1979年に公開されたオーストラリアの映画「マッドマックス(MAD MAX)」。荒廃した世界で主人公が復讐に立ち上がるバイオレンス・アクションとして有名で、数多くの映画や漫画に影響を与えたことでも知られている。そしてマッドマックスを印象付けるものとして、劇中車を語らずにはいられないだろう。中でも主人公マックスが乗る「ポリスインターセプター(V8インターセプター ブラック・パーシュート・スペシャル)」は、真っ黒のボディに太いタイヤを履き、ボンネットからはスーパーチャージャーが顔を出してサイドからは左右各4本ずつマフラーが飛び出るという大迫力のスタイルで大人気だ。現在もレプリカが世界各地で作られるほどの「レジェンド劇中車」である。
このインターセプターをTAS2018に展示したのは東京都足立区の「TIC」。クルマを改造した際エンジンの載せ替え、サスペンションをコイルからエアサスに変更、ATからMTに換装、排気量変更など場合によっては車検証の記載変更をする必要があるが、同社では公認申請一筋25年超という長年培われたノウハウを駆使して、改造公認や登録に関係する業務一式、触媒加工などを得意とする。そこで同社はTAS2018にインターセプターのレプリカを製作して展示、技術力とノウハウのアピールを行っている。
ベースとなった豪州フォードのファルコンは、状態の良い個体を入手することが困難になっているため、レプリカもコンディションが悪い状態から製作されることも少なくないという。また、特徴的なスーパーチャージャーも実際にはダミーで、稼働しないものが多い(なんと実際の映画でもダミーだったそう)。だがTICでは本当にスーパーチャージャーが動いて「蹴飛ばされるような加速」が味わえて、しかも「渋滞にも対応できストレスなく走れる快適性」「実際に乗って楽しめること」を追求。電気配線も一新してアップデート、エンジン制御もMoTeC社製として現代のクルマ同様に使用することを目指している。スーパーチャージャーはスイッチによるオンオフを可能としているとのことだ。また、飛び出たスーパーチャージャーとサイドマフラーも「車検を知り尽くしている」というTICは公認車検を合法的に取得することに成功しており、このインターセプターには実際にナンバーが発行され公道を走れるようになっている。
TAS2018の展示では新規に引き直された電気配線を利用して車外からヘッドライトやパトランプを点灯するデモも行われた。その仕上がりの高さは確かに驚きのレベル。映画ファンならずともぜひ実際に確認してほしい。
[Text:遠藤イヅル]
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