初代ル・マン=ル・マン24は、軽快なスポーティタイヤとして1982年に登場した。そして1998年にル・マンLM 701が登場。デジタルローリングシミュレーション技術を搭載した通称「デジタイヤ」の第一弾でもあった。その後LM702、LM703、ル・マン4と続き、2017年LE MANS Vが発売された。
改めて振り返ってみると、35年もの間ル・マンの名前が使われ続けてきたことになる。驚くべきロングセラーモデルといえるが、その理由はル・マンシリーズが、常にユーザーのニーズのど真ん中にあったからだ。それはつまり、ユーザーのニーズを先読みし、半歩先を行きながら、ユーザーが求めるであろうタイヤを作り続けてきたということでもある。
かつてスポーティが主役だったタイヤ性能は1990年代後半あたりから快適性に対する比重が増していく。それに伴って、ル・マンシリーズも操縦性の良さを備えたバランス系コンフォートタイヤとして進化してきた。そして2006年のLM703からサイレントコア(特殊吸音スポンジ)を採用。ル・マン4は、転がり抵抗も大幅に低減させて、コンフォート&ECOという時代の流れをリードするタイヤだった。
そして2017年の今年、ついに新型LE MANS Vが登場した。キャッチフレーズは「実感できる快適性能をあなたに」。良質にグレードアップした快適性能と定評ある低燃費性能、優れた耐摩耗性能を高次元でバランスさせているという。その進化の度合いを早速試してみることにしよう。
TEXT:斎藤聡 PHOTO:和田清志
サイドウォールのクッション性をバネで表すと…
サイドウォールが局所的にしかたわまないので、路面からの衝撃を十分吸収しきれない。
新プロファイル採用によりサイドウォール全体がたわみ、路面からの衝撃を効果的に吸収する。
新パターン採用によりブロック数を増やすことで路面からの衝撃を分散し振動を抑制。
新プロファイル採用により接地形状を丸くすることで、トレッド部中央から徐々に接地。路面からの衝撃を緩和し振動を抑制。
通過する空気の流れをコントロールしパターンノイズ低減に寄与。静かに飛ぶフクロウは、羽のセレーションで気流をコントロール。