ワインディングロードに突入してもHYBRID MLの瞬発力は光っていた。勾配がつく路面状況をいとも簡単に乗り越えていけるトルクは、HYBRID MLならでは。エンジン回転をむやみに高くすることなく、ジワリとグイグイ静かに登っていく感覚こそ、HYBRID MLの魅力だと思う。
シャシーについては運動性能を高めようという狙いがあまりないため、役不足になるのかと想像していたが、リアルな環境で走る限りは必要十分といった感覚だ。
ただ、RStに乗り換えるとそのさらに先があることを思い知らされる。引き締められたシャシーと軽量ボディの相乗効果で、クルマはキビキビと狙ったラインを見事にトレースして行く。ステアリングの微操舵域から切り込み応答まで連続したフィーリングをもたらし、まさに思い通りに走ってくれる。ワインディングが楽しくなる仕上がりだ。
ボディを無駄に動かすことなく、フラットさをキープしたままコーナーを駆け抜ける様は、まさにホットハッチと呼べる仕上がり。パドルシフトで高めのエンジン回転をキープしながら走れば、爽快感はかなり高い。
80~90年代に感じていたコンパクトカークラスならではの軽快感にプラスしてシッカリとした現代の剛性感が味わえること、これぞ新型スイフトの真骨頂だ。