ボルクレーシングのシンボルを継承した「TE37 SAGA」

1996年に登場し、インプレッサや、S2000、S14シルビアなどのカスタム&チューニングホイールとして爆発的な人気を博したレイズの鍛造シリーズ、ボルクレーシング。同ブランドを代表するホイール「TE37」は、まさにスポーツホイールの王道として、その印象を不動なものにしている。

その後TE37がターゲットとする車両たち=ランサー・エボリューションやスカイライン GT-Rなどのハイパフォーマンスカーは、高馬力化とともに車両重量は増加していった。

時代に合わせてカスタムやチューニングもより過激化し、ワイドボディ化などが進む中、2016年に新たに登場したのが、TE37の後継モデル「TE37 SAGA(サーガ)」だ。この名前は性(サガ)から取ったもので、英語では英雄という意味も持つ。

「馬力やトルクが上がって、さらに車両総重量が増えると、負荷はタイヤにかかる。つまり、ホイールにも同様に多大な負荷がかかることになるんです」と、ボルクレーシングの山口サン。

それでなくても、レースを始め、ボルクレーシングのホイールはハードな走行シーンに晒される宿命にある。まさにTE37が引き寄せた“性(サガ)”だ。つまり、ハイパワー車の足元を飾るTE37にも見直しが行われ、生まれたのがSAGAだったのだ。

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ハイパワー化したクルマに対応して進化した「TE37 SAGA S-plus」

そのSAGAから、さらに進化を遂げたモデルが2021年1月に登場した。「TE37 SAGA S-plus(エスプラス)」だ。

「この10年でクルマがすごく変わりました。それに乗っている人も大きく変わった。レイズとしてもホイールの強度や構造をもう一度見直そうとなったのです」。

これまでのTE37 SAGAに対して強度を15%もアップさせた最新作のS—plus。強度を引き上げるのに際して、当然ながら質量は3〜5%程度重くなっている。しかしその違いはレーシングドライバーでも気が付かないレベルだという。

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主な改良ポイントは、スポーク裏の形状やリムプロフィール。2次元図面においてTE37 SAGAとこのS-plusはほぼ同じ。ただし、ホイールの断面図を見ると明らかに進化している。

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法規的に求められる強度基準を遥かに凌駕する、レイズ社内の強度基準「スペック1」と「スペック2」。これらはすでにオーバースペックなのだが、S-plusはさらに上をいく“スペック3”とも呼べるレベルだという。

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これから先のクルマを見据えた鍛造ホイール

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つまり誰が使っても、何があっても壊れないホイールと言っていい。強度的にはまさにTE37の2.5世代目と呼べるもの。初代は20数年後を見据えたホイールとして開発されたが、SAGA S-plusは今後20数年を見据えたモデルと呼べる、最先端の技術が集約されたモデルなのだ。

20数年も経てば技術も進化している。TE37世代、TE37 SL世代、そしてTE37 SAGA世代と脈々とDNAを進化させている稀有なホイール。父が初期のTE37、息子や娘世代がSAGAを履くという図式も珍しくないほどだ。

このTE37 SAGA S-plus。TE37の系譜を辿るその最先端モデルだけに絶対に注目しておいて欲しい。

国産車だけでなく輸入車ユーザーからも人気を集めた「G025」

次に紹介するのはGシリーズの「G025」。このホイールは欧州車乗りにドンピシャでササったモデルだろう。

レースカーに直結したスパルタンな魅力とオーラを全身に醸し出すTE37に対して、このG025を筆頭とするGシリーズはストリートカーにこそ映える繊細かつ美麗なデザインが人気を博した。

以前のボルクレーシングといえばインポートカー比率が少なかったのだが、このG025は5穴、P.C.D.112のアウディを筆頭にブレイク。スタイリッシュな欧州車のフォルムにも劇的にハマる存在として認知されている。今では、このGシリーズだけでボルクシリーズ全体の5割に迫るほどの人気モデル。“初めてカスタムをしてみよう”、“初めてボルクレーシングを買ってみよう”というフリークにも数多く支持されている。

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とことんデザインを追求した鍛造ホイール

その開発コンセプトは、縦方向軸のデザイン造作にとにかくこだわり、マシニングで造形を施そうと思ったホイールでもあると言う。

デザイン形状は2×5スポークデザイン。スポーク幅は最も細いところで驚異の5mmを実現するなど、鍛造ホイールの利点を生かした驚きのルックスを披露している。さらに、本来スポークの間に配置されるべきボルトホールを、応力が集中するスポークの頂点部分に設定。通常ならばありえない位置に設定しているのだ。これは鍛造製法に習熟したレイズの自信の現れであり、ホイール解析技術の自負に他ならない。鋳造では絶対に成立しないデザインなのだ。しかもナットホールから連続するようにさらなる減肉化も施している念の入れようだ。

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G025のピンヒールのような細さのスポークと、そのナットホール位置には本当に驚かされるが、実はセンター部分の裏側には肉厚をしっかりと確保。実は意外にマッチョさも併せ持つのだという。

待望の18インチが追加されて装着の幅が広がったG025

19、20インチがラインナップされたG025だが、この3月に18インチが追加設定される。サイズを待ち望んでいた人にはニュースだ。そして、特筆すべきはそのフェイスデザインにある。

大径な19、20インチに対し、18インチサイズは普通ならスポークの足の長さが短くなる。しかしこのG025の18インチは、デザインのキモとなるべきY字部分が、小径になっても短くなっていないのだ。この18、19、20インチの異なる3サイズで並んでも、伸びやかな足長感のあるY字スポーク部分だけはそのままキープされている。

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さらにクリアーを表現する塗装や、スポークに文字を彫り込むマシニングも最先端の技術を導入している。

フェイスには、フラットなフェイス1からよりスポークのアールや角度が強く曲がっていくフェイス4と4つの設定がある。それぞれのフェイスの角度に適切な塗装を施すなど、製造に手間がかかるため、S-Plusは限定品としているのだ。

また、湾曲した3次元曲面のスポーク面に、均一にVOLKRACINGなどの文字を彫り込むマシニング。これもまた一朝一夕には実現できないすごい技術なのだ。

「GT090」はニュースタンダードとなるべくして生まれたホイール

最後は、次世代を担うレーシングホイール「GT090」に注目したい。レイズ自身、「10年後には、TE37のライバルとなり得るでしょう」と語るホイールだ。

「このモデルはTE37とは違ったニュースタンダードな存在を、と開発しました。TE37で完成させた6本スポークの概念を捨て去り、色々なスポークを検証した結果、9本スポークに。これはTE37に続く“第2の性能原器かもしれない”と思いました」。

GT3用レーシングホイールをもとに、センターロック式18インチのデザインバランスを保つことを命題に掲げ、ストリートを走るスーパースポーツ用に実現するには、21インチというサイズが必要だと行き着いた。そして2021年4月には、タイヤの供給が豊富な待望の20インチモデルが登場する。

「単なるレースホイールのレプリカは嫌でした。ストリートにはストリートの格好良さがありますから」と、スポークの側面には3つずつウエイトレスホールを設けている。ホイール正面からは気がつかないが、これは軽量性に寄与し、デザインの先進性にも影響を与える。レース用ホイールには設定していないストリート独自のデザインで強度的にもリスクを背負うが、高い構造解析技術により実現させている。

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TE37 SAGA S-Plus、G025、G090という珠玉の3モデルに注目

レイズ

レイズ、そのフラッグシップブランドである、「ボルクレーシング」とは、ここまで覚悟の決まったブランドだからこそ、あくなき追求ができるのだと思う。だからレース好き、クルマ好きの心にササるのだ。

レースの最前線で闘い、職人のようにホイール解析を続けるレイズのボルクレーシングブランド。「TE37 SAGA S-plus」は1月に、「G025」の18インチは3月に、「GT090」の20インチは4月に、それぞれ待望のデビューを遂げる。“The Concept is Racing”を名乗るに相応しい珠玉の3モデルの動向をしっかりと見届けてほしい。

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撮影協力:GR Garage Suzuka カローラ三重/F.O.B.Schrank

筆者   木村隆之
自動車カスタム誌編集長を経てフリーランスへ。多くのドレスアップカーやカスタムシーン、アフターパーツを取材し、ウェブ・雑誌媒体に寄稿。アウトドアやキャンプ好きで、自ら改造した軽バンでキャンプに出掛けることも。
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1973年創業の自動車用アルミホイールメーカー。日本でも数少ない鍛造機を有する自社工場をもち、鍛造/鋳造ホイールを、軽自動車からスポーツカー、ワンボックス、ハイエンドと幅広い車種に展開している。人気のブランド「ボルクレーシング」を筆頭に、多くのスポーツカーファンやカスタマイズファンに支持されている。

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