MOTAトップ ニュース/記事 特集 PR企画 SUBARU LEVORG ~ROAD TOUR IMPRESSION~ モータージャーナリスト10人による超大インプレッションをお届け! page05
松田秀士に水平対向+AWDの走りや新環状力骨構造ボディの剛性感などについて語ってもらった。
こいつは素晴らしい!新環状力骨構造ボディ
スペースなどクルマとしてのユーティリティーを重要視するが、走りを大切にしたい。レヴォーグはスバリストに限らずそんな全てのドライバーにとってベストチョイスといえるだろう。その中でもボクのお勧めグレードは2.0GT-Sだ。
レギュラーガソリンでしかも燃費の良い1.6GT-Sも魅力的だが、スバルが提案する走りの楽しさでは2.0GT-Sの右に出る者はいない。まず第一に挙げたいのが直噴ターボの2.0DITエンジン。
このエンジンはこれまでにもレガシィに搭載されてきたが、よりファインチューニングされた印象で中速から高回転域までさらに力強く感じる。中低速のトルクもあるが、いわゆるスポーツエンジンらしい高回転域のキレの良さが盛られた感じだ。だから加速に迫力がある。そして、このエンジンにコラボするトランスミッションはスバル独自のチェーン式CVTのスポーツトロニックでマニュアルモードは8段変速。しかも、その設定ギヤ比はよりクロスレシオ化されていて、加減速時の繋がりは小刻みなシフト操作でエンジンのよりおいしいところを、ドライバーの意思でチョイスして変速できる楽しみがある。
さらにスバルの十八番ともいえるシンメトリカルAWDシステム。低重心でコンパクトな水平対向4気筒エンジンを縦置きにすることで、重いトランスミッションを前後輪の中心に低くマウントできる。しかもプロペラシャフトはトランスミッションの中心から後ろに延びるので左右がシンメトリー(対称)。重量物を低く車体の中心に置く、というレーシングカーと同じ考え方で設計しているのだ。そのAWDシステムは2.0LモデルにはVTD-AWDシステムが搭載されている。このシステムはアクセルOFFの減速時にも積極的にリヤタイヤに駆動配分を行うので、より積極的でスポーティーな走りが楽しめるというわけだ。
そして、その走りを支える新環状力骨構造ボディは素晴らしい出来だ。ブレーキング時やコーナーリング時のたわみや捻れといったストレスにとても強くサスペンションの性能をフルに引き出しているといえる。直進時にも路面に吸いついて走っているかのようにステアリングのニュートラル領域がピタッ!と安定している。レヴォーグには第3世代のアイサイトに新しく盛り込まれたアクティブなレーンキープアシストが採用されているが、その必要性を感じさせないほどに直進性能が高い。つまりロングドライブも疲れにくいということだが、このスタビリティーがコーナーリングを楽しむための基本。レーシングマシンもこのような直進時の安定感がなければコーナーに飛び込めないし限界も掴みにくいものなのだ。ロードノイズや風切り音などの中でも耳障りな音はしっかりと取り除き、スポーティーなエンジン音などは心地良く聴かせる。レヴォーグは新感覚・新世代のスポーツだ。
プロフィール
松田秀士(MATSUDA HIDESHI)
1954年高知県生まれ。僧侶の資格を持ち、サラリーマン、芸能人の付き人を経て、28歳でレースデビュー。92年には、デイトナ24時間&ル・マン24時間レースに出場。94年、インディ500マイルレースに日本人2人目のドライバーとして初参戦。2年目の95年には完走を果たし、翌年、当時日本人最高位完走という成績を残した。同じ頃から東京中日スポーツ新聞等で自動車評論活動を開始。現在も執筆活動の傍ら、レーシングドライバーとしても活躍中。