ジムニーの「出足の遅さ」を解決する吸排気系チューニングアップ! ジムニーパーツの老舗がオススメする、見た目以上に主力性能がアップするマフラーなどをご紹介/オフロードサービス タニグチ Vol.3

出足の遅さやレスポンスの悪さがお悩みならば、吸排気系チューニングがオススメ!

街中を走るスズキ JB64ジムニー/JB74ジムニーシエラが、多いと感じるようになった昨今。各車を見ると、ジムニーのカスタム施工率はかなり高く、外装のドレスアップに始まり、リフトアップ、タイヤの大径化など、何かしらのカスタムが行われているように感じます。

カスタムを施工するユーザーさんの満足度は高い模様ですが、一方で不満な点としてよく耳にするのが「遅い!」という一言。

純正仕様の時はまだ我慢できますが、タイヤを大径化すると出足が遅くなり、思ったように反応がついてこないなどレスポンスも悪化します。特に乗用車から乗り換えた方にとっては、タイヤの大径化と言うカスタムは未知の世界で、こんなものと諦めている方も多いはず。

しかし、そんな悩みに対して効果的なのが吸排気系のチューニング(※)。排気効率のよいマフラーに変更したり、エンジンに空気を取り入れるインテーク系パーツを交換して吸気効率を高めることで、そんな不満も解消してくれるのです。

そこで今回、ジムニー業界で圧倒的な部品数を誇るカスタムパーツメーカーの老舗「オフロードサービス タニグチ」代表の谷口 武さんに、現行ジムニーにオススメの吸排気系パーツや交換方法について伺いました。

>>「オフロードサービス タニグチ」のオフィシャルサイトはこちら

(※)一般的には、見た目を重視してドレスアップすることを「カスタム」、走行性能を向上させることを「チューニング」と定義されています

常用域のトルクアップとレスポンスが向上する2種類のマフラー

オフロードサービス タニグチがJB64/JB74用にラインアップするマフラーは2種類。オフロードでの走行を意識した出口位置が高いアップタイプで右斜め出しの「コンペマフラーR」と、純正バンパー対応で静粛性とパワーを両立させた「エクシードマフラー」。どちらも平成28年度騒音規制適合の車検に対応し、チューニングメーカーHKSと共同開発をした高性能なスポーツマフラーです。

両マフラーのデザイン的な特徴や、出力特性についてご紹介していきます。

「コンペマフラーR」のデザイン

「コンペマフラーR」は、マフラーエンドの縁が丸まったラッパ形状のカールファンネルタイプであることや、青や紫のグラデーションが美しいチタンカラーテール、消音効率や排気効率のアップに寄与する円筒状の“砲弾型”のサイレンサーであることが特徴です。オフロードでの走破性を考慮して、純正よりかなり上部にマフラーエンドが移動されています。

車体中心部に位置するタイコの形状にも工夫があります。タイコはマフラーよりエンジン側にある太鼓のような円筒の消音器で、通常は断面が円のところ「コンペマフラーR」では上下方向の高さを抑えたオーバル形状(楕円)が採用されています。最低地上高を損なわないための工夫であり、悪路での走破力を求める仕様に最適です。

「コンペマフラーR」を取り付けるならば、加工不要で綺麗に装着ができ、リアビューをシャープな印象にしてくれるタニグチ製リアバンパーと組み合わせるのがオススメです。

あるいは純正バンパーに切り込みを入れ、「純正バンパー用マフラーガーニッシュ」を装着すれば綺麗に収めることもできます。

「エクシードマフラー」のデザイン

「エクシードマフラー」は、純正バンパーでの装着を前提に作られており、リアバンパーから突き出すエンド部分は純正と全く同じ取り回し。パイプ径は変更されているので、エンドの迫力も高まります。

「コンペマフラーR」と同様に、タイコはオーバル形状で、フレームからはみ出さないように配慮されているのも特徴です。

「コンペマフラーR」「エクシードマフラー」の出力特性

どちらのマフラーもピークパワー狙いの構成ではなくて、出足の遅さを解消できる“常用域のトルクアップ”や、アクセルを踏み込んだときの反応を高める“レスポンス向上”を目的としたモデル。

市販のマフラーの多くは、メインパイプ径を大幅に拡大し、タービンがスムーズに回りやすくなる「抜けメイン」の手法を用いられたものが一般的。一方オフロードサービス タニグチでは、エンジン本体のトルクを充分に発揮できるようにメインパイプ径は抑えられています。

そのおかげで、常用域での扱いやすさはバツグン。出足も軽やかで、アクセルを踏み込んだ時にも思ったように反応してくれるようになります。

「コンペマフラーRとエクシードマフラーでは、どちらのほうがパワーは出てますか?」と聞かれることが多いようですが、性能面での違いはほとんど無いので、好みのルックスのほうを選べばOKとのこと。

▼コンペマフラーRの紹介動画はこちら

▼エクシードマフラーの紹介動画はこちら

トルクが向上する「マフラーアース」もオススメ

見た目は地味ですが、注目してほしいアイテムが「マフラーアース」です。マフラー本体に帯電した電磁ノイズをボディ側にアースすることで、排気抵抗を低減。出足での力強さが増すなどトルクの向上に貢献します。オカルト系パーツに見えるかもしれませんが、バッチリと体感できるアイテムです。

走りをより軽やかにし、ドレスアップ効果もあるインテーク系パイピングの交換

マフラー交換に合わせてオススメなのが、エアフィルターからエンジンに空気を送り込むためのインテーク系パイピングの交換です。

吸気系に使われている純正のゴムホースをステンレス製のパイプに変更することで、ゴムホースが膨張して圧力が下がるような圧力損失がなくなり、ブーストの立ち上がり、トルクの上昇、アクセルの開け直し時のレスポンスが向上するというもの。走りが軽やかになるだけでなく、エンジンルームも華やかになり、隠れたドレスアップとしても効果抜群です。

インテークパイプはアルミ製が定番のところ、オフロードサービス タニグチではあえてステンレスで製作。厚肉のアルミより、薄いステンレスの方が熱対流(空気の動きやすさ)、放熱性が高いということが理由。そして、ステンレスの方がアルミより強度が優れているのも選んだ理由とのこと。

同社では、JB64用のパイピング構成を3つにわけて商品化。様々な仕様に対応できるように「ブローオフバルブFV」「ステンレスインテークパイプ」「パワーエアクリーナーキット」をラインアップしています。

ブローオフバルブFV(JB64用)

TRUST製ブローオフバルブFV2と専用ステンレスパイプ、リターンホースの3つがセットとなった「ブローオフバルブFV」。

ブローオフバルブとは、圧力開放バルブのこと。ターボチャージャーの機能を正常に保つこや、タービンアッセンブリー類が破損することを防ぐ役割があります。

そんなブローオフバルブをインタークーラーとスロットルボディ間に移設することで、吸気効率を向上させるのが同アイテム。パイプはステンレス製であるため、ゴムホースの膨張ロスもなくなり、過給がスムーズに立ち上がります。車検にも対応しているので、安心して装着可能です。

ステンレスインテークパイプ(JB64用)

インタークーラーインレットホースをゴムホースから膨張のないステンレス製に変更する「ステンレスインテークパイプ」もオススメのパーツです。

ターボの性能を維持するのに不可欠なインタークーラーに繋がるホースですが、こちらをステンレスに変更することでタービンによる過給圧をスムーズに通過させ、レスポンスを向上させてくれます。

パワーエアクリーナーキット(JB64用)

肝心の空気を吸入するエアクリーナーも重要です。ここには、吸入抵抗と濾過性能を高次元で両立したオープンタイプ湿式のエアクリーナー「パワーエアクリーナーキット」がオススメです。パワーとレスポンスアップを実現します。

内部抵抗が少なく、流速が程よく加速する長さで設定されたステンレス製パイプや、フィルター下に設置する遮熱板がセットとなっており、専用の取付ステーでボルトオン装着が可能です。

純正交換タイプの乾式フィルターや純正エアクリーナー用パイピングキットもラインアップ

パワーエアクリーナーキットよりもお手軽な純正交換タイプの乾式フィルター「ソルブエアフィルター」もラインアップ。通気抵抗が低く、清浄性能に優れた濾紙が採用されており、吸気効率向上によりパワーアップを実現。

JB64/JB74用のどちらにも使用可能。ゴムパッキンも付属しています。

純正のエアクリーナーボックスを使用した環境で使用できる「純正エアクリーナー用パイピングキット」も新たに開発されました。砂埃の多いオフロードでの使用を考慮した場合、オープンタイプを好まないユーザーもいるためです。

こちらの商品は、吸い込み口のパイプとエアクリーナーからタービンへのパイプがセット。フロントグリルから効果的に吸入できるように計算されています。

「ソルブエアフィルター」と「純正エアクリーナー用パイピングキット」のセットは、オープンタイプに迫る性能となるので、この組み合わせもオススメです。

一つずつパーツ交換をしながら性能アップを感じるのがオススメ

今回ご紹介したアイテムは、ドレスアップ的な満足度が高いのはもちろんですが、なにより性能向上が感じれ、走りが楽しくなるのが魅力。タイヤを大径化したことで、ジムニーの走りに不満を持っている方には間違くなくオススメです。

これから吸排気系のチューニングを考えている方に向けて、オフロードサービス タニグチではオススメのパーツ交換方法があるようです。

「マフラーからインテークなど、一度に全て交換をしたほうが体感効果は大きいですが、まずはマフラーとマフラーアースを装着し、インテーク系のパイピングを仕様に応じて一つずつ装着するといったステップアップ的な交換手法もオススメしています。パーツを交換する度に効果が体感できて、チューニングの楽しさを知ることができ、乗っているジムニーがどんどん好きになるはずです」と谷口社長。

オフロードサービス タニグチでは、今回ご紹介した商品以外にもチューニング(スープアップ)パーツをラインアップしています。商品の詳細や他の商品も気になった方は、オフィシャルサイト「スープアップ」のページをチェックしてみてください!

>>オフィシャルサイトの「スープアップ」のページはこちら

商品の購入は、オフロードサービス タニグチの店頭だけでなく、オンラインストアなどでも可能。最近では、全国のオートバックスや各地のカーイベントでも出店セールなどを行なっているので、実物を見て触ってから購入をすることもできます。

イベントへの出展情報はオフィシャルサイトの「新着ニュース」のページをご確認ください。

>>オフィシャルサイトの「新着ニュース」のページはこちら

商品価格

商品名商品価格(税込)

コンペマフラーR

9万6800円

純正バンパー用マフラーガーニッシュ

7700円

エクシードマフラー

9万3500円

ブローオフバルブFV JB64用

6万1600円

ステンレスインテークパイプ JB64用

2万3100円

パワーエアクリーナーキット JB64用

5万3900円

ソルブエアフィルター

5500円

純正エアクリーナー用パイピングキット

未定

(※)「コンペマフラーR」「エクシードマフラー」の商品価格は2023年4月10日以降のもの

筆者   那須 一博
ジムニーや四駆の雑誌で20年以上にわたりライターとして執筆し、カメラマン・ドライバーも務める。かつてはジムニー用オリジナルパーツの製作、販売をおこなうジムニー専門店を運営。四輪駆動車によるエクストリームスポーツ「ロッククローリング」などの大会へ参加、コンペティターとしても実績を持つ生粋の四駆好き。
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